▪️ WHAT'S NEW ー 整形外科リハビリテーション学会ニュース

・ 2018年12月9日 整形外科リハビリテーション学会 シンポジウム・学術報告会開催
  詳細はこちらから

・ 関西支部合同全国研修会(2019年3月2日・3日開催)の参加申込受付中。
  詳細はこちらから

・横浜全国研修会(2019年4月13日・14日開催)は12月5日より参加申込受付開始。
 詳細はこちらから

・京都支部の次回定例会は2019年1月26日開催

2019年1月開催−第130回定例会− 「機能解剖に基づく膝関節疾患に対する運動療法〜TKAにおける拘縮予防」

講師:服部隼人 先生(烏丸御池整形外科クリニック)
日時:2019年1月26日 土曜日 18時受付 18時30分開始
会場:京都下鴨病院2階 リハビリ室
定員:26名限定(要事前申込、先着順)
参加費:本学会会員無料、会員外500円
参加申込受付期間:2019年1月1日から



2018年12月12日水曜日

【文献紹介】MRIを用いた肩鎖関節と胸鎖関節の運動学的解析について


本日はMRIを用いた肩鎖関節と胸鎖関節の運動学的解析について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。





竹井ら:MRI(磁気共鳴画像)を用いた水平面における肩関節の肢位の変化による肩鎖関節と胸鎖関節の関節運動学的解析 J Jpn Health Sci  Vol.13,No.2 2010.


この文献では健常女性13名で背臥位にて上肢を体側につけた肢位を基本肢位とされています。
そこから①肘関節90°屈曲位での肩関節90°屈曲位 ②①から上肢帯最大前方突出位 ③②から肩関節最大水平屈曲位
この3つを行いMRIを撮影されています。

①から②になる、前方突出においては肩鎖関節よりも胸鎖関節の運動が主体となることが報告されています。
②から③になる、水平屈曲運動では胸鎖関節よりも肩鎖関節の運動が主体であることも報告されています。

この文献の報告から肩関節の水平屈曲時、前方突出時の鎖骨、肩甲骨の運動が分かりました。
関節運動は実際にどのように運動しているのかわかっていないと理学療法時にもうまく運動を誘導できないと思います。
より技術を身に付けていくためにも知識を付けていこうと思いました。



投稿者:天鷲翔太

【文献紹介】内側半月中後節移行部横断裂のMRI所見

 今回は膝関節内側半月板中後節移行部横断裂時のMRI所見において、特徴的な所見が無いかを検討されている文献を紹介させていただきます。



本山達男他:内側半月中後節移行部横断裂のMRI所見. 整形外科と災害外科.65(2).199-202.2016







MRI所見読影の基準として、冠状断はT2、矢状断はプロトン強調像にて撮像された画像で行われており、51例51膝の内側半月板中後節移行部横断裂と診断された症例の術前MRIにて検討されています。


 冠状断で最も多かった所見は、中後節移行部のスライスで正常半月板を描出した後、後方へスライスを移動させると、内側半月板の大部分で高信号が描出されていました。その後さらに後方へスライスを進めると、再度正常半月板が描出されるというもので、全体の62.7%で認められていました。(下図参照 文献より引用)




矢状断に関しては、内側半月板辺縁を描出しているスライスで横断裂様の高信号が全体の52.9%で認められていました。



内側半月板中後節移行部の損傷は、後角損傷についで損傷頻度の高いとされており、正確な画像診断が重要と諸家の報告でも見受けられますが、特徴的なサインなどは確立されていません。
 筆者は今回冠状断で大部分高信号を一時的に認めた部分をvanishing signと仮定し、同部位での画像診断の特定方法として考案されていました。



 しかし、本研究の及第点として、感度は高いが特異度は低いという点でした。特異度とは “陰性のものを正しく陰性と示す” 値であることはみなさん言うまでもないでしょう。

 つまり、MRIでは横断裂が認められたが、同部位の横断裂が関節鏡にて観察すると認められい可能性が大いに有り得るということです。



 我々理学療法士は関節鏡にて自ら関節内の状態を把握することは不可能です。そのため、画像所見を駆使し、患者様の状態を把握するスキルがとても重要になることは、日々の臨床での痛感しております。
 半月板に関しては有用な整形外科的テストも多数報告されており、諸家の報告では各検査の感度や特異度についても報告されています。


治療技術だけではなく、そこに至るまでの評価技術の一つとして、画像読影方法について知識を深めていく事の重要性を再認識することができました。



投稿者:高橋 蔵ノ助

2018年12月11日火曜日

【文献紹介】橈骨遠位端骨折に対する保存療法・手術療法の比較検討

今回は橈骨遠位端骨折に対する保存治療と手術治療の比較について文献紹介させていただきます。

橈骨遠位端骨折に対する治療はロッキングプレートによる固定が中心であり、良好な成績が多く報告されています。ロッキングプレートを用いることにより骨折部位を解剖学的な整復する位置での固定が可能となります。しかし、保存療法にて整復を行わくても機能評価の結果は良く患者の満足度も高かったです。今回の文献では、手術によるロッキングプレート固定法、保存療法によるものの比較検討がされています。

方法
掌側ロッキングプレートによる固定を行った手術群
前腕ギプス固定にて治療を行った保存治療群
で比較されています。

評価
・画像評価
X線画像での volar tilt  radial inclination  ulna plus variance
①受傷時と②整復時もしくは手術時と③最終評価時
にて比較。
機能評価
⑴手関節可動域
⑵Quick DASH-JSSH
を最終評価時に測定し検討
 

保存治療・手術治療のどちらにおいても、患者様に合わせた手段を選択し、またそれに伴いただただ可動域を出すのではなく患者様の生活背景を検討し、それに対し一番良い治療を行っていく事が大切になってくることを改めて再確認する事ができました。


青山広道ら:橈骨遠位端骨折に対する保存治療と手術治療の比較検討
骨折 33 No.1  2011

2018年12月10日月曜日

整形外科リハビリテーション学会 シンポジウム2018

本日整形外科リハビリテーション学会シンポジウム2018が行われました。
今回のテーマはエコーの活用法でした。

午前中は4名のシンポジストの先生方のご講演でした。
1.エコーがこれまでの常識を覆す!
   名古屋栄ペインクリニック 松本優先生
2.無視できなくなる!エコーから見える末梢神経
   一社ひがし治療院 神山卓也先生
3.超音波エコーならその足底部痛の原因が分かる!
  中部学院大学 鵜飼建志先生
4.Shear wave elastgraphyで迫る!"black box"の解明
  名古屋スポーツクリニック 福吉正樹先生

午後からは第1回学術報告会が行われ、6名の先生が発表されました。

正しくアプローチできているのか、触れているものが本当にターゲットにしているものなのか、エコーで可視化することでより適切な運動療法が行うことができると思いました。
ただプローブを当ててもその下には何があり、画面にはどの軟部組織が写っているのか分からなければ意味がありません。
まずは解剖を理解し、描出した画像に何が写っているのか理解し、再度同じ絵を描出できる再現性も練習して獲得していく必要があると思いました。
当院にもエコーがあるのでもっと積極的にエコーを使っていこうと思いました。

2018年12月7日金曜日

【文献紹介】保存療法を行った腱板断裂の疼痛関連因子について

本日は保存療法を行った腱板断裂の疼痛関連因子をMRIにより検討された論文を紹介します。



腱板断裂において保存療法で痛みが消失した症例と持続した症例のMRI所見を比較されています。対象はMRIで診断した棘上筋腱を含む症候性腱板断裂に対して注射や投薬による保存療法を行い、1年以上経過した時点でMRIを再検した96108肩です。

MRI再検時の疼痛の有無を目的変数とし初回MRIの滑液腔の水腫、断裂の引き込み、肩甲下筋腱断裂、棘下筋腱断裂の有無、肩甲下筋、棘下筋、棘上筋の各Goutallier分類の7因子を説明変数として単変量ロジスティック回帰分析を行い、有意差を認めた因子を次の多変量ロジスティック回帰分析の説明変数とすることで初回MRIにおける疼痛持続の予測因子を調査されています。また最終MRIも同様の手順で疼痛残存に影響する因子を調査されています。

結果ではMRI再検時、疼痛は67肩で持続し41肩で消失しており、初回MRIにおける疼痛持続因子は肩甲下筋腱断裂のみに、また最終MRIにおける疼痛残存因子は滑液腔の水腫と肩甲下筋腱断裂で有意差が認められたと報告されていました。
考察では疼痛残存因子であった肩甲下筋腱はtransversal force coupleや上腕二頭筋長頭腱の安定性に寄与するため重要であると述べられていました。

臨床上、画像所見から得られる損傷組織が痛みの出現部位とは限らないので、理学所見から疼痛の出現部位を特定するとともにその部位にどんなメカニカルストレスが加わっているのかを理解することが大切だと思いました。

投稿者:佐々木拓馬

2018年12月5日水曜日

【文献紹介】肩甲骨の加齢による可動域の変化について


本日は肩甲骨の加齢による可動域の変化について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。





田中ら:肩甲骨の加齢による可動域の変化についての検討 The Shoulder Joint,Vol.19,No.1,118-122,1995.

この文献では3才、5才幼児46名、30代男性20名、60代男性23名を対象にされています。
水平屈曲、伸展を行わせ、外転90°、屈曲90°、最大水平屈曲位で上肢と左右の肩甲棘のなす角度を測定されています。

各動作で幼児、30代、60代の順に角度が減少していることが報告されています。

この文献から加齢により肩甲骨可動域が制限されていくことが分かりました。
私達が教わってきた可動域の正常値と異なっていても本当の意味で可動域制限となっていないことがあると思います。その症例のアライメント、軟部組織の評価を行いどこまで可動域を求めるのか考察することが重要であると思いました。
明日からの臨床に活きるよう勉強していきたいと思います。


投稿者:天鷲翔太

2018年12月4日火曜日

関節運動の変化が関節軟骨・半月板に及ぼす影響について

 今回は、関節の動態変化が関節軟骨にどのような影響を及ぼすかを述べた文献について紹介したいと思います。


村田健児他:関節運動の変化が関節軟骨・半月板に及ぼす影響.理学療法.2477832017


 本研究は、メカニカルストレスとなり得る膝関節の運動学的異常が軟骨及び半月板に与える影響を検証しています。

 対象は6ヶ月齢のラット40匹を用いられ、ACLを外科的に損傷させ、前方引き出しが過剰に生じている群(以下ACLT群)、同じく外科的損傷後、脛骨の前方引き出しを制動した群(CAJM)、通常飼育群(CTR)の3群に分類されています。
 これらの3群を、術後12週目に関節軟骨と半月板の変性について組織学的分析を行われていました。



 結果は、術後12週ではACLT群で関節軟骨厚の減少や関節軟骨の変性、表層のフィブリン化が他の2群と比較し、著しく重症化していました。
 半月板の接触エリアと非接触エリアで比較すると、ACLT群とCAJM群の2群では双方のエリアで変性を認め、大腿骨側と脛骨側両方で変性が認められました。また、半月板自体の変性も同様に、ACLT群とCAJM群がCTR群と比較して有意に構造的破壊を認めていました。


以上のことから、膝関節の不安定性がある場合、関節軟骨や半月板に正常よりもメカニカルストレスが負荷となり、変性の重症化を招くことが分かります。


今回の研究では、ラットを用いて、ACL損傷による脛骨前方引き出しが制動されない膝関節を想定し、関節軟骨や半月板の変性がどう生じるのかを検討されていました。

 ACLは膝関節内靱帯であり、膝関節の安定性の多くを担っています。関節の安定性は靱帯のみではなく、筋や腱、関節包など多くの軟部組織によって関節の安定性は保たれています。このメカニカルバランスが、生体内の組織(今回の研究では関節軟骨や半月板)が機能しやすい環境を整えていると言っても過言ではないと思います。


 しかし、軟部組織の損傷や機能不全、筋の滑走不全やtightnessが存在した場合、本来の関節運動から逸脱した運動を行い、組織の損傷に繋がることが考えられます。


 私たちが理学療法を提供させていただく方には、術後の方だけでなく、保存療法を選択された方に対しても理学療法を提供させていただきます。
 opeによる介入が行われない患者様の理学療法では、軟部組織のバランスを整えることが重要となります。問題となる軟部組織を特定する評価や、それらに対しての治療技術など、さらなる技術向上や知識の積み重ねが必要となることが、改めて感じられました。


今週末に整形外科リハビリテーション学会主催のシンポジウムが開催されます。
詳細は当学会京都支部のHPからも確認できますので、皆様のご参加お待ちしております。

また、その他開催予定の全国研修会の詳細も確認できますので、そちらの方もよろしくお願いします。




投稿者:高橋 蔵ノ助

2018年12月3日月曜日

【文献紹介】尺骨茎状突起骨折に対しての放置症例について

今回は、尺骨茎状突起骨折の何も介入を加えずに放置していしまった症例についての文献を紹介します。

対象
橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折を合併した14名(15肢)

方法
15肢を尺骨茎状突起の先端部骨折と基部骨折に分類
疼痛の有無
骨癒合
尺屈回旋テスト
ulnar variance
について調査しています。

結果
先端部骨折と比較して基部骨折は偽関節を生じやすく、疼痛も残存しやすい傾向にあると報告されています。
また、疼痛を生じる例では、3mm以上のplus varianceを持つか尺屈回旋テストが陽性であったと報告していま
す。橈骨遠位端骨折の画像所見として尺骨茎状突起骨折の有無は画像所見として着目します。しかし、骨折の
有無だけでなく部位についても観察して行く事が大切なのではないかと感じました。さらに、尺骨茎状突起の
周囲にはTFCCや尺側手根伸筋腱などの軟部組織も存在します。その点に関しても注意して評価する事が多節
なのではないかと考えました。


久枝啓史、萩原博嗣・他:橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績・整形外科と災害外科.2000492):p481-484

2018年12月1日土曜日

【文献紹介】腰痛診断のpitfallとなりやすい上・中殿皮神経の絞扼ついて

本日は腰痛診断のpitfallとなりやすい上・中殿皮神経の絞扼ついて紹介させて頂きます。
 

  

殿皮神経の絞扼性神経障害は疾患概念が認知されておらず、MRIでも描出されません。また腰椎疾患に類似した紛らわしい症状を呈することもあり、診断上pitfallとなりやすいと言われています。

殿皮神経は、SCN(上殿皮神経)・MCN(中殿皮神経)・ICN(下殿皮神経)から構成され、頻度が高いのはSCN、MCN障害とされています。

SCNは腸骨稜上縁に筋膜が密に付着する部位を複数の内側枝が走行するところで絞扼されやすく、外側枝は腸骨稜より頭側で筋膜を貫通するため絞扼されにくいと報告されています。

MCNはS1からS3椎間孔へ出た後、分岐・吻合しつつ交錯しながら殿部皮下組織へと走行します。筆者らの解剖学的研究では、MCNの枝は84%がLPSL(後仙腸靭帯)の背側を通過しますが、16%はLPSLを貫通するためLPSLによる絞扼をうけると報告されています。



PSIS付近の疼痛の多くはOne finger testが特徴とされる仙腸関節障害を疑う所見の一つです。仙腸関節障害は特異的な症候学的所見や画像所見がなくブロックの有効性によって確定診断されてきました。
仙腸関節を後方で連結するLPSLは仙腸関節の支持性を担う重要な靭帯であり機械的ストレスの大きい靭帯です。村上先生らの報告では、仙腸関節内へのブロックよりもLPSLのブロックの方が有効な症例が多いと述べられています。筆者らはLPSLによるMCN絞扼が実在することを解剖で確認しLPSL切開によるMCN剥離術を行い、臀部痛の症例に対して良好な治療成績をえられたと報告しています。

LPSLへのブロックが有効なMCN絞扼と仙腸関節ブロックが有効な真の仙腸関節障害とは分けて考えるべきですが、重症例では両者を併せ持っている可能性もあります。

実際の臨床でも腰殿部痛を主訴とする症例が多く、病態解釈に難渋することがあります。
SCNやMCN絞扼では座位での疼痛が多いとされていますが、梨状筋症候群や仙腸関節障害、仙結節靭帯障害、椎間板ヘルニア、その他にも座位姿勢にて腰殿部痛が出現しやすい病態があります。椎間関節障害でも殿部に疼痛が出現します。
しかし、すべて病態が異なるため適応となる治療も変わってきます。やはり診断、理学療法士としては評価が重要と考えます。少しでも多くの患者さんを良くできるよう、これらの知識を念頭において毎日患者さんを診て悩んでいこうと思います。


投稿者:大渕篤樹

【文献紹介】三角線維軟骨の損傷形態と疼痛との関連性についての検討

 今回は、TFCCの損傷形態と疼痛の関連性について検討された論文を紹介します。

 


 対象は骨疾患を認めないTFCC損傷症例を疼痛群と非疼痛群に分けて、損傷形態などを比較されています。
    三角線維軟骨(以下、TFCC)損傷は必ず疼痛を生じる障害ではないとされています。これは、腱板損傷や半月板損傷にも言えることですが、損傷した組織にメカニカルストレスが加わることにより疼痛が惹起されると考えられます。同じ衝撃でも損傷の形態によって損傷部位に加わるメカニカルストレスが変化するため、疼痛の有無に関わるかと考えました。
 疼痛群に存在して非疼痛群に存在しなかった損傷形態として、TFCCの周辺部損傷が上がっています。周辺部の損傷はTFCC損傷における尺側部痛を惹起しやすいと考えられます。一方、実質部の損傷においては両群とも差がありませんでした。このことから、実質部の損傷による尺側部痛においてはTFCCのみならず他の組織由来の疼痛や特徴的な動態があるのではないかと考えました。
 TFCC実質部の損傷は何らかのメカニカルストレスを軽減させることにより疼痛が改善する可能性を示唆している事がわかりました。損傷している組織を同定することはもちろん、疼痛を惹起しているであろう組織を細かく評価する事が症状改善につながる事がわかりました。





投稿者:小林 駿也

人気の投稿