2018年11月開催−第129回定例会− 「スポーツ障害シリーズ〜肘関節障害(投球障害)に対する評価のポイント」

講師:永井教生 先生(京都下鴨病院)
日時:平成30年11月24日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:24名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:11月1日から



2018年11月18日日曜日

【文献紹介】足の生体力学

本日は文献の中の距腿関節の接触面積について述べられている部分を紹介させていただきます。


君塚葵:足の生体力学.日本関節外科学会誌Ⅳ(1),1987:75〜85

新鮮切断肢を用いて検討されています。
中間位での荷重時接触面積を測定しています。
その結果、前方部分と外側部分が接触し、内後方は接触しないことがわかりました。
圧センサーシートを用いて圧分布を測定した検討では、最大応力は中央付近にあることがわかりました。
距骨が転位した状態の接触面積についても述べられています。
過去の報告ではRiedeは距骨が1mm内方あるいは外方に転位するか、1°内反あるいは外反すると接触面積は50%以上減少、Martinekは腓骨骨折のわずかな転位でもAnkle mortiseを変化させ、関節面の3mm以上の転位では50%以上接触面積が減少すると報告しています。
関節軟骨はfunctional stress部で厚さが増すとされているが、距骨滑車面では前方部と中央部で最も厚いことがわかり、内外側で比較すると前方と中央部では内側が後方部では外側が厚い傾向にあると報告しています。
距骨滑車面の肉眼的観察では粗造化、ビードロ状化、欠損を前方と内側により多くに認めると述べています。

今回紹介させていただいた文献から中間位では距腿関節は前方と内側にて軟骨面が接触していることがわかりました。
これは立位時に接触する軟骨面の状態とも関わることが考えられ、天蓋部分での骨折や距骨軟骨損傷などにおいて荷重を行うときに念頭に置いておきたい知識であると感じました。
また小さな転位でも距腿関節面の接触が50%以上減少することがわかりました。骨折による転位以外でも、距腿関節の不安定性が生じると軟骨の接触面積は変化してくることが考えられ、OA changeさせないためにも関節の安定性の獲得は重要であると再認識しました。

【文献紹介】非特異的腰痛について

本日は非特異的腰痛について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。


 最近では腰痛に関する論文をみていると、非特異的腰痛が85%という数字が一人歩きして腰痛のほとんどが原因不明ということが臨床や世間一般にも拡がっている印象をもちます。

この論文では、2015年4~5月に山口県内の整形外科を受診した腰痛患者320人(男性160人、女性163人、平均年齢55.7歳)を対象として、神経症状も画像上の異常もない腰痛患者に対し、詳細な診察に基づき想定される病態に対する局所麻酔剤を用いたブロックを行うことにより、従来であれば非特異的腰痛と診断された患者の実に78%は「椎間関節性腰痛」「筋・筋膜性腰痛」「椎間板性腰痛」「仙腸関節障害」などのいずれかに分類可能であったと報告されています。


そもそも非特異的腰痛とは米国の内科医であるDeyoが提唱したものであり、整形外科医が症例ごとに神経所見を含めた身体所見を把握し、適応を考慮しつつ保存療法・手術的治療を考え使い分けている実情とは異なるという意見もあります。

 筋などの損傷や炎症はX線の検査では見つけにくく、画像所見だけでは見逃しやすいため、これらの腰痛が非特異的腰痛として扱われていた可能性が高いとも述べられています。

 つまり、今まで非特異的腰痛といわれた腰痛患者に対して丁寧に理学所見をとるとことで診断がつくケースがあるということです。
病態が明確になれば、それに応じた適切な治療方針が立てられ、有効な治療を行うことが出来ると考えます。

実際に画像上明らかな異常所見を認めない腰痛症例を多く経験していますが、理学所見を抽出することで、ある程度病態分類することは可能であると感じています。
画像所見上明らかな病変は示さなくても、その画像の中に糸口になるような情報がたくさんあるようにも思えます。

今後も安易に非特異的腰痛と諦めることなく、腰痛の原因追求する努力を続けなければならないと思いました。


投稿者:大渕篤樹

2018年11月14日水曜日

【文献紹介】Lisfranc靭帯の関節制動について

本日はLisfranc靭帯の関節制動について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。






早稲田ら:第1・第2中足骨間における靭帯性制動の分析 日本臨床バイオメカニクス学会誌,Vol.191998 


この文献では新鮮凍結切断肢を4肢用いて観察されています。
また、①非切離群、②Lisfranc靭帯の表層を切離する群、③②に加え中間層を切離する群、④③に加え深層を切離する群の4群に分け、足部肢位と圧負荷を加え動態を観察されました。
測定されている骨間距離については内側楔状骨-第2中足骨間距離(C1M2)、第1-第2中足骨間距離(M1M2)を測定されています。


4群ともC1M2M1M2共に足部肢位の変化、圧負荷の有無による有意差はなかったと報告されています。
また、各群間での比較では足部肢位、圧負荷の有無に関わらず、表層切離群と中間層切離群との間でC1M2M1M2共に有意な変化がみられたことも報告しています。

この文献から靭帯性の制動が最も大きいのが中間層の靭帯であることが分かりました。
しかし、今回の検討では骨間距離のみの測定でアーチの高さはみられていません。また、圧負荷も30kgと小さいので実際に荷重している状態と同じではありません。
臨床で活かしていけるよう勉強していきたいと思います。


投稿者:天鷲翔太

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