COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年6月5日火曜日

【文献紹介】座位での股関節内旋・外旋角度変化が大殿筋上部線維、中殿筋前部線維、大腿筋膜張筋の筋電図積分値に及ぼす影響

今回は股関節屈曲位での股関節内旋・外旋角度変化による3筋の筋活動量を研究している文献を紹介させていただきます。



伊藤陸 他:座位での股関節内旋・外旋角度変化が大殿筋上部線維、中殿筋前部線維、大腿筋膜張筋の筋電図積分値に及ぼす影響:理学療法科学.32(3):443-447.2017


測定肢位は足底非接地の端座位とし、両股関節・膝関節屈曲90°の体幹垂直位とされています。検査筋は大殿筋上部線維と中殿筋前部線維、大腿筋膜張筋とされており、各筋の筋活動を表面筋電図計にて測定されています。開始肢位から測定側股関節内旋10°20°30°、外旋10°20°30°とランダムに変化させ、保持させた際の筋活動を同様に測定されています。
結果は、中殿筋前部線維、大腿筋膜張筋の筋電図積分値相対値は股関節内旋角度の増大にともない漸増傾向を示し、股関節内旋10°と比較して30°で有意に増大していました。大殿筋上部線維の筋電図積分値相対値は股関節内旋10°20°間では有意な変化を認めず、内旋30°で有意に増大していました。また股関節外旋位保持課題においてはいずれも各筋ともに有意な変化を認めていませんでした。このことから、大殿筋上部線維は股関節伸展・外転に作用するだけでなく、内旋にも作用することが考えられるということが分かります。

股関節周辺の軟部組織は、関節角度の違いによって作用方向が変化することや筋活動も大きく変化します。これらの研究を参考にし、更に解剖学的特徴を踏まえることで、より効率的な治療を展開されるのではないでしょうか。


現在、第126回京都支部定例会の参加申し込みの受付を行っております。テーマは「スポーツ障害シリーズ〜足関節障害(足関節捻挫・シンスプリント)に対する評価のポイント」です。講師は京都下鴨病院の中井亮佑先生です。先着締め切りとなりますので、参加を希望される方は当ホームページより参加申し込みを行ってくださいますよう、よろしくおねがいします。

投稿者:高橋蔵ノ助

人気の投稿