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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年9月19日水曜日

【文献紹介】拘縮発生予防を目的とした自動運動の効果について


本日は拘縮発生予防を目的とした自動運動の効果について書かれている文献を紹介させていただきます。





坂本ら:関節拘縮の発生予防を目的とした自動運動の効果-足関節中間位固定を用いたラットにおける実験的研究- 理学療法科学 32(5)705-7082017


この文献ではラット12匹を対象とし、一側後肢足関節を底背屈中間位にてギプス固定されています。11度固定を除去し、20分のトレッドミル走行を行う固定運動群と11度固定を除去し、ギプスの巻替えのみ行う固定群に分けられています。
実施期間は7日間で、初日と最終日の足関節可動域を比較されています。

初日の足関節可動域(背屈から底屈にかけて)は固定群117.3±6.1°、固定運動群119.7±5.3°であり、2群間に有意差は認めていません。
最終日の関節可動域は固定群84.0±4.6°、固定運動群で93.3±8.0°であり、両群に関節可動域の減少を認めました。
また、最終日の関節可動域は2群間に有意差を認め、固定運動群の関節可動域が大きいことを報告しています。


この文献から固定期間に11度運動をさせると関節可動域の減少を抑制させることが分かりました。しかし、両群共に関節可動域が減少していることから少なからず関節拘縮が出来ていることも分かりました。
また、ギプス除去し、トレッドミルでの走行運動を行わせていますが、実際には骨折後の骨接合術や、靭帯損傷後のギプス固定を除去し、荷重位で運動させることは困難です。ギプス
固定中に拘縮させないためにもどの軟部組織が拘縮しやすいのか、拘縮する可能性があるのかを考え、ギプスにより保護している組織にストレスを与えないように運動療法を行って行く必要があるかと思います。
もう一つ分かったこととして、他の文献でも言われているように11度の介入のみでは不十分ということも分かりました。
1週間に1回の頻度で介入している症例も多々います。
拘縮を作らないためにもその患者への運動指導、運動の目的について十分に説明することが重要であると改めて感じました。
明日からの臨床で活かせるよう、勉強していきたいと思います。


投稿者:天鷲 翔太


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