鄭ら:踵骨骨折の手術後早期荷重 骨折 第29巻,No.3 2007.
この文献では踵骨関節内骨折をプレート固定された31例を対象とされています。
この症例を海綿骨欠損部を補強しないで6週間免荷した群、欠損部を人工骨補填材で補強し6週間免荷した群、人工骨補填材で補強して3週間免荷した群の3群に分け術後の経過を追われています。
各群ベーラー角は術前から術後で大きく変わっています。
ベーラー角の術後と観察時の値の差は
6週荷重群で平均4.0°、6週補強群で平均2.6°、3週荷重群で平均0.5°であったと報告しています。
この文献から踵骨骨折後に荷重によるベーラー角の変化の仕方が分かりました。
この文献では海綿骨欠損部をどの材料で補うかも検討されていますが、私はこの文献を読み、プレート固定でかつ海綿骨欠損部を人工骨で補ってもベーラー角が変わることに注目しました。
6週間の免荷をしても仮骨形成が十分でない症例もおり、転位してきていることを考えると荷重のタイミングが難しいのではないかと思いました。
私も臨床で踵骨骨折の症例をみる機会がありますが、経皮ピンニングで固定されている症例、人工骨で欠損部を補っていない症例などの荷重には十分仮骨の状態を見極めアプローチする必要があると思いました。
明日からの臨床で活かせるよう勉強していきたいと思います。
投稿者:天鷲翔太