本日は、脛骨遠位の骨端線離開骨折後に生じた長母趾伸筋腱拘縮に対して、腱の延長術が有効であったと報告された文献を紹介します。
G.Sharma et al:Extensor hallucis longus tendon contracture following triplane fracture of the tibia:foot and ankle surgery 13,76-79,2007
症例は、サッカー中のコンタクトによって脛骨遠位の骨端線離開骨折を呈した10代の男性です。
麻酔下での徒手整復から6週間固定され、8週後には骨癒合良好で、痛みなく歩行可能であったにもかかわらず、底屈に伴う母趾MTP関節の伸展運動が出現し、長母指伸筋腱の拘縮が疑われたとのことです。
運動療法に抵抗し、受傷から6か月経過しても改善しないため、長母趾伸筋腱の延長術を実施したところ、可動域、筋力は回復し、スポーツ復帰も果たしたとしています。術中所見から、脛骨遠位の後外側部に2か所の瘢痕が認められたとのことです。
現在、程度の違いはありますが同様な症例を担当しています。延長術を行わなわずに可動域を獲得できるように励みたいと思います。
投稿者:竹下真広
Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。
2016年3月31日木曜日
人気の投稿
-
文献紹介 大腿骨転子部骨折において後外側支持欠損が lag screw sliding に与える影響 (徳永真己・他 : 骨折 第35巻、98-102、2013) 大腿骨転子部骨折をshort femoral neck (SFN) で...
-
してない方。 した方。 どうですか!!この団野先生のどや顔。笑 あっ!ではなくて、この内旋可動域の違い!! これは、タイトルにもあるように、 外閉鎖筋 のみリラクセーションした方としていない方の違いです。 ちなみに、実際にリラクセー...
-
本日の文献紹介は、以前京都支部でも症例検討として相談させていただいた腓骨筋腱脱臼に対する手術方法についての書かれている文献です。 Du Vries : Surgery of the foot . Mosby . Jan 1986 腓骨筋腱脱臼を整復する方...
-
本日は Bertolotti症候群について紹介させて頂きます。 Bertolotti症候群は1917年にBertolottiが提唱した症候群であり,最尾側の腰椎横突起が肥大し仙骨との 間に関節を形成,あるいは骨癒合した症例に腰痛が生じる症候群とされています。 ...
-
今回は前・後上腕回旋動脈の起始、走行、分布に関する文献の紹介です。 魚水ら:前・後上腕回旋動脈の起始、走行、分布に関する解剖学的知見 肩関節 2013.37 巻第 3 号: 911-913 上腕骨頭や肩関節の血流には、腋...