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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年7月24日火曜日

【文献紹介】橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績

 本日は橈骨遠位端骨折と合併して尺骨茎状突起骨折を生じた症例に対し、尺骨茎状突起骨折の放置例についての文献を紹介します。


久枝啓史、萩原博嗣・他:橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績・整形外科と災害外科.2000492):p481-484


 対象と方法は橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折を合併した1415肢とし、15肢を尺骨茎状突起の先端部骨折と基部骨折に分類し、疼痛の有無、骨癒合、尺屈回旋テスト、ulnar varianceについて調査しています。

 結果は、先端部骨折と比較して基部骨折は偽関節を生じやすく、疼痛も残存しやすい傾向にあると報告されています。また、疼痛を生じる例では、3mm以上のplus varianceを持つか尺屈回旋テストが陽性であったと報告しています。


 橈骨遠位端骨折の画像所見として尺骨茎状突起骨折の有無は画像所見として着目するかと思われますが、この文献を参考として骨折の有無だけでなく部位についても観察していこうと思いました。さらに、尺骨茎状突起の周囲にはTFCCや尺側手根伸筋腱などの軟部組織も存在しますので、注意して評価を行っていこうと感じました。

※第127回定例会のご案内
84日に第127回京都支部定例会を京都下鴨病院にて開催します。今回のテーマは「スポーツ障害シリーズ〜肩関節不安定症(バンカート損傷・脱臼)に対する評価のポイント」です。講師は京都下鴨病院の團野翼先生の予定です。当blogホームページの申し込みフォームから参加申し込みを行ってください。皆様のご参加をお待ちしております。

投稿者:高橋 蔵ノ助

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