COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年6月6日水曜日

【文献紹介】肘外側側副靭帯の解剖について

本日は肘外側側副靭帯(LCL)の解剖について報告されている文献を紹介させていただきます。





浦田ら:肘外側側副靭帯の解剖について.整形外科と災害外科,45(2)526-528,1996

 この文献では屍体3体、5肘関節を用いられています。肘関節を解剖していき、LCLの起始停止付着部、走行を肉眼解剖で観察し、靭帯を切断した時の肘関節不安定性について調べられています。

解剖を進めると起始部は伸筋群の筋腱と一部癒合し、外側上顆から起始することが観察されている。
そこから末梢へ辿っていくと前方は橈骨輪状靭帯に付着する。後方は回外筋の筋腱と一部癒合し、尺骨回外筋稜に付着していることが観察されている。

LCLの前方線維のみ切離するとある程度の安定性が保たれているが後方まで切離すると著明な不安定性が出現したことが報告されている。

この文献からLCLの付着が骨のみでなく軟部組織にもあることが分かりました。
また、外側上顆から起始し、扇状に前方と後方線維に分かれて停止することも確認できました。
軟部組織への付着を認め、類似した走行形態から内反負荷時にLCLのみでなく軟部組織での抵抗もあるのではないかと思いました。
疑問として今回はLCLの前方線維を切離し、その後に後方線維を切離して不安定性を観察されていますが、前方線維の切離によってどのくらいの不安定性が出現したのか、後方繊維から切離していくと不安定性はどうなのかが気になりました。
また、LCLの強度、各線維の伸張してくる角度についても調べていき、臨床に活かしていきたいと思います。



投稿者:天鷲翔太              

人気の投稿