■2019年4月開催−第132回定例会− 内容「大腿骨頚部骨折における運動療法」■

講師:團野翼先生(烏丸御池整形外科クリニック)
日時:2019年4月20日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年4月1日から



■2019年特別講演のご案内■

タイトル:肘関節解剖の最近の知見 -内側と外側-
講師:東京医科歯科大学運動機能形態学分野 二村 昭元 先生

前座講演:明舞中央病院 山本 昌樹 先生
     名古屋スポーツクリニック 中川 宏樹 先生

日時:2019年4月27日(土) 16:00~受付
会場:名古屋コンベンションホール[アクセス
参加費 :会員 2,000円、非会員 5,000円
     学生会員 無料、学生日会員 2,000円

※事前申込は不要です。


■第20回宿泊技術研修会開催のご案内■

会場:希望荘
開催日:2019年6月1日・2日
参加募集:2019年4月1日〜4月30日(定員に達し次第終了)
参加費:30,000円(研修費、宿泊費、懇親会費、朝食1回、昼食2回込)
※会員限定研修会です。



■第28回 整形外科リハビリテーション学会 学術集会 演題募集について■

会場:岐阜市文化産業交流センターじゅうろくプラザ
開催日:2019年9月22日・23日
演題募集開始:2019年4月1日
演題募集締切:2019年5月26日
※演題登録等については「スポーツ支部Website」をご確認下さい。



2019年3月24日日曜日

【文献紹介】腱板断裂と肩関節拘縮

本日紹介させていただく文献は腱板断裂している症例の中で拘縮している症例とそうでない症例との臨床的特徴を比較検討された文献です。


平野真子他:腱板断裂と肩関節拘縮.整形外科と災害外科43(2),1994:698-702

腱板断裂症例を可動域制限のあるものとそうでないものとに分け、その臨床像および経過を比較することを目的としています。
対象は腱板完全断裂と診断され追跡可能であった55例56肩です。
これらの症例を初診時に可動域制限を認めた拘縮群と可動域制限をほとんど認めなかった非拘縮群の2群に分けています。
検討項目は外傷歴の有無、肩関節造影所見、初診時および追跡時の肩関節疾患治療成績判定基準です。
結果は外傷歴は拘縮群で有意に高値を示しています。造影所見は肩甲下包と長頭腱、関節包をみています。肩甲下包は拘縮群で縮小よりも流出の割合が多く、閉塞した症例を1例認めました。長頭腱では拘縮群で半数以上に異常所見を認めました。関節包では非拘縮群と比較するとinferior pouchの狭小化を多く認めました。
治療は保存療法を34例に行い、22例に手術療法を行っており、日整会肩関節治療成績判定基準は手術療法において追跡時には点数はほとんど差はなく、保存療法においても拘縮群と非拘縮群ともに追跡時の点数がよくなっていました。保存療法を行った群の点数を項目別に見てみると、疼痛は拘縮群と非拘縮群とで差は殆どありませんでした。ADL、総合機能においても改善がみられました。可動域については非拘縮群で悪化の傾向にあり、拘縮群では改善傾向にありました。
これら可動域をそれぞれの動きで見てみると、非拘縮群では初診時の挙上はそのまま維持されており、拘縮群では挙上と外旋はややよくなっているが、内旋は拘縮群も改善がみられませんでした。予後不良を点数別に比較すると非拘縮群では疼痛点数の不変が主な原因であるのに対して、拘縮群では筋力と可動域全体にわたり点数の悪化がみられました。
造影所見より、肩甲下包やinferior pouchの変化が拘縮群においても少なく、長頭腱の異常所見が比較的多かったことから、拘縮の主病態は関節包よりも腱板周辺および肩峰下滑液包にあることが示唆されたと述べています。
手術施行例については追跡時の日整会の点数が拘縮群、非拘縮群間で差がなかったことから拘縮の有無は術後成績に影響を及ぼさないと思われました。この結果については術前より可能な限り可動域訓練を行ったこと、術直前に関節鏡を行い、術中肩峰滑液包は癒着を剥離していたこと、外転装具は90°、術翌日より疼痛内で可動域訓練を実施したためと思われると述べています。保存療法においては内外旋の可動域低下により追跡時に点数が低下しており、これについては内外旋の自宅での訓練を十分に行えていなかった、日常診療においても経時的な推移にあまり注目していなかったことが原因と述べています。

関節鏡所見で拘縮群において関節包の所見が非拘縮群に差がなく、拘縮群の半数に長頭腱に異常所見を認めていました。非拘縮群も腱板断裂しているにもかかわらずこのような所見がありませんでした。なぜ拘縮群にはこのような所見を認めたのか、拘縮する症例には何か特徴があったのか、その他報告と合わせて検討していきたいと思いました。

【文献紹介】腰仙椎固定術後と仙腸関節障害の関連

近年、腰椎固定術後の仙腸関節障害の発生が注目されていると報告されています。
仙骨を含む固定、またLong fusion になるほど発症率が高くなることをUnokiらが報告しているため紹介させていただきます。



Spine (Phila Pa 1976). 2016 Jun;41(12):999-1005. doi: 10.1097/BRS.0000000000001409.
Fusion of Multiple Segments Can Increase the Incidence of Sacroiliac Joint Pain After Lumbar or Lumbosacral Fusion.


腰仙椎固定術後に発症する仙腸関節障害は難治例が多く、内固定を抜去して初めて治療に反応する例が少ないと報告されています。
この研究では、腰仙椎固定術後の仙腸関節障害の発症が仙骨を伴う椎体固定術の数に関連するかどうかを調査されています。

対象は2006年6月から2009年6月までに腰椎または腰仙椎固定術を受けた合計262人の患者です。術前スクリーニング検査にて仙腸関節由来の症状を示さなかった患者を対象として検討しています。これらの患者のうち、28人が術後新たに仙腸関節障害を発症したと報告されています。

結果、仙腸関節障害の発生率は1椎間の固定で5.8%、2椎間の固定で10.0%、3椎間の固定で20.0%、少なくとも4椎間の固定で22.5%であったと報告されています。したがって、発生率は少なくとも3椎間以上の固定術後に有意に高かったと報告されています。ロジスティック回帰分析を行って仙腸関節障害の発生が仙骨を含む固定と固定椎体の数、つまりLong fusion になるほど仙腸関節障害の発症が有意に高くなると報告されています。
そのため固定範囲を最小限にすることが仙腸関節障害の発症を少なくすると述べられています。

実際の臨床において腰仙椎固定術後にPSIS付近または仙腸関節付近に疼痛を訴える症例を経験することがあります。理学所見を確認すると仙腸関節由来の疼痛を疑う所見を確認することがあります。腰仙椎固定術後と仙腸関節障害の関連について考えているとこの論文と出会いました。
機能解剖学的に考えても、腰仙椎固定術後には下肢と体幹の繋ぎ目である仙腸関節には大きなshearing forceが働いていることは容易に理解できます。また、腰椎疾患を有する症例は股関節に拘縮を呈していることも少なくなく、腰椎固定術後には仙腸関節に何かしらのメカニカルストレスが生じやすいことも理解できるのではないかと思います。

腰仙椎固定術後の運動療法を行う理学療法士はこれらを念頭に置いて治療を行必要があると思います。医師は不安定な椎体間に対して究極の安定を求めて固定術後行います。しかし固定術後には上下椎体や隣接関節に負担が生じやすいため、機能を改善する理学療法士は手術のコンセプトを理解し二次的障害を予測しながら理学療法を進めていく必要があると考えます。
病態解釈し手術のコンセプトを理解すると理学療法士として何をすべきかがみえてくるのではないかと考えます。

未熟ながら勉強を続けていきたいと思います。


投稿者:大渕篤樹

2019年3月21日木曜日

【文献紹介】腰椎不安定性とMRI椎間関節内輝度変化との関連

本日は腰椎不安定性とMRI椎間関節内輝度変化との関連についての報告を紹介します。

J Orthop Surg (Hong Kong). 2017 May-Aug;25(2):2309499017718907. doi: 10.1177/2309499017718907.

多くの研究は、椎間板や椎間関節の変性は脊椎不安定性と関連していることが示されています。これらの構造の変性変化によって引き起こされる機械的不安定性は腰痛や神経障害などの臨床症状を引き起こす可能性があります。

この論文では腰椎単純x線での分節不安定性と腰椎MRIでの椎間板変性、椎間関節輝度変化との関係を調査されています。


対象は退行性変性すべりを呈する患者94名です。
立位での屈伸機能的撮影で5 mmを超えるすべり、または10°を超える角度の変化は不安定性を示すと報告されています。これらの基準を用いて不安定群と安定群の2群に分け、不安定性と腰椎MRI axialでのT2強調画像上の椎間関節内輝度変化との関連を調査されています。
     




結果、機能的撮影では63人(67%)の患者は腰椎不安定性を有することが確認され、31人(33%)の患者は不安定性を有さなかった。63人の患者のうち55人の安定群ではMRIT2強調画像で椎間関節内に高い信号強度を示したが、31人の安定群では4人のみが高信号を示し、残りの27名は輝度変化を示さなかったと報告されています。





結果からMRIにおける腰椎椎間関節高輝度像の存在と単純x線機能的撮影で検出された分節不安定性の存在との間に正の関連を示しているため、MRIで椎間関節高輝度を示す症例は腰椎不安定性の疑いを高める必要があると述べられています。

画像所見にて不安定性の評価を行うことは重要と考えます。実際の臨床でも単純x線機能的撮影にて不安定性を生じる症例ではMRIT2強調画像で椎間関節に高輝度像を認め、臨床症状とマッチングする症例を多く経験します。
しかし不安定になる要因は様々です。そのため理学所見など機能的所見をあわせて病態を解釈する必要があると考えます。

例えば、本来可動すべき椎体が拘縮などにより不動の場合は、その上下椎体で過剰な運動が強いられ不安定性を伴いやすくなります。関節構成体や靭帯などの静的支持機構に問題があっても不安定となります。隣接関節の影響を大きく受けるため胸椎や股関節などその他様々な評価も重要と考えます。

つまり不安定性が生じる要因は様々であり病態も異なります。何故そこが不安定になっているのか、その要因を考えなくてはならないと思います。病態によって治療方針は異なるため、どうするかの前にどこを治すか決めていくための評価が重要と考えます。



投稿者:大渕篤樹

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