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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年11月18日日曜日

【文献紹介】非特異的腰痛について

本日は非特異的腰痛について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。


 最近では腰痛に関する論文をみていると、非特異的腰痛が85%という数字が一人歩きして腰痛のほとんどが原因不明ということが臨床や世間一般にも拡がっている印象をもちます。

この論文では、2015年4~5月に山口県内の整形外科を受診した腰痛患者320人(男性160人、女性163人、平均年齢55.7歳)を対象として、神経症状も画像上の異常もない腰痛患者に対し、詳細な診察に基づき想定される病態に対する局所麻酔剤を用いたブロックを行うことにより、従来であれば非特異的腰痛と診断された患者の実に78%は「椎間関節性腰痛」「筋・筋膜性腰痛」「椎間板性腰痛」「仙腸関節障害」などのいずれかに分類可能であったと報告されています。


そもそも非特異的腰痛とは米国の内科医であるDeyoが提唱したものであり、整形外科医が症例ごとに神経所見を含めた身体所見を把握し、適応を考慮しつつ保存療法・手術的治療を考え使い分けている実情とは異なるという意見もあります。

 筋などの損傷や炎症はX線の検査では見つけにくく、画像所見だけでは見逃しやすいため、これらの腰痛が非特異的腰痛として扱われていた可能性が高いとも述べられています。

 つまり、今まで非特異的腰痛といわれた腰痛患者に対して丁寧に理学所見をとるとことで診断がつくケースがあるということです。
病態が明確になれば、それに応じた適切な治療方針が立てられ、有効な治療を行うことが出来ると考えます。

実際に画像上明らかな異常所見を認めない腰痛症例を多く経験していますが、理学所見を抽出することで、ある程度病態分類することは可能であると感じています。
画像所見上明らかな病変は示さなくても、その画像の中に糸口になるような情報がたくさんあるようにも思えます。

今後も安易に非特異的腰痛と諦めることなく、腰痛の原因追求する努力を続けなければならないと思いました。


投稿者:大渕篤樹

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