COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年6月23日木曜日

【文献紹介】棘下筋の形態とその支配神経の解剖学的特徴について

本日は、棘下筋の形態と支配神経の解剖学的な特徴について報告された論文を紹介します。

 加藤ら:棘下筋の形態とその支配神経の解剖学的解析.肩関節33(2):257−259,2009

 肩関節に疾患を持つ症例は、棘下筋に筋攣縮や筋萎縮など症状を有することをよく経験します。棘下筋は棘下窩から大結節のmiddle facetに付着し肩甲上神経によって支配されます。筋の形態としては、頭側に位置する横走線維と尾側から上外側へ向かって走行する斜走線維があることを知られています。また、近年、付着の一部が大結節の前方へ伸びていると報告されました。
 さらに、棘下筋について解剖の知識を深めるために本論文を読みました。本論文は棘下筋の横走線維の支配神経と筋萎縮の関係に注目されています。
 一般的には肩甲切痕を通過した肩甲上神経は棘上筋を支配し、肩甲頸を通過し棘下筋と支配するとされます。しかし、結果から横走線維は肩甲頸を通過する前に枝が分かれており、幾つかのパターンが存在したと報告されています。このことから、棘下筋の萎縮がある場合、横走線維か斜走線維か両方かによって考察が大きく変わることを意味していると考えられます。

 今後、この棘下筋を支配する肩甲上神経の解剖学的な特徴を把握した上で筋萎縮などの病態の考察を進めていけたらと考えています。

投稿者:中井亮佑

人気の投稿