本日は、半膜様筋-内側側副靭帯にある滑液包(STB)について述べられた文献を紹介します。
Christopher P.et al.:AJR 1996;166:875-877
STBは逆U字型をしており、その深層部は内側半月板後節に隣接し、半膜様筋腱と脛骨内側顆の間に介在しています。浅層部は半膜様筋腱とMCLの脛骨付着部との間に位置します。STBは、膝関節伸展・外反、脛骨外旋ストレスで緊張する半膜様筋腱と脛骨内側顆との間で生じる摩擦を軽減させ、腱を保護する役割があると述べられています。
周囲にはベイカー嚢胞や鵞足包があることから、MRI画像から滑液包炎が疑われる症例を診る際には鑑別診断が必要になります。
ベイカー嚢胞は関節裂隙から近位1cm、鵞足包は関節裂隙から遠位3~4cmのところに位置するといわれ、STBはそれら滑液包間の関節裂隙の後内側部にあるとされています。
STBの炎症に対する臨床的な診断は、その解剖学的な位置関係をもとにMRI画像や圧痛所見を確認することが必要になります。
STBの炎症は、外傷によるものの他、膝OA症例にも生じることも多いことから臨床的に目にする機会は少なくないと考えます。
膝内側部痛を訴える患者に対して、理学所見、画像所見を注意深く観察し、正確な評価ができるように励みたいと思います。
投稿者:小林 駿也
Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。
2018年9月29日土曜日
人気の投稿
-
本日はアキレス腱断裂術後リハビリテーションの考え方について報告している文献を紹介させていただきます。 園部俊晴 :アキレス腱断裂の術後リハビリテーション.Sportsmedicine 2015 No.172 アキレス腱断裂術後の...
-
今回は「広範囲腱板断裂に対する筋前進術を併用した鏡視下腱板修復術」 を紹介したいと思います。 この文献では、一次修復不可能な腱板広範囲断裂に対し、関節鏡補助下筋前進術、上肩甲横靭帯切離術を併用した鏡視下腱板修復術を施工し術後の治療成績を検討されています。 ...
-
本日は Bertolotti症候群について紹介させて頂きます。 Bertolotti症候群は1917年にBertolottiが提唱した症候群であり,最尾側の腰椎横突起が肥大し仙骨との 間に関節を形成,あるいは骨癒合した症例に腰痛が生じる症候群とされています。 ...
-
本日は 腱板修復術後の再断裂発生時期と危険因子を 調査された論文を紹介させていただきます。 腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った 90 例 92 肩を対象とし、術後 2 週、 3 ヶ月、 6 ヶ月、 1 年に MRI 撮影を行って評価されています。評価項目は...
-
文献紹介 大腿骨転子部骨折において後外側支持欠損が lag screw sliding に与える影響 (徳永真己・他 : 骨折 第35巻、98-102、2013) 大腿骨転子部骨折をshort femoral neck (SFN) で...