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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年5月14日木曜日

上腕二頭筋長頭腱断裂が広範囲腱板断裂肩に及ぼす影響について



市川耕一ら:上腕二頭筋長頭腱断裂が広範囲腱板断裂肩に及ぼす影響.関節外科.Vol31No764-692012

上腕二頭筋長頭腱(LHB)の損傷や腫脹は腱板損傷と併発し、臨床においても肩関節周囲炎の方でよく見られます。本日は、LHB断裂と腱板断裂の関係や影響について調べましたので報告します。

LHBは、関節上結節と上方関節唇から起始し、結節間溝を通り関節外へと走行します。LHBは烏口上腕靭帯、上関節上腕靭帯および肩甲下筋腱の一部により構成されるBiceps Reflection Pulleyにより結節間溝に安定するように支持されています。また、解剖学的特徴から骨頭の求心性に大きく関与しているという報告もあります。
 本論文では、肩関節の腱板広範囲断裂とLHBの関連性について手術の観点から報告されています。関節鏡視下腱板縫合術(ARCR)は、腱板断裂に対して一般的な手術手技となっており、広範囲断裂の場合予後は良好でないとされています。ARCRを行った広範囲断裂の症例の修復の程度や関節機能をLHBの損傷の有無に分けて関連性を統計し報告しています。

 LHBの残存は、広範囲断裂に対する手術での腱板の完全修復や機能回復など様々な観点と関連があり、手術時期の決定する際の一助となるという報告でした。理学療法士としては、広範囲断裂の手術を受けた方の場合、LHBの有無によって理学療法プログラムを再考する必要があると推察しました。

投稿者:中井亮佑

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