▪️ WHAT'S NEW ー 整形外科リハビリテーション学会ニュース

・ 2018年12月9日 整形外科リハビリテーション学会 シンポジウム・学術報告会開催
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・ 関西支部合同全国研修会(2019年3月2日・3日開催)の参加申込受付中。
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・横浜全国研修会(2019年4月13日・14日開催)は12月5日より参加申込受付開始。
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・京都支部の次回定例会は2019年1月26日開催

2019年1月開催−第130回定例会− 「機能解剖に基づく膝関節疾患に対する運動療法〜TKAにおける拘縮予防」

講師:服部隼人 先生(烏丸御池整形外科クリニック)
日時:2019年1月26日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年1月1日から



2018年8月31日金曜日

肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包の感覚神経支配について


今回は肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包の感覚神経支配を明らかにし、肩甲上腕関節と肩峰下滑液包両部を支配する二分軸索の有無について検討された論文を紹介させていただきます。




 対象はラット6匹の左肩です。支配神経を明らかにするために神経トレーサーを使用されています。神経トレーサーは末梢から逆行性に軸索輸送されて後根神経節の神経細胞を標識し、注入部の神経支配高位を明らかにします。神経トレーサーを注入後に両側のC1からT1レベルの後根神経節を切除し、切除して作成した各神経節切片の神経細胞数をImageJにて計測されています。

 結果、肩甲上腕関節を支配する神経細胞はC27に存在し、特にC4.5では神経細胞数が有意に多かったと示されていました。また肩峰下滑液包を支配する神経細胞はC3~7に存在することが示されていました。肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包両部を支配する神経細胞はC3~7に存在して特にC5レベルで神経細胞数が多かったことが示されていました。

 研究結果から、肩甲上腕関節や肩峰下滑液包の神経支配レベルは幅広く、肩関節疾患において頸部、肩甲帯、前腕の放散痛の可能性があること。二分軸索の存在により肩甲上腕関節と肩峰下滑液包の痛みが混在して曖昧になやすいのではないかと筆者は考察されていました。

 臨床の場で痛みの原因を明らかにすることは容易ではありません。痛みの原因を特定するには様々な所見を統合し解釈する必要があると思います。病態の解釈ができなければ適切な治療も行えません。知識量を増やして問診、画像所見、理学所見など様々な所見を統合して病態解釈の能力を向上させていきたいと思います。

 
投稿者:佐々木拓馬

2018年8月29日水曜日

【文献紹介】足部横アーチの評価と荷重による変化について


本日は足部横アーチの評価と荷重による変化について書かれている文献を紹介させていただきます。





木井ら:足部横アーチの評価とその荷重による変化:CTによる3次元解析 北海道整形災害外科学会誌 Vol,53No1 2011

対象は男性の足部1212足で非荷重時、体重の1/3が片脚にかかるようにしCT撮影されています。
撮像した非荷重時、荷重時の舟状骨を重ね合わせ、①中足骨頭レベル、②中足骨基部レベル、③楔状骨―立方骨レベルでの断面図を作製し比較されています。

・横アーチ低下率(非荷重時と荷重時の横アーチ高の差を非荷重時の横アーチ高で除して100倍にしたもの)は①で12.7%、②7.9%、③6.6%となり遠位になるほど高くなる傾向であったと報告しています。
TAHI(transverse arch height index):横アーチの形状(アーチの扁平程度)を評価するものでは非荷重時は近位向かうに従い大きくなる傾向で荷重時も同様に近位に向かい大きくなったが、非荷重時と比較すると小さい値となったと報告しています。
・最下点変化量(横アーチを構成する各骨の最下点の荷重による垂直方向の変化量)は第1中足骨で10.8mm(Max)、中間楔状骨で1.5mm(min)となり、近位になるに従い大きくなる傾向、どのレベルにおいても第1趾列の変化量が大きかったとも報告されています。

この文献から荷重時の横アーチの形態、構成する骨のそれぞれの変化量が分かった。
しかし、特殊なCT撮像で臨床ではこの方法を用いて評価することは難しいと思います。
健常成人の荷重時のアライメント変化が分かったので、骨の移動量から軟部組織がどのように変化しているのか考えて理学療法に活かしていきたいと思います。


投稿者:天鷲 翔太

2018年8月27日月曜日

【文献紹介】人工膝置換術時のLateral releaseと膝蓋大腿関節Gapとの関連性

 本日は、TKA施行時のLateral releaseと膝蓋大腿関節(以下PF関節)の関係について書かれた文献について紹介させていただきます。



近藤 桂史他:人工膝置換術時のLateral releaseと膝蓋大腿関節Gapとの関連性.整形外科と災害外科.58(3).351354.2009


TKA時に良好な膝蓋骨トラッキングを獲得する為のLateral releaseは通常よく行われる手技の一つとされています。Lateral releaseによる大腿脛骨関節への影響は数多くの報告がなされていますが、PF関節への影響について書かれた論文は少ないです。

本文献では、PF関節を開大させることによって生じる距離をGapと定義し、このPF関節GapLateral release前後で計測しています。

対象は、変形性膝関節症の診断にてTKAを施行されたものであり、Lateral releaseは外側上膝動脈・下膝動脈間でconventional extra synovial lateral retinaculum releaseが行われています。PF関節Gaprelease前では膝関節伸展位、release後は膝関節伸展位・30°屈曲位で行われています。

 結果は、Lateral release前と比較しrelease後の膝伸展位でのPF関節のGapは有意に増大し、屈曲位ではrelease後の膝伸展位でのPF関節Gapと比較して有意に狭くなっていたそうです。


 本文献を読んで、Lateral releaseを行うことでPF関節の裂隙間距離が拡大したことから、TKA術後の拘縮予防として膝蓋骨の浮き上がりを改善させておく重要性を改めて痛感しました。また、膝伸展位でPF関節のGapの拡大があったとしても、膝30°屈曲位ではGapは減少しており、Lateral release前とほぼ同等の数値を示していたため、膝伸展位でだけでなく、膝屈曲位でも膝蓋骨の生理的運動が阻害されないよう拘縮予防を行っていく必要性を再確認しました。


投稿者:茂木孝平

【文献紹介】膝滑膜ヒダ障害における膝蓋下滑膜ヒダのMRIと関節鏡所見の検討

本日紹介させていただく文献は膝蓋下滑膜ヒダ障害に対してMRIと関節鏡所見を用いて病態の検討をされたものです。


相澤哲他:膝滑膜ヒダ障害における膝蓋下滑膜ヒダのMRIと関節鏡所見の検討57(1).北海道整形災外外科学会雑誌:110-113,2015

滑膜ヒダ障害において膝蓋下滑膜ヒダがどのような病態を有しているのか明らかになっていません。今回膝滑膜ヒダ障害の手術症例において膝蓋下滑膜ヒダのMRI所見と関節鏡所見について検討しています。
対象は9症例11膝、平均年齢25歳です。疼痛に関してはNRSとJKOMを用いて評価し、X線・MRI所見・関節鏡所見に関して検討しています。
膝蓋下滑膜ヒダの大きさは大腿骨顆間窩線からACLまでの距離を膝蓋下滑膜ヒダ厚として計測しています。
結果は術前後でNRS:6.9→1.1、JKOM:37.8→9.5点nと改善しています。
関節鏡所見:Vertical型4例、Separete型3例、Fenestra型2例、Absent型2例で、膝蓋下滑膜ヒダ分類と膝蓋下滑膜ヒダ厚との有意差はありませんでした。
今回の研究での手術を行った滑膜ヒダ障害の患者の症状としては、長期間の膝関節伸展時の違和感、膝前面痛が特徴的でした。
滑膜ヒダ障害は膝蓋骨と大腿骨によるメカニカルストレスによって炎症を起こすことが疼痛や違和感の原因になるとされています。
一方で、膝蓋内側滑膜ヒダや膝蓋下滑膜ヒダが存在する膝蓋下脂肪体部の滑膜が関越内で最も疼痛の感度が高い部位であると報告されています。
すなわち、膝蓋下滑膜ヒダに軽度の炎症が生じても持続的な膝前面痛の原因になりうると筆者は考察しています。
今回の検討では膝蓋か滑膜ヒダ厚と関節鏡所見との間に有意差は認めませんでした。
このことから膝蓋下滑膜ヒダ厚は膝蓋下滑膜ヒダの大きさ自体に左右されるのではなく、膝蓋下脂肪体部の滑膜えんによって前面痛が生じ、伸展制限を表していると考えられると述べています。


臨床で膝前面痛を訴える症例を多く経験します。IFPが原因の症例も多く経験しますが、IFPの拘縮と考え治療していることが多いです。
今回この文献を読んで、IFP内に存在している滑膜ヒダまで考えが及んでいませんでした。
本当に柔軟性が低下していること自体が痛みを出しているのか、滑膜炎であるのかしっかり見極めて治療して行く必要があると感じました。

2018年8月26日日曜日

【文献紹介】短回旋筋付着部の解剖学的研究

  本日は股関節短回旋筋群の付着部の解剖についての研究を紹介させていただきます。


           股関節手術に必要な短回旋筋群の解剖 MB Orthop.28(7):33-38 2015 

 
 
この研究ではmicro-CTを用いて大転子の骨形態から短回旋筋付着部を同定しています。
micro-CTによる画像から、大転子内側面の短回旋筋群の停止部には以下の3カ所の圧痕の存在が確認されています。





1.大転子頂点に存在し後内側から前外側に向かう浅い圧痕
2.大転子内面に存在し後内側から前外側に向かう深い圧痕
3.2の圧痕の後下方に存在する深い円形の圧痕 

これらの圧痕を解剖学的に検索した短回旋筋群の付着部と比較同定したところ3カ所の圧痕はそれぞれ、1が梨状筋腱の付着部、2が内閉鎖筋腱の付着部、3が外閉鎖筋の付着部であることが明らかにされています。
また、25体44股の調査によると大転子の形態は個体差に富んでいたが、これらの骨性圧痕は一定して存在し、それらの相対的な位置関係から内・外閉鎖筋、梨状筋の付着部位を推定することが可能であったとのことです。

解剖学の教科書では短回旋筋の停止は転子窩と記載されいます。詳細にみていくと、それぞれ筋の付着部が独立して存在しています。軟部組織を操作する理学療法士にとってより詳細な解剖学の知識と、正確に触診する技術が必要であり、少しのズレが評価や治療効果に大きく影響することを痛感します。

今後もより詳細な解剖学の知識をアップデートしながら臨床に臨みたいと思います。
 
 

投稿者:大渕篤樹

2018年8月24日金曜日

Femoroacetabular Impingement患者の術前後における筋力変化の特徴

今回紹介させていただく文献はFemoroacetabular Impingement患者の術前後における筋力変化の特徴についてです。


Femoroacetabular Impingement患者の術前後における筋力変化の特徴
高橋  誠、佐伯  覚、内田 宗志、宇都宮 啓ら:第48回日本理学療法学術大会(名古屋)


本研究ではFAI 手術前および術後の筋力状態と、術後の筋力変化を調査し、現在のリハビリプロトコールの問題点を明らかにすることを目的とされています。

対象はFAI と診断され、手術前後の測定が可能であった14 名( 性別: 男性9 名、女性5 名; 年齢31.6 ± 18.7 歳; 体重 63.5 ± 11.3kg)を対象とし、除外基準は、FAI 両側例、臼蓋形成不全、滑膜性骨軟骨腫症、外傷例とされています。術後3 ヶ月以上経過した患者に筋力測定を実施し、筋力測定はHandheld dynamometer(パワートラックⅡMMTコマンダー、日本メディック社)を用いて両側股関節の屈曲・伸展・外転・内転の等尺性筋力を測定し、それぞれ体重比(N/kg)を求めておられます。なお、測定の再現性を高めるとされる固定用ベルトを使用されており、術前後での股関節機能として、Modified Harris Hip Score(MHHS)を指標とされています。

結果は術前の健側と患側の股関節筋力を比較すると、屈曲(P=0.004)、伸展(P=0.01)、外転(P=0.02)、内転(P=0.03)のいずれの方向においても患側が有意に低下。術後では伸展、外転、内転の健患差はなく、屈曲のみ患側が有意に低下(P=0.02)。患側における術前後での股関節筋力の比較では、外転(P=0.03)、内転(P=0.02)の術後筋力が術前より有意に改善。MHHS は術前 65.2 ± 19.9(点)、術後 90.5 ± 12.0(点)へと有意に改善していた(P<0.01)とのことです。

本研究の結果から、1. FAI 患者の術前股関節筋力は健側と比較して、屈曲、伸展、外転、内転のいずれにおいても低下していること、2. 手術および術後のリハビリによって、伸展、外転、内転の筋力は統計学的に有意差がなくなること、3.患側の外転および内転筋力は、術前と比較して有意に改善すること、4. 術後の股関節屈曲筋力は依然、健側と比較して有意に低下していること示されました。

このことから、筋力だけを考えると術前の屈曲以外の筋力は手術・リハビリによって改善することがわかります。これは術前の状態に関わらず、術後の進め方が大きく関与することがわかり、間違えた解釈をしリハビリを進めると症状が再発する恐れがあります。
今回の研究は筋力に着目されてますが、FAIの病態が慢性的なストレスが股関節唇に掛かり続けることを考えると、術前の拘縮が大きく関与します。関節唇のどこに破綻があるのか、そのストレスを逃がすためにどの軟部組織の拘縮を取るべきなのかを考えなければいけないことを再認識しました。


投稿者:小林 駿也

【文献紹介】肩関節外転位における内旋運動での肩甲骨周囲筋群の変化について


今回は肩関節外転位における内旋運動での肩甲骨周囲筋の活動性についてMRIを用いて検討された論文を紹介させていただきます。
 
 
 
  対象は肩関節障害のないオーバーヘッドスポーツを行っている大学生アスリート8例で、平均年齢は21.3歳です。方法は等速性筋力測定装置にて肩関節90°外転位で角速度30deg/secの肩関節内旋運動を行い、運動前と後にMRIを撮影されて評価されています。測定された筋は僧帽筋上部・中部・下部線維、大菱形筋、大胸筋、棘下筋です。

 結果、筋活動は僧帽筋中部線維と大菱形筋に認められ、肩関節90°外転位での内旋運動に作用する筋であることが示されていました。

 オーバーヘッドスポーツを行うアスリートでは肩関節外転時の回旋運動が繰り返される中でoveruseとなって肩甲骨周囲筋の機能不全に至ることがあると思います。動作時の肩甲胸郭関節安定化にむけて僧帽筋中部線維や大菱形筋が機能しやすい状態なのかどうかを肩甲帯の柔軟性や筋力などから評価する必要性を学びました。

投稿者:佐々木拓馬

2018年8月22日水曜日

【文献紹介】股関節屈曲運動における寛骨大腿リズムおよび寛骨後傾の左右差

今回は、股関節の屈曲に伴い、腰椎・骨盤がどの程度後弯し、後傾していくのかを調べた文献を紹介させていただきます。


古後晴基:股関節屈曲運動における寛骨大腿リズムおよび寛骨後傾の左右差.理学療法学.26(4)5215242011


股関節の屈曲は、日整会が定める参考可動域ではおおよそ120°となっていますが、実際にはその可動域は、腰椎後弯による骨盤後傾が伴った可動域であり、寛骨と大腿骨で成す狭義の股関節固有の可動域ではありません。

今回の文献では、股関節の屈曲に伴って、骨盤がどの程度後傾するのかを、健常男性で検討されています。方法は股関節屈曲運動を行ってASISPSISを結ぶ線が何度傾いたのかを測定し、実際の股関節の屈曲角度と比較してどの程度後傾したかを検討するというシンプルな方法を用いられています。

結果、屈曲45°では1/790°では1/6、最大屈曲位では1/4程度の骨盤の後傾が生じたと報告されており、屈曲角度の増大に伴って徐々に骨盤後傾の割合が大きくなったことがわかります。

このことから、股関節を深屈曲に近づけていくには、より骨盤が後傾できるだけの腰椎の後弯可動域が必要であることがわかります。それとともに、股関節固有の可動域を測定する場合には、股関節屈曲初期から骨盤の固定が必要であるということも示唆されると思います。


股関節骨盤腰椎の関係は、治療する上では切り離して考えてはいけないものだと思います。今後も、股関節の症例だから股関節、腰は腰ではなく、総合的に見ていける目を養っていこうと思います。


投稿者:高橋蔵ノ助

2018年8月20日月曜日

【文献紹介】膝窩筋腱の機能解剖について

今回紹介させていただく文献は膝窩筋腱の機能解剖について述べられた文献です。

対象
屍膝115
方法
6カ所の膝関節部位(膝窩筋腱付着部前端:A,後端:D,膝窩筋腱中央部前端:B,後端:E,膝窩筋筋腹遠位端の最下部:C,最上部:F)にマーカーを装着。
下腿の内外旋トルクを加えた上で膝関節を屈曲し、組織の変化の観察を行っています。

結果
膝窩筋腱前方線維:膝関節屈曲に伴い緊張し、外旋ストレスを加えることでより強調した。
膝窩筋腱後方線維:は膝関節屈曲に伴い弛緩し、内外旋ストレスを加えても不変した。
筋腹:膝関節屈曲角度に関わらずほぼ一定の長さでした。
これらことから屈曲に伴い膝窩筋腱の前方線維は緊張し,後方線維は腓骨起始部の線維束とともに弛緩することが確認され、また脛骨に外旋ストレスを加えることにより緊張が増すことから,膝窩筋は膝関節における単なる伸筋や屈筋ではなく,基本的には脛骨の内旋筋として作用し,外旋ストレスに対するrestraintとしても働くと筆者は考察していました。膝関節伸展制限を引き起こす1つの原因として膝関節屈伸軸の後方に位置する組織が挙げられます。後方のどの組織が制限になっているのか、単純な伸展以外にどの運動方向が制限されているのか見分けていくには確実な解剖や正常な骨運動について知る必要があることがわかりました。

2018年8月19日日曜日

【文献紹介】足関節背屈制限に対する理学療法

本日紹介させていただく文献は、足関節背屈制限に対してどのように考えて運動療法を選択するか書かれている文献です。


大工谷新一:足関節背屈制限に対する理学療法.関西理学療法(6):21−26,2006

足関節背屈制限について運動軸の変位について述べられており、何によって軸が変位しているのかその原因について述べられたいます。
筆者は背屈制限の軸の変位を3つに分けられています。
1:足関節運動時に外転していくもの、2:足関節背屈時に横アーチが挙上するもの、3:足部外転が定着しているもの
それぞれの原因として以下のものをあげています。
1:距骨下関節内側の軟部組織や屈筋支帯、長趾屈筋、長母趾屈筋の短縮
2:長腓骨筋、前脛骨筋、小趾外転筋の過用
3:距骨下関節回外不安定性、踵腓靭帯の短縮

距骨滑車を水平面から見ると内側の方がより前方まで軟骨があること、内側の方が曲率半径も大きいことから解剖学的な背屈は内側がよりMortiseの中に入っていく必要があります。距骨内側が外側よりもすべり込めているかのチェックは非常に重要であると感じました。
背屈制限がある症例に対して背屈時の足部の動態などの評価は行なっていましたが、staticの状態でも足部が外転位にあるのかの評価は行えておらず、今回この文献を読んで見落としている部分に気づくことができました。
今回挙げられていた組織以外にも背屈制限因子になる組織はたくさんあるので見落とさないように詳細な評価を行っていく必要があると感じました。



2018年8月17日金曜日

【文献紹介】外傷性肘関節拘縮に対する肘関節授動術の治療経験について

今回は肘関節周辺骨折に続発した外傷性肘関節拘縮に対して関節授動術を行い、その拘縮の原因について検討された論文を紹介させていただきます。


症例は外傷性肘関節拘縮のため関節授動術を行った8 8 肘です。初回手術から6ヵ月以上経過し、骨癒合が得られて十分な可動域訓練を行ったうえで、伸展制限が30 度以上または屈曲が110 度未満の拘縮が残存し、ADL 障害の訴えがある症例を関節授動術の適応とされています。

 結果では軟部組織由来の拘縮の原因として全8例に内側側副靭帯POLの肥厚、8例中6例に前方関節包の癒着、4例に橈骨頭周囲の癒着、3例に後方関節包の癒着、2例に上腕三頭筋の短縮が認められ、これらは混在していたと示されていました。

 拘縮の原因となる軟部組織を把握することは適切な病態把握や治療技術向上に繋がると思います。日々の臨床で肘関節骨折術後症例を経験するので術後の拘縮を予防し治療成績を向上させていきたいと思います。

 
投稿者:佐々木拓馬

2018年8月15日水曜日

【文献紹介】肘MCL機能不全が肩外旋に及ぼす影響について


本日は肘関節内側側副靭帯(MCL)機能不全が肩関節外旋可動域の計測に及ぼす影響について報告されている文献を報告します。







江玉ら:肘関節内側側副靭帯機能不全が肩関節外旋可動域の計測におよぼす影響-屍体肩を用いた研究- 肩関節.200630巻第3号:505-509.


この文献では御献体の7上肢を用いられています。
MCLにたいして4つの条件で比較されています。
1.intact 2.前斜走靭帯展開 3.前斜走靭帯後方半分を切離後 4.前斜走靭帯完全切離後
これらの条件の時の肘の外反角度と肩関節外旋角度を計測されています。

12に統計学的に有意な差は認めなかった。
3,4では1と比較して外反角度と外旋角度は増加し、外反角度と外旋角度の増加の間には統計学的に有意な相関関係を認めたと報告されています。

この文献からMCLの機能不全により、肩関節外旋可動域へ影響することが分かりました。
MCLが機能しないことで肘関節屈曲位での外反を制動する機能が低下していることが原因かと思います。
肘関節伸展位での外反角度はもちろんですが、屈曲位での不安定性もしっかり確認する必要があると思いました。
また、肩の外旋を見る際にも肘関節までしっかり評価することが重要であると感じました。



投稿者:天鷲 翔太

2018年8月14日火曜日

【文献紹介】超音波画像を用いた正常膝関節の牽引に伴う理解距離の解析―関節角度と牽引強度の違いが及ぼす影響について―

本日は牽引療法について研究されている文献を紹介させていただきます。

小川大輔他:超音波画像を用いた正常膝関節の牽引に伴う理解距離の解析―関節角度と牽引強度の違いが及ぼす影響について―.理学療法学.392).1021092012



健常成人の膝関節18膝を対象とし、膝関節屈曲角度7項目(0°、25°、35°、45°、55°、70°、90°)と牽引強度2項目(100N200N)の計14項目とされています。
対象者は背臥位をとり、大腿部を固定し下腿を牽引装置にて10秒間牽引されています。
離開距離に関しては超音波画像診断装置を用い、膝関節内・外側裂隙にプローブを当て、牽引前後の静止画にて測定されています。この離開距離と屈曲角度、牽引強度の指標を用いてTukey法による多重比較検定を行われました。


結果は以下の通りです。
100Nでの牽引では55°屈曲位では離開距離が0°より有意に大きかった。
200Nでは25°、35°、45°、55°屈曲位が0°よりも有意に大きく、45°と55°に関しては90°屈曲位より有意に大きかった。
100N200Nのどちらに関しても最大離開距離となる肢位は51°屈曲位であった。


関節牽引は、関節拘縮症例になどを対象に行われる治療であり、膝関節だけでなく、様々な関節に対して行われており、私も拘縮症例などに対しては持続伸長などと使い分けることもあります。

牽引療法を行う際は、
・どの軟部組織を対象にして行うのか。
・強度はどの程度が症例に適しているか。
などのことを考察した上で行い、持続伸長でも同じだと思います。
今回の文献から、膝関節に対して有効な牽引角度などを知ることができましたが、あくまでも本症例は主に関節包などの関節構成体をターゲットに行っており、全症例にこの角度や強度が適応ではないことが考えられました。

どの症例には本研究で証明され方法が適応するのかどうかを考察した上で治療に役立てようと思います。



※定例会のお知らせ
来月(9月)は整形外科リハビリテーション学会学術集会が開催されるため、京都支部定例会はお休みとさせていただきます。
次回は1027日開催予定となっております。
参加申し込みを開始した際は追って当ホームページにて報告させていただきます。



投稿者:高橋蔵ノ助

2018年8月13日月曜日

【文献紹介】IFPの組織弾性が膝前部痛に与える影響について

本日紹介させていただく文献は、膝蓋下脂肪体(IFP)の組織弾性が膝前部痛に与える影響についてです。

本研究ではしゃがみ込み動作時の膝前部痛とIFPの組織弾性に関連があるか否かを検討されています。
対象
膝関節に疼痛の既往がない5膝(健側郡)
オスグットシュラッター病もしくは有痛性分裂膝蓋骨と診断された10膝

その中でもRf、VL、TFLに対する治療後、疼痛が完全に消失した群
しゃがみ込み動作時に膝前部痛が残存する群
に分類

測定
膝関節0°、120°、最大屈曲位
膝蓋骨尖、膝蓋靭帯、脛骨粗面を描出した上でIFPの組織弾性を計測

結果
疼痛残存郡において膝関節0°~120°に対して最大屈曲位で有意にIFPの組織弾性値が高くなったと報告されている。
 
以上の事よりIFPは膝関節運動に同調して変形する柔軟な組織です。他研究では膝関節伸展位で最も内圧は高く、屈曲110°程度からまた高くなるとも報告されている。
そしてこの研究の結果を踏まえると、膝関節最大屈曲位でIFPの組織弾性が高値を示していることから、IFPの内圧上昇には周囲組織の影響も関与していることがわかります。
IFPの周囲には膝蓋支帯や膝蓋靭帯が位置しているため、臨床においてこのような症例を経験した際には、痛みを出している組織だけでなく、周囲組織に対しても細かく評価することが重要であると思います

2018年8月12日日曜日

【第14回 股関節鏡研究会のご案内】


日頃から京都支部のホームページやblogに目を通していただき、誠にありがとうございます。

本日は、9月1日(土曜日)に開催される第14回日本股関節鏡研究会のご案内をさせていただきます。




会 場 北九州国際会議場
〒802-0001
北九州市小倉北区浅野3-9-30
http://www.convention-a.jp/kokusai-kaigi/



股関節についての最新の知見からリハビリテーションまで盛りだくさんの内容となっております。

理学療法士の先生も数名発表され、当院(京都下鴨病院)からも、小野志操先生がシンポジウムで発表されます。

股関節について学びたい先生は是非お誘い合わせのうえ御参加ください。

詳細については下記URLをご確認下さい。



投稿者:大渕篤樹



2018年8月10日金曜日

【文献紹介】股関節肢位の違いによる股関節外転筋群の機能

本日は股関節肢位の違いによる股関節外転筋群の機能について書かれた文献を紹介させていただきます。




松木ら:股関節肢位の違いによる股関節外転筋群の筋電図学的解析 理学療法学 第31巻第1号、9-14(2004)

 中殿筋、大腿筋膜張筋、大殿筋上部繊維は股関節外転運動に関与すると共に、立位や歩行などの荷重時には骨盤の安定に寄与すると言われています。これら3つの筋は股関節外転作用を有しており、Kapandjiはこれら外転筋群を”deltoid of the hip”として協同して外転運動に関与することを報告しています。しかし、股関節肢位や、股関節外転張力の強度と各外転筋の筋活動との関係は明らかにされていないことから、股関節肢位(非荷重位)の違いが各筋に与える影響について検討されています。

 中殿筋各繊維、大腿筋膜張筋については股関節最大外旋位で有意に低下、中間位で最も大きな張力が得られたと報告しています。また、股関節屈曲角が増加するにつれ、張力が低下したとも報告されています。
 大殿筋上部繊維に関しては股関節肢位の変化による張力の有意な変化はみられなかったとしています。

 股関節外転筋筋力は下肢免荷中や手術侵襲により低下しやすく、歩容にも影響を与えることが多いです。この文献では背臥位で股関節中間位での張力が最も大きいことを報告していることから、股関節の肢位は評価やトレーニング時に考慮すべき点ではないかと考えます。
 また、大殿筋の上部繊維については非荷重位での張力は小さく、股関節肢位による影響がほとんどないと報告しています。荷重位と非荷重位での筋活動の違い、アライメントによる筋長の違いから筋の機能の変化がみられるということを念頭に置き、今後の治療・評価に役立てていきたいと思います。
 


投稿者:小林 駿也

2018年8月8日水曜日

【文献紹介】アキレス腱の肉眼解剖について


本日はアキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学について報告されている文献を報告します。





江玉ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討 第13回新潟医療福祉学会学術集会 


この文献では御献体3250側を用いられています。
Szaro(2009)の報告を参考にアキレス腱(AT)を腓腹筋の筋腹が付着するAT線維束とヒラメ筋の筋腹が付着するAT線維束(以下、Sol)を分離し、腓腹筋内側頭が付着するAT線維束(以下、MG)と外側頭の筋腹が付着するAT線維束(以下、LG)とに分離されています。
また、各線維束の焼骨隆起付着部の配列をCummins(1946)の報告を参考に捻転度に応じて分類されています。


ATMGLGSolの付着する線維束が互いにねじられながら癒合しており、ATを頭側からみて右側では反時計回りに、左側では時計回りの方向にねじれを呈していたと報告しています。
ねじれの程度により下図のように軽度(type1)~重度(type4)4型に分類されています。
また、MGの線維束は比較的平行に走行していて、LGSolの線維束はねじれながら踵骨隆起に付着していたとも報告されています。


今回の報告から詳細なアキレス腱の付着、走行形態が分かりました。
受傷機転を考える上でどのような負荷が加わったのか参考にしていきたいです。
明日からの臨床に活かせるようにもっと勉強していきたいと思います。



投稿者:天鷲 翔太

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