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2018年6月9日土曜日

【文献紹介】腸脛靭帯遠位部について


本日は腸脛靭帯(ITT)遠位部の線維構築と大腿-膝外側支持機構との関連性について報告されている文献を紹介させていただきます。






三浦ら:腸脛靭帯遠位部の線維構築と大腿-膝外側支持機構との関連性について.第10回臨床解剖研究会記録,2006.6.17


この文献では献体8体、16側の骨盤-下肢を用いられて、肉眼解剖を行われています。

ITT遠位部線維は大腿筋膜と大腿二頭筋筋膜との間で癒合していたが、主部では両者と明確に区別出来たと報告されています。特に後方線維は外側筋間中隔の形成に密接に関与したことも報告されています。

ITT遠位部の線維構築は浅深3層の線維構築と7つの線維束に区別されています。
浅層線維束 主にTFLと殿筋表層部由来の腱膜からなり膝蓋骨に付着
中間層 TFLと大殿筋の中層部由来の腱膜からなりGardy結節前方に付着
深層線維 殿筋の深層部由来の腱膜と外側筋間中隔構成線維からなりGardy結節後方に付着
このように線維束を分けることが出来たと報告されています。


この文献からITTの詳しい解剖が理解出来ました。
また、ITTは膝関節角度により伸張される線維が異なることが知られているかと思います。
この文献によりどの筋腱の関与が強い線維なのか理解することが出来たと思います。
これからの臨床に活かしていけるよう学んでいきたいと思います。



投稿者:天鷲翔太              

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