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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年10月29日木曜日

半膜様筋ー内側側副靭帯の滑液包炎について

本日は、半膜様筋-内側側副靭帯にある滑液包(STBと略す)について述べられた文献を紹介します。

Christopher P.et al.:AJR 1996;166:875-877

STBは逆U字型をしており、その深層部は内側半月板後節に隣接し、半膜様筋腱と脛骨内側顆の間に介在しています。浅層部は半膜様筋腱とMCLの脛骨付着部との間に位置します。STBは、膝関節伸展・外反、脛骨外旋ストレスで緊張する半膜様筋腱と脛骨内側顆との間で生じる摩擦を軽減させ、腱を保護する役割があると述べられています。
周囲にはベイカー嚢胞や鵞足包があることから、MRI画像から滑液包炎が疑われる症例を診る際には鑑別診断が必要になります。
ベイカー嚢胞は関節裂隙から近位1cm、鵞足包は関節裂隙から遠位3~4cmのところに位置するといわれ、STBはそれら滑液包間の関節裂隙の後内側部にあるようです。
STBの炎症に対する臨床的な診断は、その解剖学的な位置関係をもとにMRI画像や圧痛所見を確認することが必要になります。
STBの炎症は、外傷によるものの他、膝OA症例にも生じることも多いことから臨床的に目にする機会は少なくないのかもしれません。
膝内側部痛を訴える患者に対して、理学所見、画像所見を注意深く観察し、正確な評価ができるように励みたいと思います。

投稿者:竹下真広

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