本日紹介させていただく文献は、膝蓋下脂肪体(IFP)の組織弾性が膝前部痛に与える影響についてです。
本研究ではしゃがみ込み動作時の膝前部痛とIFPの組織弾性に関連があるか否かを検討されています。
対象
膝関節に疼痛の既往がない5膝(健側郡)
オスグットシュラッター病もしくは有痛性分裂膝蓋骨と診断された10膝
その中でもRf、VL、TFLに対する治療後、疼痛が完全に消失した群
しゃがみ込み動作時に膝前部痛が残存する群
に分類
測定
膝関節0°、120°、最大屈曲位
膝蓋骨尖、膝蓋靭帯、脛骨粗面を描出した上でIFPの組織弾性を計測
結果
疼痛残存郡において膝関節0°~120°に対して最大屈曲位で有意にIFPの組織弾性値が高くなったと報告されている。
以上の事よりIFPは膝関節運動に同調して変形する柔軟な組織です。他研究では膝関節伸展位で最も内圧は高く、屈曲110°程度からまた高くなるとも報告されている。
そしてこの研究の結果を踏まえると、膝関節最大屈曲位でIFPの組織弾性が高値を示していることから、IFPの内圧上昇には周囲組織の影響も関与していることがわかります。
IFPの周囲には膝蓋支帯や膝蓋靭帯が位置しているため、臨床においてこのような症例を経験した際には、痛みを出している組織だけでなく、周囲組織に対しても細かく評価することが重要であると思います
Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。
2018年8月13日月曜日
人気の投稿
-
本日は Bertolotti症候群について紹介させて頂きます。 Bertolotti症候群は1917年にBertolottiが提唱した症候群であり,最尾側の腰椎横突起が肥大し仙骨との 間に関節を形成,あるいは骨癒合した症例に腰痛が生じる症候群とされています。 ...
-
文献紹介 大腿骨転子部骨折において後外側支持欠損が lag screw sliding に与える影響 (徳永真己・他 : 骨折 第35巻、98-102、2013) 大腿骨転子部骨折をshort femoral neck (SFN) で...
-
本日はアキレス腱断裂術後リハビリテーションの考え方について報告している文献を紹介させていただきます。 園部俊晴 :アキレス腱断裂の術後リハビリテーション.Sportsmedicine 2015 No.172 アキレス腱断裂術後の...
-
James A. Tom,et al:Diagnosis and Treatment of Triceps Tendon Injuries:A Review of the Literature Clin J Sport Med.vol.24,number 3,May 201...
-
本日はアキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学について報告されている文献を報告します。 江玉ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討 第 13 回新潟医療福祉学会学術集会 この文献では御献体 32 体 50 側を用いられています。 ...