中村ら:超音波診断装置を用いた膝屈曲自動運動時の外側広筋の動態観察 愛知県理学療法学会誌 第27巻 第1号 2015
この文献では成人男性10名20肢を対象に超音波診断装置を用いて外側広筋(VL)の動態観察をされています。
測定はBモードで、測定部位は大腿骨外側上顆から大転子までの距離の遠位30%の位置でVLと大腿二頭筋、大腿骨が同一画面上に表示される部位にプローブを当てて短軸像を撮影されています。
被験者は伸展位から90度屈曲位までの膝関節屈曲自動運動を行っています。
伸展時の画像から屈曲までの間にどのようにVLが変化しているのかを見るために伸展時の画像からVLが動いた距離を測定され、膝関節屈曲角度との関係を観察されました。
膝関節屈曲に伴い、VLは平均10.9mm後内側に偏位していることが観察されたことを報告しています。
この文献からは膝関節伸展位から屈曲90度までのVLの動態が分かりました。
このことから膝関節屈曲動作を行う際にVLが後内側に動けるだけのゆとりが必要となることが考えられます。
また、今回はVLの一部を観察されていますが他の組織との筋間や他の部位での動態も勉強して臨床に活かしていきたいと思いました。