2018年8月開催−第127回定例会− 「スポーツ障害シリーズ〜肩関節不安定症(バンカート損傷・脱臼)に対する評価のポイント」

講師:團野翼 先生(京都下鴨病院)
日時:平成30年8月4日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:24名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:7月1日から7月28日まで



2018年9月22日土曜日

【文献紹介】DRUJの不安定性について

本日は橈骨遠位端骨折後のDRUJの不安定性について検討した文献を紹介させていただきます。


岩部昌平他:橈骨遠位端骨折に伴う遠位橈尺関節支持組織の損傷様式と不安定性:骨折 28(4): 647-651, 2006


本研究は橈骨遠位端骨折に伴うDRUJ支持組織の橈骨手根関節外部分の損傷を観察することを目的に検討を行っています。
対象は2004年4月~2005年5月までの間で観血的治療を行った橈骨遠位端骨折33例です。麻酔下でDRUJの不安定性があることを確認し、DRUJ支持組織の尺側要素を観察しています。可及的にすべての損傷を修復し、修復後に不安定性を再度確認しています。観察した支持組織は尺骨茎状突起、三角靭帯、尺側側副靭帯、尺側手根伸筋腱鞘、掌側関節包でした。
結果は、尺骨茎状突起、尺側側副靭帯、三角靭帯、尺側手根伸筋腱鞘に効率で損傷が確認されました。尺骨茎状突起には尺側側副靭帯と三角靭帯が付着するため、尺側側副靭帯、三角靭帯、尺側手根伸筋腱鞘の三要素の損傷がDRUJの不安定性に大きく関与していることが考えられると筆者は述べています。
しかし、今回の検討の中で不安定性が確認された症例の中で三角靭帯損傷がない、または部分損傷であった者が5症例みられた一方で、尺側側副靭帯損傷がなかった症例は1例、尺側手根伸筋腱鞘損傷がなかった症例が3例であり、三角靭帯だけがDRUJを支持しているのではないことが示唆されました。またこれを裏付けるものとして、支持組織の修復において三角靭帯のみではDRUJの安定性を得ることができず、尺側側副靭帯、尺側手根伸筋腱鞘の修復を進めていく中で不安定性が減少していったと報告しています。これら三要素の修復によりDRUJの不安定性は確実に減少すると筆者は述べています。


橈骨遠位端骨折後の患者に対しどのような外力でどこの組織が損傷しているかを予測し、その組織が損傷していると何が生じるかしっかり考えて理学療法を展開していく必要があります。評価方法も手関節の肢位や操作によって左右される事から、さらに知識を深め、適切な理学療法を行えるように勉強していきたいと思います。


投稿者:小林 駿也

2018年9月21日金曜日

【文献紹介】術中遠位橈尺関節不安定性が術後成績に及ぼす影響について


三竹辰徳 他:橈骨遠位端骨折に合併した術中遠位橈尺関節不安定性の術後成績に及ぼす影響  日手会誌 201430);p81-84

 本日の紹介させていただく論文は術中に遠位橈尺関節(DRUJ)不安定性が認められた橈骨遠位端骨折の術後成績に及ぼす影響を検討されています。

 対象は橈骨遠位端骨折40例で、術中にDRUJ不安定性を認めたInstability群(I群)、不安定性がなかったStability群(S群)の2群に群分けし評価項目を比較検討されています。評価項目は術前CTにおける橈骨sigmoid notchにかかる骨折の有無、尺骨骨折の有無と転位の程度、最終診察時のROM、握力、Hand20です。

 結果をまとめると各評価項目で統計学的有意差は認めなかったと示されていました。
I群の傾向は以下の4つでした。
①尺骨茎状突起骨折は両群に認められている
sigmoid notchにかかる骨折を合併している割合が多い
③尺骨茎状突起骨折部の転位量が大きい
④尺骨茎状突起水平骨折に対して骨接合術が行われてもDRUJ不安定性が残存している
  症例がいる
 著者は考察の中で骨折に関連する軟部組織損傷の修復を促すことが橈骨遠位端骨折に合併するDRUJ不安定性や尺側部痛を回避できると述べられています。

 尺骨茎状突起骨折=DRUJの不安定性ではないことがわかります。また、術直後のDRUJ不安定性があっても最終診察時のROMや握力などの手関節機能に有意差を認めなかったことから軟部組織損傷の修復を考慮した患者指導、運動療法の提供できれば成績向上につながると思います。画像所見から病態を把握することの大切さを改めて強く感じました。

投稿者:佐々木拓馬

2018年9月19日水曜日

【文献紹介】拘縮発生予防を目的とした自動運動の効果について


本日は拘縮発生予防を目的とした自動運動の効果について書かれている文献を紹介させていただきます。





坂本ら:関節拘縮の発生予防を目的とした自動運動の効果-足関節中間位固定を用いたラットにおける実験的研究- 理学療法科学 32(5)705-7082017


この文献ではラット12匹を対象とし、一側後肢足関節を底背屈中間位にてギプス固定されています。11度固定を除去し、20分のトレッドミル走行を行う固定運動群と11度固定を除去し、ギプスの巻替えのみ行う固定群に分けられています。
実施期間は7日間で、初日と最終日の足関節可動域を比較されています。

初日の足関節可動域(背屈から底屈にかけて)は固定群117.3±6.1°、固定運動群119.7±5.3°であり、2群間に有意差は認めていません。
最終日の関節可動域は固定群84.0±4.6°、固定運動群で93.3±8.0°であり、両群に関節可動域の減少を認めました。
また、最終日の関節可動域は2群間に有意差を認め、固定運動群の関節可動域が大きいことを報告しています。


この文献から固定期間に11度運動をさせると関節可動域の減少を抑制させることが分かりました。しかし、両群共に関節可動域が減少していることから少なからず関節拘縮が出来ていることも分かりました。
また、ギプス除去し、トレッドミルでの走行運動を行わせていますが、実際には骨折後の骨接合術や、靭帯損傷後のギプス固定を除去し、荷重位で運動させることは困難です。ギプス
固定中に拘縮させないためにもどの軟部組織が拘縮しやすいのか、拘縮する可能性があるのかを考え、ギプスにより保護している組織にストレスを与えないように運動療法を行って行く必要があるかと思います。
もう一つ分かったこととして、他の文献でも言われているように11度の介入のみでは不十分ということも分かりました。
1週間に1回の頻度で介入している症例も多々います。
拘縮を作らないためにもその患者への運動指導、運動の目的について十分に説明することが重要であると改めて感じました。
明日からの臨床で活かせるよう、勉強していきたいと思います。


投稿者:天鷲 翔太

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