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2018年9月11日火曜日

【文献紹介】膝蓋骨上脂肪体(SPF)が膝関節屈曲運動時にどのような変化がみられるか

今回は膝蓋骨上脂肪体(SPF)が膝関節屈曲運動時にどのような変化がみられるかを超音波画像診断装置を用いて観察された文献を紹介させていただきます。


SPFは膝蓋骨底と膝蓋上嚢、大腿四頭筋共同腱遠位で形成される三角形を埋めるように存在する。
・機能としては膝関節屈曲運動時の大腿四頭筋共同腱の滑走や伸展機構効率を高める
・大腿骨と膝蓋骨間での膝蓋上嚢のインピンジメントの予防
とこれまでの研究で報告されている。
しかし、今回の文献では膝関節運動時のSPFの動態に関する報告はほとんどないため、観察・検討されていました。

対象
健常男性10名の左下肢
測定肢位は背臥位とする。
SPFの大腿四頭筋腱側の長さ(腱側長)の測定には膝関節伸展時および屈曲90度・120度・最大屈曲・正座時の長軸像を超音波画像診断装置にて撮影。


文献では膝関節伸展時から90度、120度、最大屈曲、正座の順に腱側長は増加したと報告されている
また、増加率について、膝関節伸展はその他の膝関節屈曲角度、膝関節屈曲90120度では最大屈曲・正座時、最大屈曲は正座時に有意差があったとも報告している。

この文献の報告から膝関節屈曲角度の増加に伴い、SPFの腱側長は増加していくことが分かりました。このことから膝関節の屈曲角度を獲得するためにはSPFの柔軟性に注目していく必要があると考えられます。
また、SPFが充分に伸張できるように大腿四頭筋をはじめ、周囲の軟部組織の柔軟性を獲得することも重要だと考えます。
臨床の中で自分自身膝関節の屈曲制限に直面する事がありますが、今回の文献が屈曲制限の原因の1つになるという事を念頭に臨床に活かせたらと思います。


投稿者 茂木孝平


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