本日は膝窩筋の機能解剖について書かれている文献を紹介させていただきます。
渡辺ら:膝関節後外側支持機構の機能解剖 整形外科バイオメカニクス Vol.13,1991
対象は屍膝115膝で、膝関節屈伸時の膝窩筋各部の伸縮を測定する目的で新鮮膝5膝を用いられています。
膝窩筋の筋腱付着部前端、後端、腱中央部前端、後端、筋腹遠位端の最下部、最上部にマーカーを装着されています。
膝関節屈曲に伴い膝窩筋腱前方線維は緊張し、脛骨に外旋ストレスを加えると強調され、内旋ストレス下で減弱したと報告されています。
膝窩筋腱後方線維は膝関節屈曲に伴い弛緩し、内外旋ストレスを加えてもほぼ不変であったことも報告しています。
筋腹に関しては膝関節の屈曲角度に関わらず、ほぼ一定の長さであったことを報告されています。
この文献から膝関節屈曲時の膝窩筋の伸張・弛緩の動態が分かりました。
また、今回は紹介していませんが膝窩筋の付着部の違いについて、屍体を用いて観察されていました。
組織の形態や運動時の動態を学び、日々の臨床に活かしていきたいと思いました。
投稿者:天鷲 翔太