2018年1月開催−第122回定例会− 「スポーツ障害シリーズ〜股関節(鼡径部痛と股関節唇損傷)に対する評価のポイント」

講師:為沢 一弘 先生(京都下鴨病院)
日時:平成30年1月27日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2018年1月1日から開催2週間前まで



第6回関西支部合同全国研修会「足関節周囲の機能解剖学的触診と治療」

日時:平成30年2月24日 土曜日・25日 日曜日
会場:尼崎リサーチ・インキュベーションセンター
定員:100名(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員23,000円、会員外25,000円
参加申込受付期間:平成29年11月1日から定員になり次第終了



2018年1月15日月曜日

【文献紹介】腱板断裂における肩甲骨・肩甲上腕関節の動態解析

本日紹介させていただく文献はMRIを用いて肩関節の動態について検討された文献です。


建道寿教他:腱板断裂おける肩甲骨・肩甲上腕関節の動態解析−Open MRIを用いた検討−.肩関節27(3):425−429,2003

目的は腱板断裂における肩甲骨の傾き・動態について3次元的に検索し、第2肩関節での腱板の通過状態を調べることです。
対象は腱板断裂症例(腱板断裂群)15例、健常者(健常群)15例です。腱板断裂群は全例120°以上挙上可能で、術後症例です。
測定はOpen MRIを用いて行われています。
測定項目は上方回旋角、内方傾斜角、前後傾斜角、3D AHIです。
結果は以下の通りです。
上方回旋角:腱板断裂群では肩甲骨の上方回旋が挙上早期に増加する傾向がみられました
内方傾斜角:健常者と腱板断裂症例に置いて統計学的有意差は認めませんでした
前後傾斜角:腱板断裂症例において後傾への変化が少なかった
3D AHI:腱板断裂症例は健常者と比較して小さくなっていました(最小値を示したのは90°挙上位)
本研究の腱板断裂群は拘縮の強くない症例を選択し、下垂位にての状態も正常群と比較し有意差がないものと考えたと述べています。
断裂群において肩甲骨の後傾不良という結果が得られたが、これは拘縮や内圧により影響されるものではなく、腱板断裂という肩甲骨の上腕骨を連結させる筋腱の機能不全やimbalanceにより引き起こされる現象の一つであると考えられたと述べています。



今回紹介させていただいた文献の対象は拘縮が強くない症例でした。それでも肩甲骨の動態は肩甲骨の後傾は健常者と比較して小さい値を示し、有意差を認めていました。
健常者では挙上に伴い、後傾方向への運動が円滑に行われ、肩峰下腔に余裕があるが、腱板断裂症例においては後傾方向への変化量が少なく、肩峰下腔の狭小化が認められたと過去に報告されています。これらの報告からも肩甲骨の後傾可動域の獲得重要であることが分かりました。



2017年12月31日日曜日

【文献紹介】肩甲胸郭関節を中心とした肩甲帯の運動パターンと機能改善の質的検証

本日紹介させていただく文献は健常肩と拘縮肩で肩甲胸郭関節の運動パターンと筋活動を比較、検討した文献です。


長谷川聡他:肩甲胸郭関節を中心とした肩甲帯の運動パターンと機能改善の質的検証.理学療法学41(2):86-87,2014

研究の目的は筋電図と3次元動作解析装置を用いて運動パターンを解析することです。
対象は健常人17名、拘縮肩症例15名です。
方法は測定は4秒で上肢を挙上する運動を連続で5回行い、その時の肩甲骨の運動と筋活動を測定し、上肢挙上10°毎に肩甲骨の角度と平均筋活動を算出しています。
測定した筋は、僧帽筋上部線維、僧帽筋下部線維、前鋸筋です。
拘縮症例においてはリハビリを施行し、3ヶ月と6ヶ月に肩甲骨の運動パターンと筋活動について再評価しています。
結果は健常群は挙上初期では肩甲骨は前傾し、その後挙上角度が増加するのに伴い、後傾していき、挙上100°で後傾位となり、その後も大きく後傾方向へ大きく運動する結果となりました。
上方回旋に関しては30°〜120°において直線的に増加しました。
筋活動は僧帽筋上・中部線維、前鋸筋はは上肢挙上に伴い、直線的に増加し、挙上110°付近から僧帽筋上部線維はプラトーになり、下部線維と前鋸筋に関しては活動が急激に高まる結果となりました。
拘縮群における肩甲骨運動パターンは肢挙上に伴う肩甲骨の上方回旋、後傾運動の欠如が多くの症例で認めました。
筋活動パターンは僧帽筋上部線維の過剰な筋活動、下部線維と前鋸筋の筋活動の低下を認めた症例を多く認めました。
また、拘縮群に対して肩甲骨機能のトレーニングを集中的に実施した結果、初回に認めた僧帽筋上部線維の過活動と僧帽筋下部線維の低活動が6ヶ月後には僧帽筋上部線維の活動は抑制され、下部線維の活動が増加しました。
筆者は健常者の結果から上肢挙上初期〜中盤にかけて肩甲骨上方回旋を司る僧帽筋上部線維、下部線維、前鋸筋をバランスよく働かせる必要があり、上肢挙上最終域の獲得には下部線維と前鋸筋の十分な筋力活動が必要であることが考えらたと述べています。
拘縮肩症例は健常肩と比較して肩甲骨の運動パターンにばらつきが大きくかったことから様々な原因で生じている肩甲上腕関節の可動域制限に対して、個々の状況に応じて肩甲骨運動により代償してことが予想されると述べています。
また、2群を比較すると各挙上角度において僧帽筋上部線維、下部線維、前鋸筋の活動パターンが異なり、上肢挙上に必要な肩甲骨の上方回線がスムーズに行えていないことが分かったと述べています。

この文献から拘縮症例において上方回旋、後傾運動の欠如を認め、筋活動においては僧帽筋上部線維の過活動、下部線維と前鋸筋の低活動であることがわかりました。今回はこれら肩甲骨周囲筋に対してトレーニングを施行することで筋活動を正常に近づけ、上方回旋可動域を獲得しています。この文献を読んで、まず肩甲骨の上方回旋、後傾可動域を獲得し、その上で僧帽筋下部線維と前鋸筋の筋活動を高めていく必要があると感じました。
筆者も述べていましたが、拘縮症例においては健常人と比較して肩甲骨運動パターンに大きくバラつきがみられると述べており、症例に応じて詳細に評価していく必要があるとかんじました。










2017年12月25日月曜日

【文献紹介】舟状骨骨折偽関節のバイオメカニクス

本日は、舟状骨骨折における変形について書かれた文献を紹介させていただきます。

   森友寿夫:舟状骨骨折偽関節のバイオメカニクス:関節外科31(8)16-24.2012

 舟状骨骨折では、転位や骨折部の離開の程度、骨折のタイプ、生活状況、年齢などによって治療選択がなされています。保存療法の予後としてhumpback変形やDISI変形などが報告されていますが、どのような骨折のタイプに変形が起こりやすいのか、またどのようなメカニカルストレスが加わることで変形していくのか疑問に思い、今回調べてみました。

 本文献では、Herbert分類B1型とB2型骨折による変形とキネマティクス、画像所見、手術法の比較などが書かれています。今回は変形について一部紹介させていただきます。
 中央1/3骨折での舟状骨偽関節の中には変形の進行に伴い疼痛の強いタイプと、長期間経過しても軽度なタイプがありますが、この違いは骨折線の位置に大きく関係しているとされています。
 B2型骨折では骨折線が舟状骨腰部掌側から舟状骨突起の遠位に向かって斜めに存在しています。この骨折では、背側舟状月状骨間靭帯が付着する舟状骨突起より遠位に骨折線が存在し、不安定型とされています。手関節掌背屈運動の際に舟状骨遠位骨片は遠位手根列と一緒に、近位骨片は月状骨と一緒に動き、骨片間でのブックオープン様の異常な動きを示すとしています。このように、B2型骨折は時間の経過とともに掌側骨折部に骨欠損が生じていきます。また、橈尺屈運動においても近位手根列のリンクは分離すると報告しています。

今回、舟状骨骨折後に偽関節が生じるバイオメカニクスを知り、骨折部位を把握する重要性はもちろんのこと、手根骨に付着する靭帯など解剖の必要性を再認識しました。今後に活かしていきたいと思います。


投稿者:鷲見 有香

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