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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年7月23日月曜日

【文献紹介】肩関節拘縮患者の肩甲帯キネマティクス〜リハアプローチを考えるために〜

本日紹介させていただく文献は健常人と拘縮肩症例の肩甲帯の動きをX線を用いて検討した文献です。
森原徹 他:肩関節拘縮患者の肩甲帯のキネマティクス〜リハアプローチを考えるために〜.肩関節37(3):1213−1216,2013

目的は肩関節拘縮患者の肩甲帯の動態と肩甲帯周囲筋の筋活動パターンの検討することです。
対象は3ヶ月以上屈曲と外転が120°以下に制限されている一次性肩関節拘縮4例でMRIにて腱板断裂は認めない症例です。
コントロール群として肩関節の疼痛の無い健常人7名を測定しました。
方法は屈曲・外転0,30,60,90,120°でX-p撮影し、肩甲棘内側縁、下角、肩鎖関節を同定し座標移動分析を行い、肩甲骨動態について評価しました。
表面筋電図を用いて僧帽筋、前鋸筋下部線維の筋活動を測定しています。
結果は拘縮肩では肩甲上腕関節の運動は制限され、肩甲骨は肩鎖関節を支点として上方回旋していました。
また胸鎖関節を支点として鎖骨が過剰に挙上することで肩甲骨を挙上していました。
健常人の肩関節外転では鎖骨の後方回旋と挙上運動と肩鎖関節を支点とした肩甲骨上方回旋が協調して行われていました。
肩関節拘縮では肩鎖関節は固定され、胸鎖関節を支点とした肩甲骨の上方回旋が生じたと筆者は考察しています。

今回検討された4症例も全症例同じパターンではありませんでした。
臨床でも拘縮肩症例の肩甲帯を評価する際には肩甲帯周囲筋に問題があるのか、胸鎖関節や肩鎖関節は左右差なく可動性があるのか詳細に評価する必要があると感じました。



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