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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2019年1月21日月曜日

【文献紹介】尺骨遠位端骨折にも内固定を行う事の有用性について



本日は、橈尺骨遠位端骨折症例に対して、橈骨のみでなく尺骨遠位端骨折に対しても内固定を行うことの有用性について報告された文献を紹介させていただきます。

橈尺骨遠位端骨折では、橈骨を内固定することによって尺骨遠位端骨折部は安定することが多いことや、弱くて小さな尺骨遠位端の内固定が難しい等の理由から尺骨は保存療法が選択されることも多い事が報告されています。尺骨遠位端骨折に対して保存治療が選択された場合、もしくはpinningのみによる固定が行われ、尺骨遠位端骨折が不安定なまま早期ROM訓練を行うと骨折部に変形や再転位を生じることがあると言われています。

この報告では、プレート固定を実施した症例ではそのような二次的障害はなく、良好な経過を得たとの報告が述べられていました。
尺骨遠位端骨折に対し、プレートによる強固な固定がなされた症例はまだ経験はしていませんが、尺骨に対し、pinningにより固定された橈尺骨遠位端骨折はいくつか確認した事があり、今回勉強してみました。

ROMの獲得はもちろんですが、pinning固定で生じる可能性のある尺骨の委縮や変形、それに伴う遠位橈尺関節の変形の可能性にも注意しながら今後の理学療法に役立てていきたいと思います。


橈尺骨遠位端骨折の治療経験-尺骨遠位端骨折に内固定を行う立場から-

骨折 第32No.3 2010 p468-471


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