今回は変形性膝関節症における滑膜の造影MRI所見についての文献紹介をさせていただきます。
変形性膝関節症患者に見られる疼痛の1つとして膝関節後面痛や鵞足部痛がある。
私は、これらは変形性膝関節症の主な病態である軟骨変性とどのような関係があるのかということを具体的に理解できておらず今回この文献を紹介させていただきました。
文献の報告によると変形性膝関節症においての疼痛は滑膜炎との関係があると考え、造影MRIを用いて炎症性の滑膜と疼痛部位について検討していた。
結果としては
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果を認めるものが6例
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果をわずかに認めるもの3例
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果を認めないもの4例
であったと報告しています。
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果を認めるものが6例
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果をわずかに認めるもの3例
鵞足部における炎症性滑膜の造影効果を認めないもの4例
であったと報告しています。
また、鵞足部痛を認めるもの8例と鵞足部痛を認めないもの4例で、造影効果と圧痛を認めるものは6例であり、造影効果・圧痛共に認めないものは4例であったとも報告しています。
これらのことから、変形性膝関節症例に関しての疼痛の原因の1つとして炎症性滑膜が疼痛の原因の1つになっている事が考えられます。しかし、それら以外にも鵞足部痛や膝関節後面の疼痛原因として考えられる事がたくさんあります。私たちにできることは疼痛の原因になっているものが何であるかを正確に見極めてそれに対して正確なアプローチをして行くことではないかと考えています。
今後さらに知識を深め、正確な疼痛解釈や病態解釈に努めていきたいと考えています。
投稿者 茂木孝平