2017年8月開催−第118回定例会− 「膝OAにおける歩行時痛の解釈」

講師:為澤一弘 先生(京都下鴨病院)
日時:平成29年8月19日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:24名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:8月1日から開催2週間前まで



2017年8月20日日曜日

第118回京都支部定例会

昨日第118回京都支部定例会を行いました。
今回は京都下鴨病院為沢一弘先生に「膝OAにおける歩行時痛の解釈」についてレクチャーしていただきました。










膝OA患者で生じる内側部痛は何が原因で生じているかを見極める必要がある、解剖学的な問題で疼痛が出現しているのか、軟部組織性のものなのかで運動療法が適応になるかが決まります。
軟部組織性の要因で疼痛が出現している場合、どの組織が痛みを拾っているのか鑑別することが重要です。今回のレクチャーの中で膝内側部痛が出現した際に鑑別する必要がある組織がいくつか挙げられていましたが、FTjtだけでもたくさんの組織があり、鑑別するためには確実に組織を触り分けれる触診技術と機能解剖学的知識が必要であると思いました。
今回の定例会で学んだことを臨床に生かしていきたいと思います。



9月は整形外科リハビリテーション学会学術集会があるため定例会はお休みです。
次回の定例会は10月28日(土)です。
團野翼先生に腰痛疾患に対する評価と治療Ⅰ「屈曲時痛の解釈と評価のポイント」についてレクチャーしていただきます。
定員は24名です、お早めにお申し込みください。

2017年8月13日日曜日

【文献紹介】人工股関節全置換術前後における変形性股関節症患者の脊椎・骨盤矢状面アライメント

本日紹介させていただく文献はTHA前後での矢状面アライメントの変化について検討された文献です。



小山博史他:人工股関節全置換術前後における変形性股関節症患者の脊椎・骨盤矢状面アライメント.中部日本整形外科災害外科学会雑誌(58)5:885-886,2015

対象は股関節OAによって初回THAを施行した100股です。
片側股関節OA、両側股関節OAの両群を骨盤前傾、中間位、後傾の3つに分けています。
自然立位を矢状面よりX線撮影し計測しています。
検討項目は胸椎後弯角、腰椎後弯角、垂線よ股関節軸との距離、sagittal verteical axis、骨盤傾斜、pelvic tiltで術前後で検討されています。
結果は全群において術前後で有意差を認めなかったと報告しています。
過去の報告と同様に片側股関節OA症例において術後骨盤が後傾傾向、global alignmentの後方移動が見られたましたが、今回の検討では有意差が見られなかったと述べており、global alignmnetに対するTHAの効果や影響は少ないと述べています。



今回紹介させていただいた文献は矢状面アライメントに対するTHAの影響は少ないと述べていますが、この要因として術前の拘縮のが大きく関与している思います。構造の破綻による疼痛や可動域制限は消失していても拘縮は残存していると考えられます。THA後の症例において術後の拘縮予防はもちろん、術前より残存している拘縮に対しても治療を行なっていく必要があると思いました。

2017年8月9日水曜日

【文献紹介】Mikulicz lineとFTAの関係−OAの要因−

 変形性膝関節症には様々な原因が関与していると報告されていますが、その中には大腿骨の外弯変形が関与するという報告もあります。

 しかし、実際の臨床では、大腿骨外弯変形をきたしている患者様のOAの進行度は必ずしも高いとは言い切れないことが多々あります。また、主にTKAHTOを行う際に基準とされる数値は、%Mikulicz lineFTAが主流となっています。

 そこで今回は、膝OAの成因がMikulicz lineFTAにどのような相関があるのかを検証した文献を紹介させていただきます。



松下任彦他:Mikulicz lineFTAの関係−OAの要因−.整形外科と災害外科.66(2).262-266.2017



 観血的治療が適応とされ、手術を施行された原発性内側型OA100下肢を対象に行われ、測定項目は、単純X線立位全下肢長尺画像にて%MAFTA、大腿骨弯曲率、脛骨弯曲率、K-L分類の5項目とされており、各項目間の相関の有無を調査されています。

 結果は、大腿骨弯曲率とK-L分類に相関は認められなかったが、大腿骨外弯がない場合でもK-L分類が高い傾向もありました。また、大腿骨外弯例では、K-L分類glade3の割合が多くなっていました。
 大腿骨外弯はFTAよりもMikulicz lineとより強く相関していましたが、K-L分類に関してはFTAとより強く相関を認めていました。


 今回の研究から、大腿骨外弯変形が膝OAの原因となっているのではなく、膝OAにより、大腿骨が外弯変形をきたす可能性が高いことが考えられます。
 大腿骨が外弯変形する原因として考えられることは、OAの進行を抑えるため、関節内荷重を外側へ移動させようとする生理的変化ではないかということが考えられます。

 以上のことから、私たち理学療法士は、骨形態の修復を行うことはできませんが、今回のような大腿骨の外弯変形などは、立位バランスの改善を理学療法で行うことにより、変形の遅延が見込めるのではないかということが考えられます。


 この患者様は手術せずに理学療法で対処・改善が見込めないか。手術を行わないのであれば、どこが原因となって症状が出現しているのか。
 理学療法評価だけではなく、今回のような画像所見からも考察できるようにならなければならないことが、改めて考えさせられた文献でした。


投稿者:高橋 蔵ノ助

 

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