Anatomical etiology of “pseudo-sciatica” from superior cluneal nerve entrapment: a laboratory investigation
Tomoyuki Konno1 Yoichi Aota2 Hiroshi Kuniya1 Tomoyuki Saito1 Ning Qu3 Shogo Hayashi3 Shinichi Kawata3 Masahiro Itoh3
これまでの解剖学的研究では上殿皮神経は上位腰神経L1からL3に由来するとされおり、
グレイ解剖学、グランツ解剖学にもそのように記載されています。
相澤らはご遺体11体20側の解剖を行い上殿皮神経の分布はL1(5%)L2(3側:15%)
L3(13側65%)L4(3側15%)であったと報告しています。
結果、絞扼されやすい内側枝の起始となる神経根はL2 からL4に分布したものが1本。
L3に分布したものが3本。L4に分布したものが10本。L5に分布したものが6本であり、多くの教科書や図譜で上殿皮神経は3本と記載されていますが、本研究では1本から5本と多様であったと報告されています。
結果から絞扼されることの多い内側枝の由来神経根は主にL4、L5から分布していおり坐骨神経様の関連痛を呈する解剖学的背景と考えられています。
腰殿部痛と同時に下肢に関連痛を訴える患者さんにはこのような解剖学的背景も念頭に置いて評価や治療を進めていく必要もあると感じました。
しかし、坐骨神経痛を呈する病態は様々であり、まずはそれらの病態を1つ1つ丁寧に見ていくことが重要であると考えます。
投稿者:大渕篤樹