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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年12月7日金曜日

【文献紹介】保存療法を行った腱板断裂の疼痛関連因子について

本日は保存療法を行った腱板断裂の疼痛関連因子をMRIにより検討された論文を紹介します。



腱板断裂において保存療法で痛みが消失した症例と持続した症例のMRI所見を比較されています。対象はMRIで診断した棘上筋腱を含む症候性腱板断裂に対して注射や投薬による保存療法を行い、1年以上経過した時点でMRIを再検した96108肩です。

MRI再検時の疼痛の有無を目的変数とし初回MRIの滑液腔の水腫、断裂の引き込み、肩甲下筋腱断裂、棘下筋腱断裂の有無、肩甲下筋、棘下筋、棘上筋の各Goutallier分類の7因子を説明変数として単変量ロジスティック回帰分析を行い、有意差を認めた因子を次の多変量ロジスティック回帰分析の説明変数とすることで初回MRIにおける疼痛持続の予測因子を調査されています。また最終MRIも同様の手順で疼痛残存に影響する因子を調査されています。

結果ではMRI再検時、疼痛は67肩で持続し41肩で消失しており、初回MRIにおける疼痛持続因子は肩甲下筋腱断裂のみに、また最終MRIにおける疼痛残存因子は滑液腔の水腫と肩甲下筋腱断裂で有意差が認められたと報告されていました。
考察では疼痛残存因子であった肩甲下筋腱はtransversal force coupleや上腕二頭筋長頭腱の安定性に寄与するため重要であると述べられていました。

臨床上、画像所見から得られる損傷組織が痛みの出現部位とは限らないので、理学所見から疼痛の出現部位を特定するとともにその部位にどんなメカニカルストレスが加わっているのかを理解することが大切だと思いました。

投稿者:佐々木拓馬

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