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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年8月16日日曜日

小胸筋の停止についての解剖学的研究


今回は小胸筋の停止についての解剖学的研究についての文献を紹介します。


吉村英哉ら:小胸筋の停止についての解剖学的研究
肩関節2007 ;31巻 第2

小胸筋は第25肋骨の前面に起始し、肩甲骨の烏口突起に停止します。作用として烏口突起を前方に引いて肩甲骨の前傾運動を起こしたり、肩甲挙筋や菱形筋らとともに肩甲骨の下方回旋に働きます。また、肩甲骨が固定された状態では胸郭を持ち上げて吸気を補助する作用もあります。
今回の文献では解剖実習体を用いて小胸筋の延長腱の頻度、形態を調査されています。
また、文献の中で延長腱の停止の広がりを大結節に向かうもの、関節窩後上縁に向かうもの、大結節と関節窩後上縁の2方向に広がるものの3つの型に分類しています。その中で小胸筋の停止腱が烏口突起を越えて関節包に達して、関節窩後上縁ならびに大結節に停止する例が34.6%あったと報告しています。
小胸筋の延長腱についての報告は散見され、棘上筋腱停止部や前方の関節包に付着して肩甲上腕関節の外旋の制限にも関与する可能性があると述べられているものなどもあります。
解剖の知識をもっと増やして、患者さんの動作が何によって制限されているかを正確に評価していけるよう努力を続けていきたいと思います。


投稿者:吉田雄大

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