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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年9月16日日曜日

【文献紹介】for lateral areaでの神経絞扼障害について


本日は、Far-out syndrome(以下,FOS)の病態とされている、for lateral areaでの神経絞扼障害について一部紹介させていただきます。




FOSはL5-S1椎間レベルにおいて仙骨翼と横突起で囲まれたfor lateral areaでL5神経根が絞扼されて症状を呈する病態として報告されています。


神経圧迫部位は脊柱管内・外側陥凹・椎間孔・椎間孔外の 4 つに大きく分けられます。L5/S 椎間孔外での神経根障害の病態には 不明な点もあるが、直視下にてlumbosacral ligament(以下 LSL)を切除することにより症状改善が得られたという報告も散見され、絞扼因子として神経背側靭帯組織 であるLSLが関与していると報告されいます。




    A: L5 nerve root, B: L4 nerve root, C: lntervertebral disc, D: lumbosacral hood


ホルマリン固定遺体 4 体 8 側を対象とした研究では、全例に LSL が存在し L5 横突起から仙骨翼前面に伸びており、腹側では lumbosacral hood(以下 LSH )を形成しています。
LSH は、内側は L5/S 椎間板または L5 椎体外側,後方は LSL,頭側は横突起起始部,尾側は仙骨翼に囲まれた非常に狭い空間であり,それら構成体の変性や LSL の骨化により L5 神経根が容易に圧迫されうることが予測されます。


骨増殖や骨の変形に対しては理学療法士で改善することは困難ですが、SLSなど軟部組織に対して伸張や弛緩させる操作を行うことは可能です。
SLS下にL5神経根が走行している解剖学的構造とLSLを切除することにより症状改善が得られたという報告から、理学療法士で改善できる病態もあるかもしれないと感じました。
実際にエコーなどを用いて探求していきたいと思います。



投稿者:大渕篤樹


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