COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年7月10日火曜日

【文献紹介】膝関節屈曲時の膝周囲の皮膚の伸張性について


本日は膝関節屈曲時の膝周囲の皮膚の伸張性について検討された文献を紹介させていただきたいと思います。

人工膝関節全置換術(以下TKA)後の患者では膝関節屈曲可動域制限がよくみられますが制限因子の一つとして皮膚の伸張性の低下が挙げられると報告されています。この文献では、膝関節の屈曲角度の違いにおける皮膚の伸張性に関する研究がされてました。

 健常者を対象とし
膝前面の皮膚を
①大腿部
②膝蓋上嚢部
③膝蓋骨部
④膝蓋靭帯部
4つの部位に分け、
膝関節屈曲
①0〜30°
30〜60°
60〜90°
90〜120°
⑤120〜150°
150-最大屈曲まで
の各屈曲角度間での膝周囲の皮膚の伸張性について検討されていました。

 結果
①膝関節屈曲0〜30°間にて膝蓋上嚢部・膝蓋骨部の皮膚の伸張率が高く、屈曲角度の増加に伴って膝蓋骨部の伸張率は膝蓋上嚢部と膝蓋靭帯部の皮膚の伸張率よりも低くなったと報告されていました
 また、各角度間における皮膚の伸張率では①〜④全ての部位において①膝関節屈曲0〜30°間が最も高い数値となり、②→③→④と膝関節屈曲角度が増加するにつれ、伸張率が低くなる傾向にあると報告しています。その中でも膝蓋上嚢部、膝蓋靭帯部は屈曲角度の増加により、膝蓋骨部、大腿部に比べ伸張率は大きくなるとも報告されています。これらの報告からTKAなど膝関節疾患による術後術創部の皮膚の伸張性が低下することは容易に考えられます。屈曲角度によって皮膚の伸張や、部位別での伸張率が高いのかなどを考え皮膚の伸張性・滑走性を評価していく必要があるのではないかと思います。
 また、健常者の皮膚ではどの程度伸張、滑走するのかを把握することも大切だと感じました。


人気の投稿