今回は橈骨遠位端骨折に対する保存治療と手術治療の比較について文献紹介させていただきます。
橈骨遠位端骨折に対する治療はロッキングプレートによる固定が中心であり、良好な成績が多く報告されています。ロッキングプレートを用いることにより骨折部位を解剖学的な整復する位置での固定が可能となります。しかし、保存療法にて整復を行わくても機能評価の結果は良く患者の満足度も高かったです。今回の文献では、手術によるロッキングプレート固定法、保存療法によるものの比較検討がされています。
方法
掌側ロッキングプレートによる固定を行った手術群
前腕ギプス固定にて治療を行った保存治療群
で比較されています。
評価
・画像評価
X線画像での volar tilt radial inclination ulna plus varianceを
①受傷時と②整復時もしくは手術時と③最終評価時
にて比較。
・機能評価
⑴手関節可動域
⑵Quick DASH-JSSH
を最終評価時に測定し検討
保存治療・手術治療のどちらにおいても、患者様に合わせた手段を選択し、またそれに伴いただただ可動域を出すのではなく患者様の生活背景を検討し、それに対し一番良い治療を行っていく事が大切になってくることを改めて再確認する事ができました。
青山広道ら:橈骨遠位端骨折に対する保存治療と手術治療の比較検討
骨折 第33巻 No.1 2011