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2017年12月4日月曜日

【文献紹介】関節軟骨欠損に対するモザイクプラスティ後の関節鏡所見


本日は、骨軟骨柱移植法(モザイクプラスティ)について書かれた論文です。
工藤智志ら:関節軟骨欠損に対するモザイクプラスティ後の関節鏡所見.整形外科と災害外科51:(4745748.2002

関節軟骨欠損に対する治療は、再生医療の進歩によりモザイクプラスティや培養軟骨細胞移植術(JACC)などが行われる施設が増えてきています。

今回は、モザイクプラスティについて着目してみました。
本文献では、膝関節軟骨欠損(軟骨欠損は平均176.4mm2)に対しモザイクプラスティを行った5膝を対象とし、術後6ヶ月の関節鏡所見の移植部における関節面の適合性、関節面の連続性、移植変表面ならびに移植片間隙の再生組織の硬度などを観察し検討されています。

結果は、移植片の脱落を認めたものはなく、移植片間隙も5膝中4膝では関節面の高さまで再生組織が充填されていたが、膝蓋骨例ではやや不十分であった。関節面の適合性については5膝中2膝で移植部表面の一部が平坦化していた。関節面の連続性については、3膝で一部連続性の途絶が認められた。関節面の硬度では、表面は全例正常軟骨と同等の硬度を有し、移植片間隙の再生組織では、正常軟骨に比べ軟化が認められたと報告しています。

モザイクプラスティ後の修復過程については、Hangodyらの犬を用いた研究にて術後4週で軟骨下骨部の癒着が生じ、6週で関節軟骨間の裂隙深層から線維軟骨が形成し次第に表層へと進行するとの報告があります。しかし、周囲の関節軟骨と再生した線維軟骨との結合については問題点とされているため、今後さらに論文を読み、治療方針の参考にしていきたいと思います。

投稿者:鷲見 有香

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