COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年6月2日木曜日

【文献紹介】上肢挙上時の臼蓋上腕関節での接触域の推移

 本日はOpen MRIを用いて、上肢挙上時の臼蓋上腕関節での近接接触域の推移を検討した論文を紹介させていただきます。

 



建道、橋本 他:上肢挙上時の臼蓋上腕関節での接触域の推移
Open MRIを用いた健常人での解析 肩関節 2004. 28(3)p427-431

対象は平均24.9歳の健常者10肩(男性4例、女性6例)。仰臥位にて肩関節挙上運動を行わせ、上肢挙上30°~150°までが測定区間です。近位接触域の測定は臼蓋と上腕骨頭の軟骨面間距離の分布を捉え、3次元構築データをもとに画像解析ソフトで求められています。

 結果、挙上60°、90°で骨頭は臼蓋の上方に分布、120°以降では臼蓋中央部に分布し下方への推移を認めたと示されていました。この結果に対して、筆者は挙上90°までは接触域は上方に分布、ゼロポジション方向では骨頭と臼蓋が最大の安定性が得られるように近接接触域が臼蓋中央部に推移し求心性を得ているのではないかと考察されています。

 肩甲上腕関節内では臼蓋と上腕骨頭がそれぞれの角度で位置を変えながら関節包内運動を行っているということを学びました。上肢挙上の際の臼蓋と骨頭の位置変化に着目して肩関節の評価・治療を今回の結果を参考に行っていきたいと思います。

 
投稿者:佐々木拓馬

人気の投稿