COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2019年8月15日木曜日

【文献紹介】肩インピンジメント症候群にける鳥口肩峰アーチの1つの動態について

定例会のお知らせです。
8月の定例会は「足関節内側組織の触診」、ミニレクチャーは「足関節脱臼骨折(回内障害)」です。
8月1日より申し込みを開始しております。
定員に達し次第申し込みを締め切らせていただきます。
お早めにお申し込みください。


本日紹介させていただく文献は、肩インピンジメント症候群における鳥口肩峰アーチの動態についてレントゲンを用いて検討されたものです。

遠藤健次他:肩インピンジメント症候群における鳥口肩峰アーチの1つの動態について.肩関節20(1),1996:177-180


目的は肩外転運動に伴う鳥口肩峰アーチの動態を観察し、肩甲骨の外旋(後傾)において、正常状態と異常状態で差があるかどうか調査することです。
対象はインピンジメントテストが片側は陽性であり、かつ対側は陰性である32例64肩です。
病態との関連をみるために肩鎖関節脱臼症例4例についても検討しています。
立位正面の0°下垂位と前額面45°外転位を用い、両者とも上腕回旋は中間位としレントゲンを撮影しています。
肩甲棘に対する烏口突起の高位を表すために、烏口突起上縁から肩甲棘上縁までの距離を左右計測しています。
烏口突起が肩甲棘より下位にある際マイナス、上位にある際はプラスと表現しています。
結果は0°では有意差は認めなかったがインピンジメント側で低値を示しており、45°外転位では有意差をみとめ、インピンジメント側で低値を示しました。
肩鎖関節脱臼症例においては3/4例で肩甲骨が外旋した結果となりました。
烏口突起が上方を向くには肩甲帯周囲筋が収縮するか烏口肩峰靭帯や肩鎖関節を介して間接的に動くことが考えられます。
脱臼症例において肩甲骨が外旋していることから鳥口鎖骨靭帯の機能障害により烏口突起が上方移動することが示唆されたと述べています。
肩甲帯周囲筋については僧帽筋の機能不全が生じると肩甲骨外旋運動が障害され、肩峰が前方に位置した状態となり、インピンジメントの発生につながる可能性があると述べています。
肩外転に伴う肩甲骨外旋運動は矢状面でも肩甲上腕リズムが存在することを示されました。

今回の検討は0°と45°外転位で撮影しており、大結節がC-A archに入っていない場所で検討されています。
それでも有意差を認めた結果となったことから、大結節がC-A archに入る前、静的な状態ですでに正常から逸脱した状態にあることがわかりました。


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