今回は「下肢スポーツ障害-押さえておきたい病態・評価・治療とリハビリテーション」の中からThomas testの変法について紹介させていただきます。
Thomas testは背臥位にて一側の股関節を屈曲し,反体側の大腿の浮き上がりをみる検査です。その際に大腿の浮き上がりの程度のみでなく、下腿アライメントの評価をおこなうことで制限因子となる組織を推察することができます。
a:Thomas testを用いた下肢の筋長さテスト
b:下腿は内反・内旋方向に引っ張られ、縫工筋の長さが不十分
c:下腿は外反・外旋し、腸脛靭帯の長さが不十分
股関節屈曲拘縮の評価にはThomas testのみでなくOber testやEly testなど、その他様々な所見を組み合わせることで制限因子となる組織を推察することが重要と考えます。
今回はThomas test変法について紹介させていただきましたが、他の検査においても検査の持つ意味を1つ1つ考えることで様々な解釈や応用ができると感じました。
投稿者:大渕篤樹