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2018年11月28日水曜日

【文献紹介】大内転筋の形態的特徴と支配神経について

本日は大内転筋の形態的特徴と支配神経について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。






滝澤ら:大内転筋はなぜ大きいか?-筋の形態的特徴と支配神経からみた大内転筋の分類と機能- 日本臨床スポーツ医学会誌,Vol.19 No.32011 


この文献では献体77肢を用いて肉眼解剖され、大内転筋を4つの筋束に分けて観察されています。
AM1は第1貫通動脈より上方にある筋束。
AM2は第1貫通動脈と第2貫通動脈間にある筋束。
AM3AM2の下方で内転筋裂孔より上方外側に存在する筋束。
AM4は内転筋裂孔より下方内側に存在する筋束とされています。

大内転筋は周囲に軟部組織が多くあることからAM4のみ表在から確認することができます。
AM1AM2の間には筋周膜が発達しているため分離は容易で、AM2AM4の近位は共通腱膜から分岐しているため分離は困難であることが報告されています。
AM1AM2が閉鎖神経後枝、AM3は閉鎖神経後枝と脛骨神経の二重神経支配、AM46例が脛骨神経、1例は閉鎖神経後枝と脛骨神経の二重神経支配であったことも報告されています。


この文献から大内転筋各線維の筋の形態、走行、支配神経について理解することが出来ました。
大内転筋は観察された通り表在からは他の軟部組織が被り、確認しにくい組織です。
しっかり筋の走行、形態を確認して触診、評価する必要があると改めて思いました。
また、支配神経も一部二重神経支配となるので評価の際は参考にしたいと思います。
本文では触れませんでしたが筋の体積や筋長についても述べられています。
他の文献も読み、理解を深めていきたいと思います。



投稿者:天鷲翔太

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