本日は中殿筋線維束の肉眼解剖について報告されている文献を報告します。
土田ら:中殿筋線維束についての肉眼解剖学的考察 日本基礎理学療法学雑誌 第17巻1号
本文献は屍体7体14側の観察をされています。
中殿筋前部線維と後部線維の線維束は腸骨稜長(ASISとPSISの距離)の66%の位置と大転子を結んだ線を境にして分けることが可能であったと報告しています。
また、後部線維の停止部が腱組織に移行しており、内部腱として存在している。その腱組織を境に前部組織と後部線維に分けることが出来るとも報告しています。
また、左右の中殿筋前部線維と後部線維の重量も観察されています。
左右共に中殿筋後部線維が全重量の44%を占める結果となっています。
中殿筋は前方を大腿筋膜張筋、後方は大殿筋など表層ではありますが多くの筋組織が存在しており、触診の際にも注意しています。解剖学を勉強し技術の向上に繋がるようにしていきたいと改めて感じました。
投稿者:天鷲 翔太