腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った90例92肩を対象とし、術後2週、3ヶ月、6ヶ月、1年にMRI撮影を行って評価されています。評価項目は腱板筋の筋萎縮と脂肪浸潤の程度、腱板の修復状態の3つです。
MRIの経時的な評価により再断裂発生時期を調査し、さらに大断裂・広範囲断裂例を対象として修復群と再断裂群の比較検討を行うことで再断裂の危険因子を明らかにされています。
対象(92肩)の約15%に再断裂が認められ、再断裂例のうち約70%が術後3ヶ月以内に発生し、危険因子は利き手、棘上筋の筋萎縮と脂肪浸潤だと報告されていました。
修復過程や時期を念頭に置いて治療をすすめていきますが、患者さんへの指導も再断裂の予防において大切だと思います。患者さんが納得する説明ができるのも上手に治療をすすめていくために必要なスキルだと日々感じ精進しています。方法はいろいろありますが、このような研究結果を利用するのも1つの手だと思いました。