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2019年1月開催−第130回定例会− 「機能解剖に基づく膝関節疾患に対する運動療法〜TKAにおける拘縮予防」

講師:服部隼人 先生(烏丸御池整形外科クリニック)
日時:2019年1月26日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年1月1日から



2018年7月31日火曜日

【文献紹介】BTB法による再建靭帯の安定性獲得について



今回はACL再建術(BTB法)後における、骨孔内での移植腱の治癒過程について文献を紹介します。ACL再建術後のリハビリにおいて大切なことは、骨孔が安定する期間がどのくらいなのかということではないでしょうか。再建靭帯の強度を含め、これらの安定性を考慮した理学療法を実施する事が理学療法の内容を決める上で、大切になってきます。今回の文献では骨孔がどれくらいの期間で安定するか、再建靭帯がどのくらいの期間で強度を増すかなどが述べられています。


対象
雑種成犬18匹で、BTBを用いてACL再建術を施行
術後1週、3週、6週、12週において4匹ずつ再建膝を試料として用いる。
また、正常のACLと膝蓋腱の骨付着部の観察のために残りの2匹を使用する。
骨孔内の評価項目は以下の5項目となっています。
①移植腱骨片と骨孔の壁との境界面
②移植腱内付着部
③移植腱の腱部分と骨孔壁との境界面
④骨孔内死腔
⑤骨孔内腱実質部

結果
① 術後1週にて移植腱は壊死しており破骨細胞が観察され、術後3週では骨芽細胞が観察され境界面部の結合
 が進行していたと報告している
②正常のACLおよび膝蓋腱骨付着部は、腱(靭帯)、非石灰化線維軟骨層、石灰化線維軟骨層、骨となってお
 り、ACL再建術後においてもこの構造は保たれていたと報告されている。
③術後1週にて境界面に線維組織層がみられ経時的に進行し、12週にてはシャーピー線維が観察されたと報告
 されている。
④術後1週にて死腔に線維組織が存在し、術後12週時点では線維組織は骨孔の長軸方向に位置する
 配列となり腱実質と類似する構造に成熟していたと報告されている。
術後1週にて壊死し、6週まで線維芽細胞の増殖がみられたと報告されている。

以上のことより移植腱と骨孔は術後3週より固定性が上昇し、腱は12週から強度が獲得されていくことが考えられる。移植腱の固定性や強度はBTB・STG法双方のリハビリの際の運動療法の負荷・内容に影響すると考えられており、日々の理学療法を進めていく中で重要になってくると感じました。
これらの知識を再確認し、日々の業務にあたりたいと思います。


長野 正憲・他:骨付き膝蓋腱による成犬膝前十字靭帯再建術後の骨孔内の治癒過程の組織学的検討.日関外誌17(4):315-322,1998.

2018年7月28日土曜日

【文献紹介】腰椎後方手術後の上殿皮神経障害

本日は腰椎後方手術後の上殿皮神経障害の発症率について報告されている文献を紹介します。

 
 

対象は1年間に腰椎後方手術を受けた185例で、術前から前向きに調査されています。
結果は、術前から症状を持つ患者を25(13.5)。術後新たに症状を発症した患者を46(28.8)認めています。固定術を行った患者で有意に発症率が高く、上殿皮神経ブロック注射2回までで半数以上の患者の症状が緩和されていると報告されています。
 
臨床では腰部脊柱管狭窄症やすべり症に対してPLIFTLIFを施行された患者さんが、「創部が痛い」と訴えられることは多いです。しかし疼痛を訴える部位が創部と一致していないことも多々あります。このような症例に対して評価をしていくと、上殿皮膚神経由来の疼痛を疑う所見が確認できることも実際に経験します。


 
腰椎後方手術後の腰痛は手術侵襲による創部痛だけでなく、術後上殿皮神経障害を合併した可能性があることも念頭に置いて理学療法を進めていくことも重要であると考えます。

 
投稿者:大渕篤樹


【文献紹介】THA後方アプローチにおける軟部組織インピンジメントが可動域に及ぼす影響

 今回はTHA後方アプローチ後の軟部組織インピンジメントに着目し、可動域とどのような関係があるのかについての文献を紹介します。

 

 中村ら:THA後方アプローチにおける軟部組織インピンジメントが可動域に及ぼす影響 日本人工関節学会誌 第43巻 57-58

 人工股関節全置換術(以下、THA)におけるインピンジメントは易脱臼性、磨耗の増大、原因不明の疼痛など多くの原因となりうると報告されています。THAにおけるインピンジメントの中でもインプラントインピンジメントや骨性インピンジメントについての報告は散見されますが、軟部組織インピンジメントについての報告は少ないです。

 THAにおける後方アプローチは他のアプローチと比べると後方脱臼のリスクがやや高いですが、後方の軟部組織の修復により脱臼率は低下するため、よく用いられる手技の一つです。筆者らは後方アプローチの際に臼蓋を展開において、前方関節包の存在を見落としやすいと懸念しており、前方関節包よる軟部組織インピンジメントがTHAの可動域にどのように影響するのか検討しています。

 結果としては、前方関節包切除が特に屈曲内旋方向に平均6-7°最大20°の可動域をもたらすことが明らかになり、一方で伸展外旋角度や下肢牽引時の関節離開距離には影響を及ぼさないと考察されています。

 今回の文献では術中に関節包の可及的全切除を行う際に前方関節包の見落としが可動域に影響を及ぼすとの報告であり、骨性およびインプラントインピンジメントがないのにもかかわらず、後方脱臼傾向がある場合は前方関節包の残存による軟部組織インピンジメントを疑う必要があると考察しています。THA後の運動療法を行う際には、脱臼のリスクを最小限に抑えた中で可動域をはじめとした股関節機能を高めていかなければいけません。術式や軟部組織の修復過程を考慮することはもちろんのこと、脱臼が起こりうる原因についての知識も必要であると感じました。

投稿者:小林 駿也

2018年7月25日水曜日

【文献紹介】肩関節外転時における外旋筋群の筋活動について


本日は肩関節外転時における外旋筋群の筋活動について報告されている文献を報告します。





荻野ら:肩関節外転時における外旋筋群の筋活動について 日本臨床バイオメカニクス学会誌,Vol.26,2005. 


この文献は健常男性の3肩、利き腕で計測されています。
表面筋電計で上腕二頭筋、上腕三頭筋、僧帽筋上部線維、三角筋前部線維・後部線維、棘下筋の6筋の筋電位を測定しています。
肩関節肢位は肩関節30°、60°、90°での肩関節最大内外旋、中間位の計9肢位で計測しています。
※肘関節は屈曲90°、前腕は回内外中間位としています。

上腕二頭筋は外転30°、60°での外旋位で筋活動増加、外転90°での外旋位で筋活動低下。
三角筋前部線維は中間位、内旋位での外転時に筋活動増加。
棘下筋は外転30°、60°での外旋位にて活動量増加、外転90°での外旋位で活動量低下と報告しています。(以下図参照)



筋電計を用いた研究を見ていた時に読んだ論文で、肩関節の回旋肢位により筋活動量が異なるのは読んでいると当然と感じるのですが、日々の臨床でも意識しないといけないと改めて思いました。また、肘関節を跨ぐ2関節筋を含むため肘関節、前腕回内外でも結果が変わってくるかと思います。
臨床の中での自主運動指導等で気を付けないといけないと感じました。
また、当院でも筋電計があるため今後の研究のために他の文献も読んでいきたいと思います。


投稿者:天鷲 翔太

2018年7月24日火曜日

【文献紹介】橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績

 本日は橈骨遠位端骨折と合併して尺骨茎状突起骨折を生じた症例に対し、尺骨茎状突起骨折の放置例についての文献を紹介します。


久枝啓史、萩原博嗣・他:橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績・整形外科と災害外科.2000492):p481-484


 対象と方法は橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折を合併した1415肢とし、15肢を尺骨茎状突起の先端部骨折と基部骨折に分類し、疼痛の有無、骨癒合、尺屈回旋テスト、ulnar varianceについて調査しています。

 結果は、先端部骨折と比較して基部骨折は偽関節を生じやすく、疼痛も残存しやすい傾向にあると報告されています。また、疼痛を生じる例では、3mm以上のplus varianceを持つか尺屈回旋テストが陽性であったと報告しています。


 橈骨遠位端骨折の画像所見として尺骨茎状突起骨折の有無は画像所見として着目するかと思われますが、この文献を参考として骨折の有無だけでなく部位についても観察していこうと思いました。さらに、尺骨茎状突起の周囲にはTFCCや尺側手根伸筋腱などの軟部組織も存在しますので、注意して評価を行っていこうと感じました。

※第127回定例会のご案内
84日に第127回京都支部定例会を京都下鴨病院にて開催します。今回のテーマは「スポーツ障害シリーズ〜肩関節不安定症(バンカート損傷・脱臼)に対する評価のポイント」です。講師は京都下鴨病院の團野翼先生の予定です。当blogホームページの申し込みフォームから参加申し込みを行ってください。皆様のご参加をお待ちしております。

投稿者:高橋 蔵ノ助

【文献紹介】片脚着地動作時の前足部後足部運動と膝関節外反運動の関係について

本日の文献紹介は片脚着地動作時の前・後足部運動と膝関節外反運動の関係について紹介させていただきます。


前十字靭帯損傷の受傷機転の一つでもある片脚でのジャンプの着地動作では膝関節が過度の外反をすると報告されており膝関節の外反運動とは下肢運動連鎖からみると足部回内・下腿内旋・大腿外旋が生じて行われる運動であり、足部回内の増加が下腿内旋を増大させることで膝関節外反角度が大きくなると述べられております。足部・足関節運動と膝関節外反運動に関係があることは周知の事実ですが、今回の報告では、足部を前足・後足部に分けて、片脚着地動作時の前・後足部の各々の運動が外反運動とどのような関係にあるのかを報告しています。
対象
20歳代の健常女性13
30cm台からの片脚着地動作を確認動作解析には三次元動作解析装置と床反力計を用い、解析区間は足部接地から膝最大外反時まで計測

結果
膝外反角度変化量と後足部外反角度変化量では有意な相関が認められた。
前足部回内角度変化量やアーチ高変化量は有意な相関が認められなかった。
よって、後足部の外反運動が膝関節の外反運動に影響を及ぼしたと報告されていました。
膝関節の靭帯損傷や半月板損傷の症例では、受傷機転ではジャンプ片脚着地以外の動作を観察していても膝屈曲時に過度な外反運動が生じている症例は多いと報告されています。動作時に生じる膝関節の外反運動を防止する上で股関節・膝関節だけでなく、前・後足部運動を確認することの大切である事がわかりました。

片脚着地動作時の足部運動と膝関節外反運動の関係 理学療法科学 2016. 31(2);P227-231 
投稿者 茂木孝平

2018年7月23日月曜日

【文献紹介】肩関節拘縮患者の肩甲帯キネマティクス〜リハアプローチを考えるために〜

本日紹介させていただく文献は健常人と拘縮肩症例の肩甲帯の動きをX線を用いて検討した文献です。
森原徹 他:肩関節拘縮患者の肩甲帯のキネマティクス〜リハアプローチを考えるために〜.肩関節37(3):1213−1216,2013

目的は肩関節拘縮患者の肩甲帯の動態と肩甲帯周囲筋の筋活動パターンの検討することです。
対象は3ヶ月以上屈曲と外転が120°以下に制限されている一次性肩関節拘縮4例でMRIにて腱板断裂は認めない症例です。
コントロール群として肩関節の疼痛の無い健常人7名を測定しました。
方法は屈曲・外転0,30,60,90,120°でX-p撮影し、肩甲棘内側縁、下角、肩鎖関節を同定し座標移動分析を行い、肩甲骨動態について評価しました。
表面筋電図を用いて僧帽筋、前鋸筋下部線維の筋活動を測定しています。
結果は拘縮肩では肩甲上腕関節の運動は制限され、肩甲骨は肩鎖関節を支点として上方回旋していました。
また胸鎖関節を支点として鎖骨が過剰に挙上することで肩甲骨を挙上していました。
健常人の肩関節外転では鎖骨の後方回旋と挙上運動と肩鎖関節を支点とした肩甲骨上方回旋が協調して行われていました。
肩関節拘縮では肩鎖関節は固定され、胸鎖関節を支点とした肩甲骨の上方回旋が生じたと筆者は考察しています。

今回検討された4症例も全症例同じパターンではありませんでした。
臨床でも拘縮肩症例の肩甲帯を評価する際には肩甲帯周囲筋に問題があるのか、胸鎖関節や肩鎖関節は左右差なく可動性があるのか詳細に評価する必要があると感じました。


2018年7月22日日曜日

整形外科リハビリテーション学会新潟全国研修会のご案内


テーマ:『股関節周囲の機能解剖学的触診と運動療法』講義・実技
日 時:  2018年8月25日(土)・26日(日)
      8月25日(土)9:00~受付、9:30〜開会、講師紹介、9:40〜18:00 講義・実技
      8月26日(日)9:00~14:50  講義・実技

会    場:  燕三条地場産業センター リサーチコア7階マルチメディアホール
                   新潟県三条市須頃1-17  
        「JR上越新幹線燕三条駅から徒歩5分」
        「北陸高速自動車道三条燕インターチェンジから車で5分」

受講料(事前口座振り込み)
                 整形外科リハビリテーション学会会員21,000円、非会員24,000円

定 員:  64~80名程度(2日間受講出来る方のみ受け付けます)
   
講    師:
林 典雄(運動器機能解剖学研究所 代表取締役 所長)
浅野昭裕(中部学院大学リハビリテーション学部 理学療法学科教授)
岸田敏嗣(運動器機能解剖学研究所 取締役)
鵜飼建志(中部学院大学 理学療法学科准教授)
松本正知(桑名西医療センター 整形外科リハビリテーション室)
山本昌樹(明舞病院 リハビリテーション科)
橋本貴幸(総合病院土浦協同病院 リハビリテーション部)
熊谷匡晃(JA三重厚生連松坂中央総合病院 リハビリテーション科)
村野 勇(総合病院土浦協同病院 リハビリテーション部)
瀧原 純(総合病院土浦協同病院 リハビリテーション部) 
秋田 哲(総合病院土浦協同病院 リハビリテーション部)
横地雅和(国立病院機構三重中央医療センター リハビリテーション科)
他、受講生の人数によって講師を増員致します。
実技では受講生8~10名程度に講師1名が指導に当たります。

お申込み・詳細は下記URLより
https://seikeireha.jimdo.com/8月-新潟研修会/

2018年7月21日土曜日

【文献紹介】肩関節拘縮を合併した腱板断裂における鏡視下腱板修復術の治療成績について

 今回紹介させていただく論文は肩関節拘縮合併例の腱板修復術における治療成績について成績不良例を中心に検討されています。  
 


 

 
対象は腱板一次修復を行った220症例のうち術後1年以上かつ術前麻酔下での挙上150°以下の制限を認め、徒手授動術や関節包切離術を施行された35例です。術後1年での前方挙上および外転が120°以下かつJOAスコアが80点未満の症例を成績不良群として患者背景、術前後の可動域、JOAスコア、VASを調査されています。

 
 結果より、35例中5例が成績不良群であり、成績良好群に比べて年齢が有意に高く、術前可動域(麻酔下可動域も含めて)において有意に低下していたことが示されていました。

 

術前の拘縮が術後可動域に及ぼす影響についていくつかの研究で報告されています。腱板断裂=拘縮ではなく、拘縮の原因を術前に把握する必要を改めて感じました。また術前に介入する場合は拘縮治療を行うことが術後の治療成績向上に繋がると思います。評価や治療技術を高めて少しでも患者さんをよくしていきたいと思います。
 
 
投稿者:佐々木拓馬

2018年7月18日水曜日

【文献紹介】中殿筋線維束の肉眼解剖学について


本日は中殿筋線維束の肉眼解剖について報告されている文献を報告します。





土田ら:中殿筋線維束についての肉眼解剖学的考察 日本基礎理学療法学雑誌 第171


本文献は屍体714側の観察をされています。
中殿筋前部線維と後部線維の線維束は腸骨稜長(ASISPSISの距離)66%の位置と大転子を結んだ線を境にして分けることが可能であったと報告しています。
また、後部線維の停止部が腱組織に移行しており、内部腱として存在している。その腱組織を境に前部組織と後部線維に分けることが出来るとも報告しています。
また、左右の中殿筋前部線維と後部線維の重量も観察されています。
左右共に中殿筋後部線維が全重量の44%を占める結果となっています。

中殿筋は前方を大腿筋膜張筋、後方は大殿筋など表層ではありますが多くの筋組織が存在しており、触診の際にも注意しています。解剖学を勉強し技術の向上に繋がるようにしていきたいと改めて感じました。



投稿者:天鷲 翔太

2018年7月17日火曜日

【文献紹介】人工股関節全置換術前後における変形性股関節症患者の脊椎・骨盤矢状面アライメント

本日はTHA前後での矢状面アライメントの変化について検討された文献を紹介させていただきます。


小山博史他:人工股関節全置換術前後における変形性股関節症患者の脊椎・骨盤矢状面アライメント.中部日本整形外科災害外科学会雑誌(58)5:885-886,2015


対象は股関節OAによって初回THAを施行した100股です。
片側股関節OA、両側股関節OAの両群を骨盤前傾、中間位、後傾の3つに分けています。
自然立位を矢状面よりX線撮影し計測しています。
検討項目は胸椎後弯角、腰椎後弯角、sagittal verteical axis、骨盤傾斜、pelvic tiltにおいて術前後で検討されています。


結果は全群において術前後で有意差を認めなかったと報告しています。

過去の報告と同様に片側股関節OA症例において術後骨盤が後傾傾向、global alignmentの後方移動が見られたましたが、今回の検討では有意差が見られなかったと述べており、global alignmnetに対するTHAの効果や影響は少ないと述べています。


今回紹介させていただいた文献は矢状面アライメントに対するTHAの影響は少ないと述べていますが、この要因として術前の拘縮が大きく関与していると思います。構造の破綻による疼痛や可動域制限は消失していても拘縮は残存していると考えられます。THA後の症例において術後の拘縮予防はもちろん、術前より残存している拘縮に対しても治療を行なっていく必要があると思いました。

投稿者:高橋 蔵ノ助

2018年7月16日月曜日

第4回ベーシックセミナー

7/15に行われました整形外科リハビリテーション学会京滋支部主催の第4回ベーシックセミナーに参加してきました。

今回のテーマは「股関節疾患における機能解剖学的評価と触診」でした。


講義内容と講師の先生方は以下の通りです。

・「大腿骨頚部骨折の機能解剖学的評価と触診」 
 講師:高口 裕行先生(生田病院)
・「変形性股関節症の機能解剖学的評価と触診」 
 講師:山内 辰也先生(あずま整形外科)
・「股関節唇損傷の機能解剖学的評価と触診」  
  講師:團野 翼先生(京都下鴨病院)
・「末梢神経障害の機能解剖学的評価と触診」 
  講師:中井 亮佑先生(京都下鴨病院)
・「股関節に対する機能解剖学的アプローチ」   
  講師:浅野 昭裕先生(中部学院大学・整形外科リハビリテーション学会代表理事)


講義内容は解剖学的特徴から考える各疾患の病態や、それに基づく触診方法についてが中心でした。どの講義も基礎的な知見を細かく講演してくださり、治療に必要な知識というものを再確認できました。実技に関しても検定取得者の先生方が各ブースをラウンドし、受講者の先生方もとても質問のしやすい環境の中でレクチャーを受けることができたのではないかと思います。




治療ができるということはもちろん大切なことではありますが、その中には何をどうように触れるのかといった解剖学的な知識が必要不可欠であることを再認識できるようなセミナーだったと個人的には思います。
このセミナー内容を踏まえ、明日からの臨床に役立てていきたいと思います。


投稿者:小林 駿也

2018年7月15日日曜日

【文献紹介】Thomas test 変法

今回は「下肢スポーツ障害-押さえておきたい病態・評価・治療とリハビリテーション」の中からThomas testの変法について紹介させていただきます。

 

Thomas testは背臥位にて一側の股関節を屈曲し,反体側の大腿の浮き上がりをみる検査です。その際に大腿の浮き上がりの程度のみでなく、下腿アライメントの評価をおこなうことで制限因子となる組織を推察することができます。
 
      a:Thomas testを用いた下肢の筋長さテスト
     b:下腿は内反・内旋方向に引っ張られ、縫工筋の長さが不十分
     c:下腿は外反・外旋し、腸脛靭帯の長さが不十分
 

股関節屈曲拘縮の評価にはThomas testのみでなくOber testやEly testなど、その他様々な所見を組み合わせることで制限因子となる組織を推察することが重要と考えます。

今回はThomas test変法について紹介させていただきましたが、他の検査においても検査の持つ意味を1つ1つ考えることで様々な解釈や応用ができると感じました。

 投稿者:大渕篤樹
 

2018年7月14日土曜日

【文献紹介】肩甲骨の加齢による可動域の変化についての検討

本日紹介させていただく文献は幼児と成人を対象として加齢による肩甲骨の可動性について検討しています

田中直史 他:肩甲骨の加齢による可動域の変化についての検討.肩関節19(1):118-122,1995

目的は水平面の肩甲上腕リズムが加齢によってどの様に変化するかを検討するためです。
対象は3歳、5歳幼児46名、30代20名、60代23名です。
検討肢位はA:外転90°、B:水平屈曲90°、C:最大水平内転です。
A-B、B-Cに変化させた時の肩甲骨棘をなす確度を計測しています。
結果は以下の通りです。
(°)ABBCAC
幼児791695
30代 581371
60代51763
今回の検討結果から華麗により肩甲骨の可動性が大きく減少することが確認されました
その理由として「肩鎖、胸鎖関節の可動性低下」、「胸郭を構成する各関節自体の柔軟性の低下や肋軟骨の骨化による胸郭全体の硬化」が考えられると述べています。
実際のGHやSTの動きには個人差に加え、年齢という因子によって大きな差があることが明らかとなり、様々な疾患の成員を考慮する上で重要な現象と言えます。
肩関節周囲炎や腱板断裂などでもSTの可動性低下から肩甲骨周囲筋の筋力低下と合わせて、GHでの腱板の負担の増大が一つ契機になっていることが示唆されると考察しています。


変性した部分を運動療法で改善を図ることはできません。
可動域制限や疼痛にしても隣接している関節は拘縮していないか、それによって別の場所がハイパーに動き過ぎていないかなど局所以外にも詳細評価をしていく必要があると感じました。




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