COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年11月12日月曜日

【文献紹介】正常人の肩関節運動時の肩甲骨の傾き

本日紹介させていただく文献は正常人の挙上時の肩甲骨上方回旋について検討された文献です


白浜克彦他:正常人の肩関節運動時の肩甲骨の傾き.肩関節20(1),1996: 97-102

肩関節運動時の連続的な動きを測定し、肩甲骨の上方回旋角を検索することを目的としています。
対象は28〜66歳までの正常男性10例10肩です


肩甲骨の3点間の距離を算出し、検討されています。
上肢挙上角度は便宜上20°から130°まで10°ごとに肩甲骨の上方回旋の推定値を求め変化を調べています。
年齢を50歳以下と51歳以上に分けて変化を検討しています。
結果は以下の通りでした。
上方回旋角は上肢挙上20°〜130°までに平均34.9±6.9°増加しました。
肩甲上腕関節と肩甲骨の平均2.2:1.1の割合で動いていました。
しかしこれは一定の値を示していませんでした。
上肢下降時は130°〜20°までに肩甲骨の上方回旋角は43.7±9.6°減少しました。
肩甲上腕関節と肩甲骨は平均1.5:1の割合で動いていました。
これも一定の傾向を示しませんでした。
年齢べつに検索すると50歳以下では上方回旋角は20°〜130°までに平均32.0±8.1増加しました。
51歳以上では上方回旋角は平均37.8±4.8°とより多く増加していました。
上肢下降時では130°〜20°までに50歳以下では43.4±11.3°、51歳以上では44.0±8.9°減少しました。
筆者は正常肩であっても高齢になると退行性変化により肩甲上腕リズムは変わると考えられると述べています。

上肢挙上角度は同じ範囲内で運動しているにも関わらず、挙上時と下降時の肩甲上腕リズムが異なるという結果はとても興味深い結果であると感じました。
個体差はあるもののなぜそのような結果になるのかまた調べてみたいと思います。






人気の投稿