本日は腰椎後方手術後の上殿皮神経障害の発症率について報告されている文献を紹介します。
対象は1年間に腰椎後方手術を受けた185例で、術前から前向きに調査されています。
結果は、術前から症状を持つ患者を25例(13.5%)。術後新たに症状を発症した患者を46例(28.8%)認めています。固定術を行った患者で有意に発症率が高く、上殿皮神経ブロック注射2回までで半数以上の患者の症状が緩和されていると報告されています。
臨床では腰部脊柱管狭窄症やすべり症に対してPLIFやTLIFを施行された患者さんが、「創部が痛い」と訴えられることは多いです。しかし疼痛を訴える部位が創部と一致していないことも多々あります。このような症例に対して評価をしていくと、上殿皮膚神経由来の疼痛を疑う所見が確認できることも実際に経験します。
腰椎後方手術後の腰痛は手術侵襲による創部痛だけでなく、術後上殿皮神経障害を合併した可能性があることも念頭に置いて理学療法を進めていくことも重要であると考えます。