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2018年6月20日水曜日

【文献紹介】膝後外側複合体(PLS)の解剖学について


本日はPLS、特に膝窩筋の形態学的特徴について報告されている文献を紹介させていただきます。





三浦ら:膝窩筋を中心としたヒトposterolateral structuresの臨床解剖学的検討.第7回臨床解剖研究会記録,2003.9.20


この文献では献体8体、16膝を用いられて、肉眼解剖を行われています。

膝窩筋の形態学的特徴として
1.強靭な膝窩筋主腱は大腿骨外側顆に付着
2.膝窩筋最表層線維は弓状膝窩靭帯の内側線維束に合一
3.膝窩筋後面深層線維束は外側半月板後角に付着
4.膝窩トンネル構成線維の一部は関節包前方に発達した横走線維束を介して膝蓋骨側面に付着
5.膝窩筋下縁線維は後外側関節包に付着
6.膝窩筋下縁表層線維束は膝窩腓骨靭帯を介して腓骨頭に付着、遠位付着部は脛骨後面
以上の6つの付着形態に分けることが出来たと報告しています。

また、膝窩筋以外のPLS靭帯組織についても観察されています。
MRI3軸断面像においてPLSを構成する外側側副靭帯、弓状膝窩靭帯、ファベラ腓骨靭帯、膝窩腓骨靭帯がT2強調像にて同定が可能であったとも報告されています。

本文で考察されていますが、膝窩筋の運動機能を補佐する形でPLSの各靭帯が機能していることが考えられるかと思います。
他の文献でもPLSの靭帯がどの程度不安定性に関与するのか述べられているものは多くありますが、このように付着形態を見ているとどの靭帯組織が損傷しているのか評価して行くことが重要であると思います。
臨床ではMRIでの評価が出来るので解剖学の知識と画像評価が重要であると改めて感じました。


投稿者:天鷲翔太


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