2019年2月開催−第131回定例会− 「機能解剖に基づく膝関節疾患に対する運動療法〜膝OAにおける疼痛解釈」

講師:佐々木拓馬 先生(京都下鴨病院)
日時:2019年2月23日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年2月1日から



2019年2月21日木曜日

【文献紹介】腰椎神経根分岐の破格について

本日は、腰椎神経根分岐の破格に関する報告を一部紹介させていただきます。



     1984 May;66(3):411-6.

腰椎椎間板ヘルニアにより障害される神経根は一般的である傍正中ヘルニアでは罹患椎間の1高位尾側であり、椎間孔外側ヘルニアでは罹患椎間の神経根が障害されるというのが教科書的に知られていると思います。つまりたとえばL4/5ヘルニアでは傍正中型ではL5神経根、 椎間孔外側ヘルニアではL4神経根が障害されるというのが一般的とされています。しかし分岐位置の変異など神経根の破格はまれでなく、その場合は神経根の位置が通常と異なるため椎間板ヘルニアにより障害される神経根も異なりえるということです。

神経根走行異常の頻度は報告によって異なりますが、0.3%から多いものでは30%にも及ぶとされています。KadishとSimmonsが1984年に報告した分類ではtype1~4に分類されており、type2aであれば通常より頭側からS1神経根が分岐しています。



conjoined nerve rootでは2根が含まれるために2根障害を呈したり、径が大きいため圧迫程度の割に強い根性疼痛を呈するとされています。



決してまれではなく軸位断のMRIを頭尾側にわたって追跡すれば神経根走行走行異常の読影は可能であると言われています。これらも念頭において画像を読影し病態を推察する必要があると述べられています。

病態解釈する上でL4/5ヘルニア傍正中型ではL5神経根、 椎間孔外側ヘルニアではL4神経根が障害されるという一般的な解釈のみでなく、神経根破格例も存在する可能性があるためそれらも念頭において評価していく必要があると思いました。

破格に対して理学療法士が何かできるわけではありません。しかし医師と共通認識をもって病態把握をし運動療法を行うことは大切なことであると思います。
腰椎疾患患者さんの理学療法を担当させていただく機会が多いですが、やはりブロックなどの情報も含めて医師がどのように病態を解釈しているのか、情報を共有し共通認識を持つことで理学療法士として何をすべきかが見えてくると思います。


投稿者:大渕篤樹

第15回日本股関節鏡研究会のご案内


第15回日本股関節鏡研究会

会長 加谷 光規(医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院 副院長)
会期 2019年9月7日(土)
会場 ACU-A〒060-0004
札幌市中央区北4条西5丁目 アスティ45-16F
 
テーマ 本質を見抜く力
ホームページ  
http://www.c-work.co.jp/jsha2019/index.html
 
事務局
医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院
〒004-0021 札幌市厚別区青葉町3丁目1番10号
 
運営事務局
株式会社コンベンションワークス内
〒003-0809札幌市白石区菊水9条3丁目1‐17
TEL:011-827-7799 FAX:011-827-7769
E-Mail:jsha2019@c-work.co.jp
第15回日本股関節鏡研究会が上記の日程で開催されます。
テーマは「本質を見抜く力」です。大会長は私が尊敬して止まない、羊ヶ丘病院 副院長 加谷光規先生です。今から予定を抑えて頂いて、是非参加なさってください。私も参加したいと思います。

投稿者:小野志操

2019年2月18日月曜日

【文献紹介】夜間痛を伴う腱板断裂患者に対する超音波ドップラ血流評価

本日紹介させていただく文献は夜間痛と血流の関係について検討された文献です。


寺林伸夫他:夜間痛を伴う腱板断裂患者に対する超音波ドップラ血流評価.肩関節36(2),2012:507-510

今回の研究目的は夜間痛を有する腱板断裂患者の関節包栄養血管血流の血行動態変化をエコーのドプラー法を用いて評価することです。
対象は腱板断裂患者33例を夜間痛あり群と夜間痛なし群に分けて検討しています。対照群として肩インピンジメント症例と健常群を比較対象としています。
描出した血管は肩前方と外側を支配する前上腕回旋動脈とその上流の上腕動脈です。
これら血管をカラードップラを用いて描出し、収縮期血流速、拡張期血流速を計測し、血管抵抗値も算出しています。
その結果、前上腕回旋動脈収縮期血流速は夜間痛あり群の患側で有意に血流の上昇を認め、前上腕回旋動脈血管抵抗値は夜間痛有り群において有意に低下を認めました。上腕動脈では有意差を認めませんでした。
今回の検討結果から夜間痛有り群では前上腕回旋動脈の収縮期血流が上昇することが分かりました。このことは関節包血流の情緒を示唆しており、上腕動脈の収縮期血流は健患差を認めなかったことより、前上腕回旋動脈の収縮期血流の上昇は選択的な上昇と判断でき、夜間痛を揺する腱板断裂患者における一つの現象であることが示されたと述べています。
また、TerslevらはRAの滑膜血流の評価において滑膜炎状態では抹消での拡張期血流の増加がおき、血管抵抗値が低下したと報告しており、今回の血管抵抗値の低下は滑膜炎が疑われました。

夜間痛を有する症例おいて血流が要因となることも念頭において評価を行う必要があると感じました。血流が増加しているということは炎症所見であるため、安静指導や薬物療法など適切な治療選択をしていく必要があると思いました。


今月の定例会は2月23日です。
内容は「膝OAにおける疼痛の解釈」です。
ご参加いただくには事前申し込みが必要になります。
定員に達し次第申し込みを締め切らせていただきます。
お早めにお申し込みください。

2019年2月16日土曜日

【文献紹介】腰椎分離症後にすべりが続発するリスク

理学療法士としては腰椎分離症後のすべりが続発するリスクについて把握しておく必要があると考えます。



      1995 Sep;77(5):771-3.
    Ohmori K1Ishida YTakatsu TInoue HSuzuki K.


この論文では、脊椎分離症の後発部位であるL5腰椎分離後にすべりが続発または悪化に関連する因子について検討されています。

単純x線でslip angle とL5腰椎横突起の垂直方向の厚さを計測しそれらに関連があるのかをL5腰椎分離症を呈した成人患者22名を対象に調査されています。

      


結果、22人のうち13人は10年後にすべりの変化を示さなかったが、5人は5%を超える変位を示し、4人の患者が滑りの進行を示す結果となっています。
すべり量に変化がなかった13名の患者はL5の横突起の垂直方向の厚さが有意に大きく、すべりが増悪した9名は横突起の厚さが薄い(小さい)傾向にあったと報告されています。





L5横突起と腸骨の間には iliolumbar ligament.が走行しています。これらがL5腰椎を安定させているため、左右の横突起の大きさは iliolumbar ligament.の強度を示しているのではかと考察されています。

理学療法士としては、分離症後のすべり発症のリスクを把握して運動療法や動作の指導など行っていく必要があります。すべり発症の要因については椎間関節の形態(向き)や椎間板高なども影響するという報告もありますが、それらと同時に腰椎横突起の厚さも評価していく必要があると感じました。知識として頭に入れておきたいと思います。

投稿者:大渕篤樹


2019年2月15日金曜日

KKCM Shoulder Arthroscopy&Arthroplasty Course in Bangkok

2月11〜12日にタイで行われたKKCM Shoulder Arthroscopy&Arthroplasty Courseに参加させていただきました。




fresh cadaverで勉強させていただくとても貴重な機会でした。
解剖学書で学んでいた解剖と実際は違っていたり、イメージできていなかった部分も理解することができました。動態も観察することができ、とても勉強になりました。
また、ope後の状態も展開して動態をみることができ、どうしたら安全に運動療法をおこなうことができるかも学ぶことが来ました。
日本ではなかなかで経験で、また機会があればぜひ参加させていただき、もっと解剖の知識を深めたいと思いました。
今回学んだことを臨床に活かし、より良い運動療法が行えるようにさらに勉強していこうと思いました。

2019年2月14日木曜日

【文献紹介】MRIによる腰椎術後硬膜外血腫の評価


臨床で腰椎術後に下肢痛やしびれなどが遺残したり、新たに発生することを経験したとはあるのではないでしょうか。腰椎術後に下肢症状が残存する因子については様々な報告がありますが、今回紹介する論文では腰椎術後硬膜外血腫の有無が術後症状に影響するかについて調査されています。



この論文では、腰椎術後に残存する下肢症状が術後硬膜外血腫により引き起こされている可能性について検討されています。
対象は腰椎手術後にMRIを撮影した66症例です。血腫の有無により術後症状に差があるか否か、後向き研究を行い調査されています。
結果はMRI上、血腫を認めた症例(以下,陽性群)は30例、血腫を認めない症例(以下,陰性群)は36例でした。これら2つの群の間で殿部痛の割合は陽性群40.0%、陰性群16.7%と有意差を認め(P=0.034)、下肢痛の割合も陽性群40.0%、陰性群16.7%と有意差を認めていました。(P=0.034).腰痛、下肢しびれ、MRI撮影時および退院時における術前と比較した筋力低下の有無、および退院時のJOAスコアの改善率においては有意差を認められませんでした。術後硬膜外血腫は強い痛みや筋力の低下を来して血腫除去術を必要とする以外に自然消失する血腫があり、殿部痛や下肢痛の遺残など術後早期の経過を不良にしていることが考えられると報告されています。

梨状筋症候群が腰椎変性疾患に合併した場合に、術前評価では神経学的所見がマスクされ術後に梨状筋症候群の存在が明らかになるという報告も散見されます。
その他、腰椎疾患以外で坐骨神経様の症状を呈する病態として、deep gruteal syndrome、far-out-syndrome、仙腸関節障害、上殿皮神経障害、膝窩下絞扼性神経障害など様々なことを念頭において評価することも重要と考えます。術中所見なども医師に確認し血腫の有無による影響も考慮して評価することも重要ではないかと感じました。

投稿者:大渕篤樹

2019年2月7日木曜日

【文献紹介】腰椎分離・すべり症、変性すべり症における腰椎回旋不安定性について


本日は、腰椎分離・すべり症、変性すべり症における腰椎回旋不安定性についての報告を紹介させていただきます。


この研究は、腰椎回旋不安定性の病態を解明することを目的として、健常成人24例、腰椎分離・すべり症21例、変性すべり症29例の腰椎回旋運動を、2方向同時X線撮影法による3次元解析装置を用いて解析しています。
結果、罹患椎間の%回旋可動域の平均は、正常群のL4/5,5/S椎間の平均が約22%だったのに対し、分離症で約44%、分離すべり症で約43%、変性すべり症で約34%であり、変性すべり症で小さいですが、いずれも正常群に比べ有意に増大していました。また、腰椎分離・すべり症では前後屈不安定性の大きいものほど回旋不安定性も大きくなっていたのに対し、変性すべり症では前後動揺性の大きいものほど回旋不安定性も大きいという関係を示しています。以上のことから腰椎分離・すべり症、変性すべり症患者において腰椎の回旋不安定性が存在する可能性を示唆しています。

すべり症症例の脊椎不安定性を評価する画像所見としては、単純x線矢状面での脊椎アライメント評価や前後屈での機能的撮影が重要とされていますが、回旋不安定性の要素も念頭に置く必要があると考えます。そのため正面像での棘突起の位置など多方向からアライメントを評価することで病態解釈の一助になると考えます。
回旋不安定性は椎間関節へのメカニカルストレスにも繋がるため、椎間関節性腰痛にも関与してくるのではないかと考えます。
すべり症は単純に前後へ滑るのみではなく回旋の要素も加わるため、3次元で評価をしなければいけないと学びました。




2月23日(土曜日)第131回 整形外科リハビリテーション学会 京都支部定例会が行われます。
京都下鴨病院の佐々木拓馬先生に「膝OAにおける疼痛の解釈」についてレクチャーしていただきます。
定例会の参加には事前申し込みが必要になります。
申し込みは2月1にから始まっております。
定員は26人で、定員に達し次第申し込みを終了とさせていただきますのでお早めにお申し込みください。


投稿者:大渕篤樹



2019年2月4日月曜日

【文献紹介】Lisfranc関節損傷の予後因子についての検討

本日紹介させていただく文献はリスフラン関節損傷の予後について検討された文献です。



目的はリスフラン関節損傷の成績に影響を及ぼす因子を明らかにすることです。
対象はリスフラン関節損傷の14例14足で、JSSF score80点以上を良好群、80点以下を不良群としています。
検討項目は、年齢、受傷機転、受傷時X線画像、軟部組織損傷、同側下肢損傷、固定方法、治療後整復状況です。
良好群と不良群間で有意差を認めたのは平均年齢、治療後整復状況、同側下肢損傷でした。成績良好群は第1-2趾の整復が良好であったと報告しており、今回の結果と諸家の報告より解剖学的修復が重要であると述べています。
また整復状況もKirschner wireよりも中空海綿骨螺子が選択されることが多く、固定性も良好であることから、可能であれば中空海綿骨螺子を用いた固定が良いと述べています。
同側下肢損傷で治療成績が低下する要因としては疼痛や機能障害、荷重時期やリハビリが遅れることが一要因と考えられたと述べています。
同側下肢損傷のある症例に関しては疼痛やリハビリが治療成績が低下する要因と述べており、疼痛のコントロールやリスフラン関節以外の関節も拘縮を作らないことが必要であり、これができれば有意差を認めなくなるのではないかと感じました。

2019年2月3日日曜日

【文献紹介】Piriformis syndromrについて


本日は梨状筋症候群についての報告を一部紹介させていただきます。


















梨状筋症候群は梨状筋によって坐骨神経が絞扼されて起こる症候群で坐骨神経の刺激症状と軽い麻痺症状を呈するとされています。
1928年にYeomanが仙腸関節の炎症に起因する坐骨神経痛を報告したのが最初で、1947年にRobinsonにより梨状筋症候群という名称が初めて用いられました。
このように病名は古くから知られ臀部から下肢にかけての坐骨神経症状が生じる症候群として認識されているものの診断法が確立されておらず欧米などにおいても積極的な治療が行われていないのが現状であると言われています。

この論文では、坐骨神経症状を訴え、診断が確定しなかったあるいは腰椎手術が無効であった患者239例中の162例(67.8%)が梨状筋症候群であったと報告されています。




尾鷲らの報告においても2003年以降の7年間の全下肢神経痛症状の患者3409例の最終診断を調査した結果、診断が確定した2661例中、腰椎椎間板ヘルニアが536例(20%)に対して梨状筋症候群は130例(5%)でその比は4:1であり、決してまれな病態ではないと報告されています。(鷲尾和也ら他:下肢神経痛症状を主訴とする患者の最終診断.日整会誌86.S435 2012)

私自身、実際の臨床においても腰椎MRIに異常はみられませんが坐骨神経症状を主訴とする患者を経験することはまれではないと感じています。

特異的な画像所見や診断基準も確立されていないため症状があっても診断がつかない患者もおられます。坐骨神経症状の原因は腰椎だけではないという認識を多くの理学療法士もっていれば、坐骨神経症状で苦しんでいる何百、何千という患者を少しでも改善できるのではないかと思いました。

投稿者:大渕篤樹


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