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2018年8月26日日曜日

【文献紹介】短回旋筋付着部の解剖学的研究

  本日は股関節短回旋筋群の付着部の解剖についての研究を紹介させていただきます。


           股関節手術に必要な短回旋筋群の解剖 MB Orthop.28(7):33-38 2015 

 
 
この研究ではmicro-CTを用いて大転子の骨形態から短回旋筋付着部を同定しています。
micro-CTによる画像から、大転子内側面の短回旋筋群の停止部には以下の3カ所の圧痕の存在が確認されています。





1.大転子頂点に存在し後内側から前外側に向かう浅い圧痕
2.大転子内面に存在し後内側から前外側に向かう深い圧痕
3.2の圧痕の後下方に存在する深い円形の圧痕 

これらの圧痕を解剖学的に検索した短回旋筋群の付着部と比較同定したところ3カ所の圧痕はそれぞれ、1が梨状筋腱の付着部、2が内閉鎖筋腱の付着部、3が外閉鎖筋の付着部であることが明らかにされています。
また、25体44股の調査によると大転子の形態は個体差に富んでいたが、これらの骨性圧痕は一定して存在し、それらの相対的な位置関係から内・外閉鎖筋、梨状筋の付着部位を推定することが可能であったとのことです。

解剖学の教科書では短回旋筋の停止は転子窩と記載されいます。詳細にみていくと、それぞれ筋の付着部が独立して存在しています。軟部組織を操作する理学療法士にとってより詳細な解剖学の知識と、正確に触診する技術が必要であり、少しのズレが評価や治療効果に大きく影響することを痛感します。

今後もより詳細な解剖学の知識をアップデートしながら臨床に臨みたいと思います。
 
 

投稿者:大渕篤樹

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