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2019年1月開催−第130回定例会− 「機能解剖に基づく膝関節疾患に対する運動療法〜TKAにおける拘縮予防」

講師:服部隼人 先生(烏丸御池整形外科クリニック)
日時:2019年1月26日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年1月1日から



2017年9月24日日曜日

第26回整形外科リハビリテーション学会学術集会

昨日、今日と整形外科リハビリテーション学会学術集会が行われました。
当院から演者として4人が発表させていただきました。



團野翼先生
「肩関節挙上時に肩後方から肩甲帯に出現した疼痛の解釈
〜肩甲上神経の解剖学的特徴に着目して〜」

中井亮佑先生
「変形性肩鎖関節症における疼痛の解釈〜肩甲上腕関節の拘縮の影響〜」

堀内奈緒美
「足部多発骨折後に続発した感覚障害に対する評価と治療
〜内側足底動脈の血流障害が感覚障害の原因であった一症例〜」

佐々木拓馬先生
「外側半月板切除後に生じた後外側部痛の解釈」


それぞれの演者に対する質疑の多さや、興味深い研究・症例報告があり、とても刺激ある2日間でした。
私は今回演者として参加させていただきました。
質疑応答の時間にはたくさんのご質問をいただき、終わった後も個人的にご質問やアドバイスをいただき勉強になったと共に解釈しきれていない部分や評価不足のところがあり、今後の課題となりました。

明日からの臨床ではこの2日間で学んだことを活かしていきたいと思います。
1症例ずつ丁寧に診ていき、多くの患者さんを治せるように知識・技術を高めていきます。

投稿者:堀内奈緒美


2017年9月20日水曜日

【文献紹介】橈骨遠位端掌側ロッキングプレート治療における可動域制限の原因について

本日は橈骨遠位端掌側ロッキングプレート治療後に抜釘術を行い、どの術中操作が可動域の改善に関与したのかを報告している文献を紹介させていただきます。





石井ら:抜釘術から考える橈骨遠位端掌側ロッキングプレート治療における可動域制限の原因.骨折.39No.3 2017

近年、抜釘術により臨床成績が改善したとする報告が散見されているという背景から抜釘術のどの術中操作により可動域が改善するのかについて検証されています。

対象は男性7例、女性29例で抜釘まで平均327日、最終経過観察までは平均428日です。
抜釘術中に手関節、前腕の可動域を測定しています。
術中操作と可動域測定タイミングは尺骨側の抜釘時、橈骨の抜釘での展開後に尺側手根屈筋腱を剥離時、屈筋や屈筋腱剥離時、遠位ロッキングスクリューを抜釘するためプレート遠位を周囲組織と剥離した時、プレート近位部の剥離とプレート抜去時です。
健側比を麻酔下かつ展開前の可動域と比較し評価されています。

術中操作のうち、尺骨側の抜釘から橈骨側展開後に尺側手根屈筋腱まで展開した時のどちらも手関節可動域に変化はなかったと報告しています。
それ以降の操作では屈筋、屈筋腱の剥離により背屈可動域は有意に変化しており、掌屈可動域はプレート遠位部の剥離とプレート近位部の剥離、プレート抜去により有意に改善したとも報告されています。
前腕可動域について、回外はプレート近位部の剥離、プレート抜去により有意に改善し、回内も同様の操作で改善されているとのことでした。


この文献から抜釘術により可動域の改善がみられることが報告されていますが、プレート抜去目的に筋腱の剥離操作も行われていることがプレート抜去以外の可動域改善に大きく関与していることが考えられるかと思います。
このことから術後早期から筋腱の滑走操作、癒着・拘縮予防を徹底することの大切さを改めて感じました。
また、この文献では麻酔下での可動域のみ触れられていますが、実際に理学療法により改善すべきはアクティブでの可動域であると考えます。手術により改善された可動域を術後どのように維持していくのかが重要になると感じました。手術によりどのような操作が加えられたのかを知り、術後の理学療法に活かしていこうと思います。




投稿者:天鷲翔太

2017年9月18日月曜日

【文献紹介】足根管内で分岐する微細な神経分岐の解剖学的検討

本日紹介させていただく文献は手術記録から足根管内で分岐する神経について検討された文献です。

安永剛他:足根管内で分岐する微細な神経分岐の解剖学的検討.脊髄外科23(2):164-167,2009


対象は自験71例125足です。手術記録を再検討し、微細な神経の分岐の存在とその分岐様式について分類した。
group0:術中に神経分岐が確認できなかったもの
group1:内側足底神経からのみ分岐したもの
group2:外側足底神経からのみ分岐したもの
group3:内側足底神経と外側足底神経両方から分岐したもの
group4:内側足底神経と外側足底神経両方から分岐したのち神経ワナを形成したもの
の5群に分けています。
結果は
group0:41%
group1:39%
group2:2%
group3:12%
group4:6%
足根管内は血管群と内外側足底神経が接触しており、絞扼という病態に大きく関与しています。Kohnoらは屈筋支帯の切除のみでは除圧術では不十分であると考え、血管群と両神経の間に脂肪組織をおくことで足根管内を神経のみの走行にするという手術を行い良好な成績を出しています。また、母趾外転筋の下面で絞扼されるケースもあり、足根管症候群の症状が後脛骨神経単一のものではないことを示唆しています。
筆者らは屈筋支帯切断後に母趾外転筋の筋膜切開、両血管と両神経の間で屈筋支帯を縫合し、足根管内に神経のみが走行する構造にする手術を行なっている。
しかしこの術式は母趾外転筋膜を通過する内外側足底神経から分岐する微細な神経を損傷する可能性があります。Kimらはこれらの微細血管の損傷は有痛性の神経腫を形成したとかこに報告しています。筆者らとKimらの報告で共通しているのは微細神経は損傷しやすいということです。足根管内での神経分岐は高確率で存在するため、慎重な手術が必要であると筆者は述べています。


一つに足根管症候群といっても様々な症状があります。今回報告されたような遠位足根管での症状も近位足根管症候群に類似した症状が出現します。
足根管内の容積はそれほど大きいものではないため、特に外傷後の拘縮は容積を狭めてしまうため、神経症状が疑われる場合には早急に拘縮除去を行う必要があります。
また、その神経症状が近位足根管で生じているのか、遠位足根管で生じているのか、さらに遠位で生じているのか詳細な評価が必要にす必要があります。そのためにはこれらの細かな解剖を知る必要があり、さらに理解を深める必要があると感じました。

2017年9月13日水曜日

【文献紹介】生体内吸収材料がMCL損傷の修復に与える影響について

本日は生体内吸収材料が家兎後肢内側側副靭帯損傷の修復に与える影響について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。






太田ら:生体内吸収材料が家兎後肢内側側副靭帯損傷の修復に与える影響について 日本臨床バイオメカニクス学会誌,Vol.21,2000.


この文献では生体内吸収材料を膝MCL損傷の靭帯縫合に用いた場合、修復過程においてどのような影響をもたらすのか検証されています。


実験動物は、若年雄日本白色家兎62羽を用いています。
縫合糸には生体内吸収材料としてキチン(Chitin)とポリ乳酸(PLA)を使用し、非吸収性材料にはポリエステル(PE)を用いられています。

家兎は後肢膝MCLを展開し、膝関節列隙部に5mmの欠損部を作製した後に各マルチフィラメントでmattress縫合されています。
上記の縫合糸の群に加え、5mm欠損のみのSham群、手術操作を加えないcontrol群の計5群で経過を追っています。
術後は処置をせず、術後481216週での各時期に屠殺し、膝関節部を摘出して評価を行っています。

評価内容は以下の通りです。
力学的評価:大腿骨-MCL-脛骨複合体を作製し、膝関節屈曲60°で油圧式材料試験器を用いて引っ張り試験を行う。①断裂部位と②破断時荷重を測定する。


そして以下のことが報告されています。
①破断部位
 破断部位は大腿骨付着部側(A)、靭帯欠損部(B)、脛骨付着部側(C)3ヵ所に分けられた。

術後4
術後8
術後12
術後16
Chitin
B
B
C
C
PLA
B
B
BorC
BorC
PE
B
B
BorC
BorC
Sham
B
B
C
C
control
C
C
C
C


②破断時荷重
  control群を含む各群とも、経過週数とともに破断時荷重は増加した。
  16週時における各群の破断時荷重に有意な差はなかった。

破断部位について、先行研究で正常家兎MCLの破断部位は脛骨付着部側であると報告されています。

以上の報告から縫合各群およびSham群では術後8週時点では靭帯の十分な力学的強度が得られていないことが分かるかと思います。
Chitin群、Sham群では術後8週、16週時点で正常MCLと同部位で破断していますが、PLA群、PE群では縫合部での断裂も認めており、十分な力学的強度が得られていないことがこの報告から分かりました。

破断時荷重についてはすべての群で経過週数とともに破断時荷重が増加したとありますが、手術操作をしていないcontrol群の破断荷重が増加すると言うところに疑問を持ちました。
筆者らは若年家兎を用いたために経過観察中に成長し、靭帯強度が増したのではないかと考察しています。

臨床でMCL縫合術後や保存療法での理学療法を経験することがあります。どの程度の強度があるのか、修復状況はどうなのかは理学療法を展開する上で大切であると思います。術中所見や手術内容を確認することはもちろんですが、どのようなものが使われているのかも確認し、臨床に生かしていきたいと思います。

また、この論文では力学的な評価と組織学的な影響の2つを検証されています。
今回は力学的なもののみ抜粋していますが、組織学的観察についてもとても勉強になりました。




投稿者:天鷲翔太

2017年9月12日火曜日

【文献紹介】人工膝関節全置換術後の膝伸展不全と術前の膝伸展制限との関連性

 人工膝関節全置換術(以下TKA)後の理学療法では、屈曲可動域の増大やADLの改善が主に進められていると思います。しかし、術後の伸展可動域や自動伸展不全(以下extention lag)の有無が歩行能力やADLに制限を生じるケースも少なくありません。
 そこで今回は、TKA3ヶ月経過した症例のextention lagと術前の伸展ROMが関与しているかを研究報告した文献を紹介したいと思います。



眞田祐太朗他:人工膝関節全置換術後の膝伸展不全と術前伸展制限との関連性.理学療法科学.32(1).11-15.2017



 対象はTKAを施工した22膝であり、全例K-L分類はグレードⅣであり、CS型(日本ストライカー社)の機種を使用されています。
 Extention lagに関与する術前因子として、年齢・BMI・罹患期間・両側の屈曲伸展可動域・両側FTAを調査・計測されています。

 術前にextention lagは全例で認めなかったが、術後3ヶ月の時点で9例に5°以上のextention lagを認めていました。
 また、術後3ヶ月のextention lagを目的変数とした重回帰分析では、術側の術前伸展可動域が有意に推定に寄与した(p<0.001)ことから、術前の伸展可動域制限が術後のextention lagに関与していることが推測されました。


 Extention lagが生じる原因は大腿四頭筋の筋力低下だけではなく、拮抗筋であるハムストリングスの短縮や筋スパズム、腫脹や疼痛、patellaの可動性低下など、更に多くの報告も挙げられています。

 この中で術前も術後も関与していると考えられるのは、拮抗筋の短縮や筋スパズムやpatellaの可動性ではないでしょうか。

 Patellaの可動性に関しては、屈曲可動域の制限因子にも成り得るため、術後patela置換された患者様でも重要な運動療法時の操作になることは臨床上経験します。
 文献の報告でもある通り、TKA後の約40%の症例でextention lagが生じていることから、術前からの症例への介入による伸展制限の改善が、術後のextention lagを予防し、歩行の安定性などを早期に獲得し、患者様の満足度を向上させる事ができるのではないかと考えられます。


 今回の文献から、術後の理学療法だけではなく、術前の介入も術後の制限因子の改善につながると改めて感じられたため、術前の理学療法時の評価・治療を入念に行うよう、再度臨床でも努力していきたいと思います。


投稿者:高橋 蔵ノ助

2017年9月11日月曜日

【文献紹介】脊髄神経後枝内側枝の電気刺激による腰椎椎間関節性疼痛の分析

本日紹介させていただく文献は脊髄神経後枝内側枝に電気刺激を加え、疼痛が生じる部位を検討した文献です。



福井晴偉他:脊髄神経後枝内側枝の電気刺激による腰椎椎間関節性疼痛の分析.日本ペインクリニック学会誌3(1):29-33,1996


対象は腰椎椎間関節症が疑われ、facet rhizotomyを施行した30例です。
椎間関節に電気針を挿入し、疼痛部位を患者さんに示してもらっています。
結果は以下の通りでした。
L1:L1/2椎間関節直上を中心とする傍脊柱部
L2:L2/3椎間関節直上を中心とする傍脊柱部、一部がその上下の傍脊柱部、殿部
L3:L3/4椎間関節直上を中心とする傍脊柱部、一部がその上下の傍脊柱部、大腿外側部
L4:L3/4からL4/5椎間関節直上を中心とする傍脊柱部、一部がその上下の傍脊
L5:L4/5からL5/S1椎間関節直上を中心とする傍脊柱部、一部がその上下の傍脊柱部、殿部、大腿外側部
S1:L5/S1の椎間関節直上を中心とする傍脊柱部、一部はその上下の傍脊柱部、殿部、大腿外側部


椎間関節障害を疑った場合、facet自体の圧痛所見や後枝内側枝が支配する多裂筋、棘間筋などの筋攣縮など色々な所見をとると思います。この報告は痛みの出現部位によってどのレベルで椎間関節障害が生じているのか予測することができ、所見をとる上でとても興味深い文献であると感じたため紹介させていただきました。

2017年9月3日日曜日

【文献紹介】組織学的見地からの関節拘縮の病態と徒手理学療法

本日紹介させていただく文献はラットを用いて関節拘縮を組織学的に検討された文献です。


渡邊晶規他:組織学的見地からの関節拘縮の病態と徒手理学療法.徒手理学療法14(2):51-57,2014


今回はラットの膝関節を固定し、関節拘縮を作成した後に拘縮後の組織学的な変化と理学療法介入後組織学的変化を検討しています。
固定期間は2〜32週です。
結果は関節拘縮における組織変化は2週後より確認されました。
関節包における疎性結合組織から密性結合組織への変化・脂肪組織の線維化、軟骨と増生組織の癒着、関節腔内の狭小化を認めました。
徒手療法は持続伸張とモビライゼーションによる介入で検討されています。
2週間固定後の関節拘縮に対する持続伸張では可動域の改善はありませんでしたが、後方関節包の組織学的変化を認め、関節包に対する治療において持続伸張が有効であると述べています。4週間固定後の関節拘縮に対するモビライゼーションでは可動域改善を認めましたが、、組織学的変化は認めませんでした。これらの結果から筆者らは単に持続伸張のみでは改善が得られないと考え、8週間固定後の関節拘縮に対してモビライゼーションを行いました。これによりコラーゲン線維束間の間隙の拡大と脂肪変性の改善が得られたと報告しています。

今回の文献から、2週までの関節包の拘縮においては持続伸張が有用であること、さらに長期に渡る関節包の拘縮においてはモビライゼーションが有用であることがわかりました。関節拘縮が生じてから治療開始までの期間、拘縮の責任組織、これらに対する適切な治療選択が必要になるた、臨床においてしっかり見極めて適切な治療を行なっていきます。

EPochのセミナーに参加しました

 土曜日曜と2日間に渡って京都下鴨病院の小野先生が講義されました、EPochのセミナーに参加しました。



 講義のテーマは『肩関節拘縮に対する病態解釈と運動療法』でした。肩関節拘縮は臨床上よく経験する疾患で、難渋する症例も少なくありません。小野先生がお話しされる、病態解釈のための評価方法やそれに対する運動療法の考え方に会場全体が釘付けになっていたと感じました。
 また、実技では小野先生が実際に臨床でされている理学療法テクニックを基本的な方法からひと工夫まで丁寧に指導されていました。


 僕自身もアシスタントとして参加させていただきました。少しでも丁寧に伝わりやすくを心がけ挑みましたが、技術も説明の仕方もまだまだ未熟だと痛感しました。今後も努力を積み重ねたいと思います。
 
投稿者:中井亮佑

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