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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年8月29日水曜日

【文献紹介】足部横アーチの評価と荷重による変化について


本日は足部横アーチの評価と荷重による変化について書かれている文献を紹介させていただきます。





木井ら:足部横アーチの評価とその荷重による変化:CTによる3次元解析 北海道整形災害外科学会誌 Vol,53No1 2011

対象は男性の足部1212足で非荷重時、体重の1/3が片脚にかかるようにしCT撮影されています。
撮像した非荷重時、荷重時の舟状骨を重ね合わせ、①中足骨頭レベル、②中足骨基部レベル、③楔状骨―立方骨レベルでの断面図を作製し比較されています。

・横アーチ低下率(非荷重時と荷重時の横アーチ高の差を非荷重時の横アーチ高で除して100倍にしたもの)は①で12.7%、②7.9%、③6.6%となり遠位になるほど高くなる傾向であったと報告しています。
TAHI(transverse arch height index):横アーチの形状(アーチの扁平程度)を評価するものでは非荷重時は近位向かうに従い大きくなる傾向で荷重時も同様に近位に向かい大きくなったが、非荷重時と比較すると小さい値となったと報告しています。
・最下点変化量(横アーチを構成する各骨の最下点の荷重による垂直方向の変化量)は第1中足骨で10.8mm(Max)、中間楔状骨で1.5mm(min)となり、近位になるに従い大きくなる傾向、どのレベルにおいても第1趾列の変化量が大きかったとも報告されています。

この文献から荷重時の横アーチの形態、構成する骨のそれぞれの変化量が分かった。
しかし、特殊なCT撮像で臨床ではこの方法を用いて評価することは難しいと思います。
健常成人の荷重時のアライメント変化が分かったので、骨の移動量から軟部組織がどのように変化しているのか考えて理学療法に活かしていきたいと思います。


投稿者:天鷲 翔太


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