COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年4月23日土曜日

第106回の京都支部定例会報告

本日は第106回の京都支部定例会でした。

内容は今年度の股関節シリーズの第一弾で
一志有香先生の「股関節周囲の骨の触診」を行いました。


 今回は筋の付着となる上前腸骨棘や下前腸骨棘、坐骨結節をはじめとして股関節周囲の骨を触診しました。一志先生の丁寧な説明に加え、実際の骨模型によりイメージしやすいレクチャーでしたので、骨をより細かく触れたのではないかと思います。
 PTの治療対象の1つに軟部組織が挙げられます。多くの軟部組織は骨に付着しますので、軟部組織を触知する上で骨の触診は非常に重要である事を再認識できました。

 また、特別レクチャーとして、永井教生先生の「足部の骨の触診」を行っていただきました。


 今回は、足部の中でも内側縦アーチを中心とした骨の触診でした。足部は骨が多く位置関係の把握する事が重要であるかと思います。1つ1つの骨をトレースすることで位置関係のイメージがより詳細にできたのではないかと思います。

 今回から今年度のテーマであります股関節周囲の触診がスタートしました。次回の触診レクチャーは6月25日で「股関節の触診・前面の筋」となります。今回の骨の触診が基盤となりますが、次回が初めての方もスタッフが丁寧にレクチャーしますので、奮ってご参加下さい!

 また、症例検討は股関節以外でも全く問題ないので、難症例にお悩みの先生は勇気を出して症例検討に応募してみて下さい!

次回定例会案内、年間予定のご確認、症例検討応募はホームページからお願いします。


投稿者:中井亮佑

2016年4月17日日曜日

横浜での全国研修会に参加してきました!


 4月16日と17日に横浜で開催されました茨城整形外科リハビリテーション学会全国研修会に参加してきました!
 今年の横浜研修会のテーマは『股関節周囲の機能解剖学的触診(palpation)と治療』で、1日目は触診、2日目はその触診を元にした治療のレクチャーでした。
 部位に対する詳細な解剖の講義の後に、機能解剖に沿った触診方法で一つ一つの組織を丁寧に触診し、触り分けるコツや触診を生かした治療を教えていただきました。その中でも今回僕が興味持ったのは、外閉鎖筋です。外閉鎖筋は骨盤外面で閉鎖孔の周囲から起始し転子窩に付着します。走行が独特な上に、表層は恥骨筋に覆われており触診することが難しい筋肉かと思います。ご指導いただいた触り方は、まず恥骨筋を緩めた肢位にして恥骨結節を触知し、その下方にある閉鎖孔を触れるとそのやや浅層に軟部組織が触れられます。これが外閉鎖筋です。
 僕も触られて感じましたが、筋内圧の高い状態で触れるとすごく痛いです。さらに、外閉鎖筋の緊張していると指が閉鎖孔まで沈みません。しかし、外閉鎖筋にリラクセーションを行うとみるみるうちに痛みが消え、閉鎖孔の丸みまで綺麗に触知できました。今まで外閉鎖筋による症状を疑い触診し治療を行ってきたつもりでしたが、精度の低いものであったと痛感しました。
 他にも今後の臨床に生かしていくべき多くの知識と技術を教えていただきましたので、どんどん還元していきたいです!


投稿者:中井 亮佑

2016年4月16日土曜日

上伸筋支帯下を走行する筋について


本日は、上伸筋支帯下を走行する筋群それぞれの筋線維量(底屈30°位)と、血液の供給量について報告された文献を紹介します。

T.Haumont et al:Extensor retinaculum syndrome after distal tibial fractures:anatomical basis.Surg Radiol Anat,303-311.2007


新鮮屍体20肢が用いられ、評価された筋群(前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、第三腓骨筋)は、それぞれ前部繊維(AF)と後部線維(PF)とに分けて調査されています。

結果、長母趾伸筋PFと第三腓骨筋PFは、他の2筋と比較して上伸筋支帯下を走行する割合が高かったとしています。一方で、AFについては、第三腓骨筋を除く3つの筋は全例、上伸筋支帯下を走行していなかったとのことです。
また、長母趾伸筋への前脛骨動脈分枝数および血液供給量は、他の3筋と比較して有意に少なかったとのことです。
この2点から、上伸筋支帯高位での脛骨遠位端骨折では、長母趾伸筋が容易に損傷を受けやすいことが示唆されます。

また、背屈0°以上からは、上伸筋支帯下を走行する筋線維が著明に少なくなるために、上伸筋支帯下圧が最低値を示したとも述べています。受傷後の底背屈0°固定が、上伸筋支帯下における部分的なコンパートメント症候群のリスクを減らすために有用であることも学びました。


投稿者:竹下真広

2016年4月15日金曜日

肩関節外転運動での生体3次元、関節上腕靭帯の機能長評価

今回は、「肩関節外転運動での生体3次元、関節上腕靭帯の機能長評価」について
記載されている論文を紹介したいと思います。






関節上腕靭帯の機能は、脱臼などの過度な関節の動きや運動の最終域での制動が主であると考えられており、これまでにも数多くの研究がされています。
この論文では、mid range motionにおける生体内での関節上腕靭帯の変化を調査することを目的にされています。
方法は、生体内3次元動態解析システムおよび関節上腕靭帯の解剖研究から、肩関節外転運動における上肢自重下での関節上腕靭帯の3次元距離を計測し、動態に伴う距離変化を評価されています。
結果ですが、肩関節外転0°から60°まではSGHLが機能し、外転60°から90°ではMGHL、外転90°以上ではAIGHLが関節安定性に寄与していたとされています。
この論文の結論としては、mid range motionにおいては、各GHLが連動しながら、これら3つのGHLが異なる外転肢位でそれぞれが機能し肩甲上腕関節の安定性に寄与すると述べています。
この論文では肩関節不安定症に焦点を当てて、関節包靭帯の研究をされていますが、肩関節拘縮の症例を考える際にも必要な情報であると感じました。
上肢を挙上する際には骨頭が下方に下がる必要があり、この動きを制限する一つの組織としてIGHLが考えられますが、このIGHLが拘縮しており外転90°までの可動域を獲得できていなければ骨頭の下方への動きは制限されます。そのため、外転90°をいかに肩甲上腕関節で獲得出来るかは挙上に必要な要素であると考えています。
臨床上、肩関節の拘縮を生じている症例に遭遇することは多々あり、難渋することもありますが、結果を出せるように日々努力したいと思います。


投稿者:団野翼

2016年4月14日木曜日

第106回定例会

こんばんは。

来週4月23日土曜日は、京都支部の第106回定例会を開催します。



会場:京都下鴨病院 2階 リハビリテーション室
受付:18時〜 開始:18時30分

今年度のテーマは「股関節周囲の触診」として。今年度の一年間を通して偶数月には触診勉強会、奇数月にはレクチャーを実施予定です。
一年を通して、股関節に関する知識と技術を高められるよう、一緒に勉強していきたいと思います。

今回は、その触診の勉強会の第一歩、「骨」の触診です。
筋を触診する上でも重要なランドマークとなり、治療の精度を高める上でも骨が触診できることは非常に重要な原点であると思います。
まずは、ここからしっかりと触診ができるよう、みなさんでご参加いただければと思います。

また、今回もLINE@の京都支部アカウントをご登録いただいた上で参加していただくと、10ポイント貯めると来年のベーシックセミナーの参加が無料になるサービスポイントを1ポイント進呈させていただきます。
LINE@アカウント登録ページ:http://ohmi-rigaku.jimdo.com/line/



是非ともご参加よろしくお願い致します。


投稿者:為沢一弘




2016年4月9日土曜日

整形外科リハビリテーション学会 特別講演


今日は名古屋国際会議場で行われた整形外科リハビリテーション学会の特別講演に参加しました。前座講演として吉田整形外科病院の中宿伸哉先生が「足関節果部骨折に対する運動療法の考え方」についてお話されました。背屈制限を中心にどういった制限因子が考えられるか、超音波を用いてFHLが制限因子となっている症例の動態の描出、Lauge-Hansen分類を用いて外力の加わり方でどのようにどの組織が損傷されるかなどをお話ししてくださいました。

次に特別講演として帝京大学医学部整形外科講座、帝京大学スポーツ医科学センターの笹原潤先生が「足の外科超音波診療の最前線」についてお話してくださいました。レントゲンでは分からない組織の状態、超音波を用いて足関節捻挫・足底腱膜炎・足関節後方インピンジメントといった症例の関節の不安定性や滑走状態など組織の動態について細かくお話してくださいました。

超音波は組織の動態をその場で確認することができること、レントゲンやCTなどと比較して非侵襲的なことが利点として挙げられます。レントゲンやCTMRIとともに超音波で動的要素を診ていくことが重要だと学びました。今後超音波についてもしっかり勉強していきたいと思います。


投稿者:吉田雄大

2016年4月8日金曜日

足伸筋支帯症候群について

本日は、脛骨遠位端の骨端線離開骨折後、上伸筋支帯の圧迫によって生じた臨床症状および、治療について報告された文献を紹介します。

Mubarak S:Extensor  retinaculum syndrome of the ankle after injury to the distal tibial physis:
J Bone Joint Surg 84-B.11-14,2002

本文献では、下伸筋支帯下を走行する深腓骨神経の絞扼性神経障害を呈する前足根管症候群とは別の、上伸筋支帯の圧迫によって生じる臨床症状および、治療について述べられています。

対象は、平均年齢12才、Salter-Harris分類Ⅱ・Ⅳの脛骨遠位端骨端線離開骨折を呈した6症例です。受傷後の症状として、足部の著しい腫脹と疼痛、母趾の感覚障害、長母趾伸筋・長趾伸筋の筋力低下、足趾・特に母趾の他動屈曲に伴う疼痛 を認めたとのことです。

およそ、骨折高位に相当する上伸筋支帯下には、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第3腓骨筋、前脛骨動脈、深腓骨神経が走行しています。受傷時に、これらの組織が障害されることが予想されます。治療は、上伸筋支帯のリリースによる除圧術が全例に有効であったとしています。

上伸筋支帯下圧をいかに減らすことができるかが、治療のポイントになりそうです。
明日からの臨床に生かしたいです。


投稿者:竹下真広

2016年4月6日水曜日

第25回 整形外科リハビリテーション学会学術集会2016 演題登録開始のご案内


いよいよ演題及び抄録の募集を開始しました!
【演題及び抄録募集期間】
平成28年4月1日〜5月28日(土)

演題登録は「整形外科リハビリテーション学会スポーツ支部ホームページ」より
http://sposibu.web.fc2.com

会期:平成28年9月18日(日)・19日(祝)
会場:未定(第1報では「東別院会館」となっていましたが、現在未定です)
参加費:会員3,000円、非会員5,000円
(学生会員 無料、学生非会員2,000円)

学術集会に関する詳細、お問い合わせは…
学術集会準備委員会・運営事務局
整形外科リハビリテーション学会スポーツ支部
2016gakujutsu@gmail.com

機能的観点からみた脂肪筋膜組織の解剖学的研究

今回は、「機能的視点からみた脂肪筋膜組織の解剖学的研究」について記載されている論文を紹介したいと思います。






この論文では、ヒトの皮下及び深筋膜下の脂肪筋膜組織の組織形態および構造を全身的に観察されており、その形態や身体各部位での構造の違いに基づいて脂肪筋膜組織の機能的役割を検討されています。
一般的には浅筋膜は皮下から深筋膜に至る脂肪組織と結合組織をまとめたものだとされていますが、この論文では皮下の膜上の筋膜を浅筋膜とされています。
皮下の脂肪組織と結合組織の構造としては、浅筋膜を挟んで浅層と深層に分けられそれぞれで役割が異なると報告されています。
また、深筋膜下にはLAFSと呼ばれる組織が存在し、主に関節運動や各筋肉固有の伸縮運動を円滑にしているとされています。このLAFSは三角筋と大臀筋では筋と骨格の間で発達しており、運動の潤滑性を補助していると考えられています。
この論文を読んで、組織の滑走性を維持することは可動域制限を生じさせないためにも必要なことです。各組織の特徴や構造を理解しておくことは理学療法を行う上でも必要なことであり、術後の癒着を生じさせないためにも知っておいても良い知識ではないかと感じました。


投稿者:団野翼

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