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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年7月8日日曜日

【文献紹介】関節拘縮–最新のトピックス–

本日紹介させていただく文献は拘縮の発症メカニズムを分子機構から明らかにしている文献です。


沖田実 他:関節拘縮–最新のトピックス−.Locomotive Pain Frontier3(2):52–54,2014


関節拘縮は皮膚や骨格筋、関節包、靭帯などの関節周囲軟部組織が器質的に変化し、その柔軟性・伸張性が低下したことで起こる可動域制限と定義されています。
不動期間を延長するとそれに準拠して拘縮が進行することも明らかになっています。
関節拘縮の責任病巣として関節周囲軟部組織の中でも骨格筋と関節包は関節運動の生理学的制限として寄与が高いとされています。
靭帯に関しては不動に曝すことで力学的に脆弱になることが多く、責任病巣としての関与について否定的との報告もあります。
筆者は足関節を不動化したラット実験モデルを用いて、骨格筋、関節包、皮膚において共通してコラーゲンの増生に伴う線維化の発生を認めたと報告しています。
この病態が拘縮の発症メカニズムに深く関与することを明らかにしました。
骨格筋の線維化の発生を以下のように述べています。
1〜2週の不動→マクロファージとサトカインが増加→線維化促進→線維芽細胞から筋線維芽細胞へ分化→コラーゲン増生
さらに不動期間が長期化すると線維化に加え、低酸素状態が惹起され、線維化をさらに促進すると述べています。


組織の低酸素状態は線維化することがわかりました。
筋攣縮が存在すると組織は阻血状態になります。
そのため、癒着や短縮による可動域制限に加えて筋攣縮が存在する場合、さらに低酸素状態になりやすくなるのではないかと思いました。
治療していく順番も大切になるのではないかと感じました。



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