COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年9月16日日曜日

【文献紹介】肩関節拘縮例の肩甲骨の傾き及び動き

本日紹介させていただく文献は、拘縮肩症例における挙上時の肩甲骨の傾きを検討した文献です。


山田正幸他:肩関節拘縮例の肩甲骨の傾き及び動き.整形外科と災害外科33(2):388-393,1984

拘縮肩における肩甲骨の傾きを検討することを目的としています。
対象は肩関節拘縮例20例です。
45°、最大挙上位でレントゲン撮影し、内方傾斜角(内外転)、下方傾斜角(前後傾)、上方回旋角を計測しています。
健側と患側の撮影をし、比較しています。
今回の結果から発症後2ヶ月未満とそれ以上で結果が異なっていたため、2ヶ月未満をグループ1、それ以上をグループ2としています。
グループ1
内方傾斜は有意差なし
下方傾斜角は有意に大きく、前傾していた
上方回旋は有意大きかった
グループ2
内方傾斜は有意差なし
下方傾斜は有意に小さく、後傾後傾していた
上方回旋は有意差なし(個々で異なった動態を示した)
安静立位時の肩甲骨の傾きには病期による違いが見られ、2ヶ月以前とその後で特に下方傾斜に変化が見られることがわかりました。
グループ1とグループ2の下方傾斜の強かった1例においては疼痛の訴えが強く、夜間痛も認めていました。
これらのことから下方傾斜を増大させる要因の1つに疼痛があると筆者は考察しています。
過去の報告では下垂位から150°挙上位まで内方傾斜はほとんどしないと報告しており、今回の結果と合わせて考えても内方傾斜は肩関節疾患があっても安定した角度と言えると述べています。

拘縮してからの期間によって肩甲骨の傾きが異なることがわかりました。
いつから疼痛が出現し、可動域制限が生じたのか詳細に問診することはどの方向に可動域が制限されているのかを知る手がかりにもなると感じました。
また疼痛が強い症例において肩甲骨の前傾が大きかったと述べられています。逆に考えれば肩甲骨の後傾が出るようにすれば疼痛の軽減につながることも考えられます。疼痛の強い症例において肩甲骨の前傾角を評価するのも1つポイントになると感じました。

人気の投稿