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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年8月31日金曜日

肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包の感覚神経支配について


今回は肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包の感覚神経支配を明らかにし、肩甲上腕関節と肩峰下滑液包両部を支配する二分軸索の有無について検討された論文を紹介させていただきます。




 対象はラット6匹の左肩です。支配神経を明らかにするために神経トレーサーを使用されています。神経トレーサーは末梢から逆行性に軸索輸送されて後根神経節の神経細胞を標識し、注入部の神経支配高位を明らかにします。神経トレーサーを注入後に両側のC1からT1レベルの後根神経節を切除し、切除して作成した各神経節切片の神経細胞数をImageJにて計測されています。

 結果、肩甲上腕関節を支配する神経細胞はC27に存在し、特にC4.5では神経細胞数が有意に多かったと示されていました。また肩峰下滑液包を支配する神経細胞はC3~7に存在することが示されていました。肩甲上腕関節及び肩峰下滑液包両部を支配する神経細胞はC3~7に存在して特にC5レベルで神経細胞数が多かったことが示されていました。

 研究結果から、肩甲上腕関節や肩峰下滑液包の神経支配レベルは幅広く、肩関節疾患において頸部、肩甲帯、前腕の放散痛の可能性があること。二分軸索の存在により肩甲上腕関節と肩峰下滑液包の痛みが混在して曖昧になやすいのではないかと筆者は考察されていました。

 臨床の場で痛みの原因を明らかにすることは容易ではありません。痛みの原因を特定するには様々な所見を統合し解釈する必要があると思います。病態の解釈ができなければ適切な治療も行えません。知識量を増やして問診、画像所見、理学所見など様々な所見を統合して病態解釈の能力を向上させていきたいと思います。

 
投稿者:佐々木拓馬

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