COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年6月30日木曜日

第108回定例会「THAに対する運動療法の考え方」ご案内


第108回定例会ご案内
  
開催日:平成28年7月23日 土曜日
時間:受付18時〜 開始18時30分
会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室
レクチャー:「THAの運動療法の考え方」  永井教生先生(京都下鴨病院)

症例検討:募集中


参加費:会員無料、会員外500円
    事前参加登録不要

LINE@にご登録いただくと、10回の定例会参加で来年のベーシックセミナーが割引となるポイントカードサービスが受けられます。

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※ 検討症例を募集しています。


  • 症例の個人情報の取り扱いには十分注意してください。必ず症例本人もくは家族に承諾を得てください。
  • 可能であれば単純X線、CT、MRIなどの画像や動作の動画などを準備してください。
  • Power Pointで作成したスライドおよびレジュメ30枚程度を準備してください。
  • 15分程度のプレゼンテーションを行って頂きます。

[検討症例応募] ⬅️症例検討応募はここをクリック

2016年6月29日水曜日

【文献紹介】棘上筋筋内腱の走行の加齢変化について

  本日は、3T-MRI画像から作成した3D骨・筋内腱モデルを用いて、健常成人における棘上筋筋内腱の走行の加齢変化について検討された論文を紹介させていただきます。

戸田、菅野 他:健常成人における関節窩面に対する棘上筋筋内腱の走行に加齢変化が
及ぼす影響 臨床バイオメカニクス 2015. 36p1-6

・対象は2040歳代の健常男性1530肩。

・測定項目は以下の4つです。
①肩甲骨水平面における棘上筋筋内腱の走行と関節窩面の成す角(SFA-AP
②肩甲骨の形態学的特徴である肩甲骨関節窩傾斜角
③肩甲上腕関節アライメントを表現する肩甲上腕関節内外旋角
④肩甲骨面に対する骨頭の前後変位量

・結果、40歳代以降の対象者において、棘上筋筋内腱の走行は関節窩面に対する後方への傾きが減少することが示されていました。この結果に対して筆者らは棘上筋の骨頭に対する後方剪断力成分が減少し、骨頭前方変位に対する動的安定化機構の一要素が加齢に伴い力学的に不利な構造になる可能性があると述べられていました。

対象者は若く年齢の幅が限られていること、また安静時での画像から得られた結果なので、動的な骨頭の前後剪断力の評価が正確に行われているかという点には考慮する必要があると思いますが、臨床の中で骨頭が前方変位している症例を多く経験しますので、今回の結果を病態把握の参考に、日々の臨床に励みたいと思います。

投稿者:佐々木拓馬

2016年6月28日火曜日

【文献紹介】手指屈曲運動における正中神経の横断的運動

本日紹介させて頂く文献は、手指を第15指まで個別的に屈曲し、正中神経が横断的に移動する距離を超音波にて観察しています。


三浦 雅文:個別的手指屈曲運動における正中神経の横断的運動について.理学療法学30(2):247-250,2015

健常成人の714肢を対象とし、正中神経の撮像には超音波を用いております。測定肢位は背臥位で解剖学的肢位として、プローブを手根管部に横断的に当て、正中神経、大菱形骨、豆状骨が確認できる位置に調整しています。測定肢位にて、手指を個別的に自動および他動で屈曲し、横断的な移動距離を測定しています
 結果ですが、自動屈曲では第3指において1.35mmの移動距離を示し、第1~5指の中で最大の値を示したと報告しています。他動屈曲でも同様に第3指が最大で、0.62mmの移動が確認されています。

正中神経は浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、橈側手根屈筋と共に手根管内を通過します。特に浅指屈筋、長母指屈筋は正中神経に近い位置を走行しています。そのため、正中神経の横断方向への滑走を促すには、浅指屈筋、長母指屈筋の収縮を利用することができることが考えられます。一方、正中神経の圧迫を生じる場合は、収縮に配慮が必要であると感じました。


投稿者:関本健太

2016年6月27日月曜日

【文献紹介】変形性膝関節症における鵞足部痛について

 今回は変形性膝関節症における鵞足部痛について検討された文献を紹介させていただきたいと思います。





松岡ら:変形性膝関節症における滑膜の造影MRI所見 中部整災誌 2003461109-1110

 変形性膝関節症の主な病態は軟骨変性であるが、実際の臨床では内外側関節列隙の圧痛以外に鵞足部や膝関節後面などがあり、関節軟骨の変性だけでは説明がつかない疼痛を訴える症例が多いことが冒頭で記載されています。
 私が担当させていただいている症例でも同じような所見があり、気になる点であったため紹介させていただきたいと思いました。
 
 筆者らは変形性膝関節症において関節痛を呈する部位の多くは滑膜炎との関係が深いと考え、造影MRIを用いて炎症性滑膜と疼痛部位について検討されました。


 変形性膝関節症患者1313膝の臨床所見における疼痛部位(鵞足部での圧痛)MRIによる炎症性滑膜の存在部位とを比較されたそうです。


 結果としては鵞足部における炎症性滑膜の造影効果を認めるもの6例、わずかに認めるもの3例、認めないもの4例であったと報告しています。
 また、鵞足部痛を認めるもの8例と認めないもの4例で、造影効果と圧痛を認めるものは6例であり、造影効果、圧痛共に認めないものは4例であったとも報告しています。


 私自身、変形性関節症の疼痛原因について悩むことが多々あります。この文献でも述べられていますが、炎症性滑膜はあくまで疼痛原因の1つであると考えられます。
 今後さらに知識を深め、症例の疼痛原因を考察し、理学療法に繋げていく必要があると感じました。




投稿者:天鷲翔太

2016年6月26日日曜日

第108回近江理学療法定例会が開催されました

第108回 近江理学療法定例会が開催されました!

非会員の先生も含め17名とたくさんの先生に参加していただきました!

今回は、団野翼先生(京都下鴨病院)による股関節前面筋の触診についてのレクチャーと実技指導でした!



パワーポイントを使って、触診の仕方だけでなく実際の評価や治療への繋げ方を詳しくレクチャーしていただき、とても勉強になりました!!
今回の触診の中でも大腿直筋の反回頭は、股関節疾患の方では治療ターゲットとなることがありますが、この部位は深層にあるため難易度が高く、参加者の皆さん苦労されていました…(゚´ω`゚)
しかし、練習を重ねていけば触れるようになります!


1つ1つを細かく触診していくと、今までいかに触れていなかったかということや、触診していくことで見えてくる解剖学の深さを知ることができます。
このことは、実際の臨床に活かされ、結果として患者様を治すということに繋がっていくと思います。
当定例会の、丁寧な触診というコンセプトに基づきこれからも努力を続けていこうと思います。
せひ、興味のある先生方はご参加下さい。

次回の定例会は、7月23日(土) 18:00 受付 18:30 開始です







【文献紹介】五十肩の痛みのメカニズムについて

本日紹介させていただく文献は五十肩のメカニズムについて検討した文献です。


土井順二他:五十肩の痛みのメカニズムについて.肩関節19(1):108-111,1995


今回紹介させていただく文献ネコの肩関節に五十肩モデルを作成し、五十肩の痛みのメカニズムについて検討しています。

成熟ネコ6匹6肩を用いて行われました。関節包の前方より関節内にブラジキニンを注入し、棘上筋、肩甲下筋、棘下筋、三角筋、僧帽筋の反射活動を筋電図を用いて検討しています。反対の肩には生理食塩水を注入してありました。
結果は全例において棘下筋、棘上筋、肩甲下筋においてブラジキニン注入後の1~6秒後に大きな筋収縮(短潜時反応)が認められ、続いて注入から16~27秒後に反復放電(長潜時反応)が出現しました。三角筋、僧帽筋に関しては注入後1~4秒後に短潜時反応のみ出現しました。また生理食塩水を注入した反対の肩では注入後3~4秒後に短潜時反応のみ出現し、その後長潜時反応は見られませんでした。
今回の検討でみられた肩関節周囲筋の収縮は、ブラジキニンによる炎症刺激に反応した反射性収縮ではなかと筆者は述べています。炎症が生じると関節包の侵害受容器が発痛物質に反応
し侵害受容線維を介して脊髄にインパルスを送る.脊髄反射により運動神経を興奮させ棘上筋,肩甲下筋が持続性の筋収縮を生じたと筆者は考えています。

加齢に伴う退行性変性、外傷等の何らかの原因により肩関節包に炎症
棘上筋,肩甲下筋の筋収縮
炎症が長期化
筋収縮は持続的となり筋肉が虚血状態になる
筋線維内に発痛物質が産生
筋肉自体が痛みが出現
筋肉内の侵害受容器を介する脊髄反射により筋収縮を助長


今回の検討から筆者は上記のようなメカニズムで肩関節に痛みが生じると述べています。


疼痛の長期化は痛みを助長し拘縮をもたらす一要因となるため、早期に反射性収縮はとりきる必要があると感じました。

投稿者:堀内奈緒美

2016年6月23日木曜日

【文献紹介】棘下筋の形態とその支配神経の解剖学的特徴について

本日は、棘下筋の形態と支配神経の解剖学的な特徴について報告された論文を紹介します。

 加藤ら:棘下筋の形態とその支配神経の解剖学的解析.肩関節33(2):257−259,2009

 肩関節に疾患を持つ症例は、棘下筋に筋攣縮や筋萎縮など症状を有することをよく経験します。棘下筋は棘下窩から大結節のmiddle facetに付着し肩甲上神経によって支配されます。筋の形態としては、頭側に位置する横走線維と尾側から上外側へ向かって走行する斜走線維があることを知られています。また、近年、付着の一部が大結節の前方へ伸びていると報告されました。
 さらに、棘下筋について解剖の知識を深めるために本論文を読みました。本論文は棘下筋の横走線維の支配神経と筋萎縮の関係に注目されています。
 一般的には肩甲切痕を通過した肩甲上神経は棘上筋を支配し、肩甲頸を通過し棘下筋と支配するとされます。しかし、結果から横走線維は肩甲頸を通過する前に枝が分かれており、幾つかのパターンが存在したと報告されています。このことから、棘下筋の萎縮がある場合、横走線維か斜走線維か両方かによって考察が大きく変わることを意味していると考えられます。

 今後、この棘下筋を支配する肩甲上神経の解剖学的な特徴を把握した上で筋萎縮などの病態の考察を進めていけたらと考えています。

投稿者:中井亮佑

2016年6月21日火曜日

【文献紹介】橈骨遠位端骨折に合併した尺骨茎状突起骨折について

橈骨遠位端骨折と合併して尺骨茎状突起骨折を生じることがあります。本日は合併した尺骨茎状突起骨折の放置例についての文献を紹介します。


久枝啓史、萩原博嗣・他:橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折放置例の治療成績・整形外科と災害外科.2000492):p481-484

対象と方法は橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折を合併した1415肢とし、15肢を尺骨茎状突起の先端部骨折と基部骨折に分類し、疼痛の有無、骨癒合、尺屈回旋テスト、ulnar varianceについて調査しています。
結果は、先端部骨折と比較して基部骨折は偽関節を生じやすく、疼痛も残存しやすい傾向にあると報告されています。また、疼痛を生じる例では、3mm以上のplus varianceを持つか尺屈回旋テストが陽性であったと報告しています。


 橈骨遠位端骨折の画像所見として尺骨茎状突起骨折の有無は画像所見として着目するかと思われますが、この文献を参考として骨折の有無だけでなく部位についても観察していこうと思いました。さらに、尺骨茎状突起の周囲にはTFCCや尺側手根伸筋腱などの軟部組織も存在しますので、注意して評価を行っていこうと感じました。

投稿者:関本健太

2016年6月20日月曜日

【文献紹介】超音波エコーを用いた橈骨遠位端掌側面と長母指屈筋腱との位置関係

 本日は橈骨遠位端掌側面と長母指屈筋腱(以下FPL)の位置関係について超音波エコーを用いて観察・検討されている文献を紹介させていただきたいと思います。




久保ら:超音波エコーを用いた橈骨遠位端掌側面と長母指屈筋腱との位置関係の検討 整形外科と災害外科62(2)2272302013.


 橈骨遠位端骨折の手術療法において掌側ロッキングプレートを用いた固定法は多くの症例で用いられています。その一方で術後の重篤な合併症としてFPL断裂が問題視されているということが記載されています。
 この文献では手に障害のない2040歳、4160歳、61歳以上の3つのグループ(20例、男女10例ずつ)、計60例を超音波エコーで観察しています。
 検討項目としてはwatershed lineFPLとの距離、方形回内筋の最大筋腹幅、watershed lineと方形回内筋付着部との距離の3つで、それぞれ手関節中間位と背屈位で測定されています。


 watershed lineFPLとの距離は平均1.40mmで、背屈位では0.28mm短くなったと報告しています。また、方形回内筋の最大筋腹幅は平均4.67mmで男性の方が女性よりも平均0.78mm小さく、watershed lineと方形回内筋付着部との距離は平均2.84mmであったとも報告されています。
 方形回内筋はプレート被覆によるFPLの保護の役割があるのではないかということから測定されています。

 
背屈位でのwatershed lineFPLの距離は平均すると1.12mmであり、掌側プレートの厚さ、設置位置にもよりますが、FPL滑走時にプレートと接触することが考えられます。
また、watershed line直上には方形回内筋の筋腹はなく、プレートが遠位設置であった場合にプレートとFPLが直に接触することも考えられました。


 今回は健常成人を観察しているものでしたが、橈骨遠位端骨折による掌側ロッキングプレート固定を用いられる症例では、高齢であったり、術中に方形回内筋の切離・縫合が行われたりなど、保護の役割を果たす可能性がある方形回内筋の筋腹が減少している可能性も考えられます。
 実際にプレートの設置位置やエコーでFPLの走行を評価し、FPLの断裂を防ぐように術後のリハビリを進めて行くことも重要であると感じました。



投稿者:天鷲翔太

2016年6月19日日曜日

【文献紹介】関節唇の治癒過程について

本日紹介させていただく文献は肩関節の関節唇の治癒過程について検討した文献です。


Hideki Abe他:The Tohoku Journal of Experimental Medicine:228(2):103-8, October 2012

今回紹介させていただく文献はウサギに関節唇損傷モデルを作成し、関節唇の治癒過程について検討しています。

検討に用いられたのは日本ウサギ40匹40肩です。外科的に関節縁から関節唇を切離し、縫合することなく再配置し関節唇損傷モデルを作成しました。外科的処置を行ってから1,2,3,4,5週間ごとに経過を観察しています。
結果は損傷後1週で炎症性細胞の浸潤がみられました。損傷後3週の時点で損傷部位はコラーゲン線維を伴う線維性結合組織で覆われ、組織学的に治癒が完了していたと報告しています。損傷後4週では損傷作成以前のレベルに戻っていました。ウサギにおいては少なくとも関節唇の治癒に4週を要することが今回の検討でわかりました。
ウサギの治癒は人間よりも早いと一般的に言われており、人間における関節唇の治癒には2~3ヶ月を要するのではないかと筆者は述べています。

治癒過程について調べている中で関節唇の治癒過程の文献を見つけたので紹介させていただきました。他の組織の治癒過程についても今後勉強を進めていくのでまた紹介させていただきます。

投稿者:堀内奈緒美

2016年6月18日土曜日

骨軟骨移植術における移植軟骨の力学的特性

今回、紹介する文献は骨軟骨移植術における移植軟骨の力学的特性についてです。

中路教義、藤岡宏幸ほか:骨軟骨移植術における移植軟骨の力学的特性.中部整災誌2005.48267-268

 骨軟骨移植術後の荷重時期については移植した軟骨が生着するまでは慎重に行うべきというものや骨軟骨骨片の安定性が得られるので早期に荷重できるというものまで様々な報告があります。そこでこの文献では移植された骨軟骨骨片の力学的特性と組織学的解析を行っています。

 方法は日本白色家兎12匹に対し骨軟骨移植を行い、術直後および術後1,3,8週に硬度測定装置を利用した力学的解析を行った後、HE染色し組織学的に解析をしています。

 結果ですが、力学的解析では術直後は健常軟骨より硬度が増すが、術後18週までは健常部より統計学的に有意に低値であったとしています。しかし、術後8週では3週と比較して増加に転じていたとのことです。また、組織学的解析では、術後3週で軟骨下骨での骨癒合が確認され、術後8週で関節軟骨部での連続性を認めたと報告しています。まとめると術後3週では軟骨下骨において骨癒合は認められますが、硬度に関しては力学的に十分強固なものではないということです。

 骨軟骨損傷ではInternational Cartilage Repair Society(以下、ICRS)分類が治療法の選択においても有用とされています。その中でもICRS分類のⅢ〜Ⅳ期にあたるものに対し、軟骨欠損が小さい場合は自家骨軟骨移植術、大きい場合は自家培養軟骨細胞移植術が施行されます。今回の文献は前者をモデルとして行われた研究であるため、自家培養軟骨細胞移植術に対しても、この報告が適用となるのかは疑問が残ります。どちらに対しても理学療法を展開していく際には、軟骨移植部位の位置、圧迫力を考慮し、運動角度に配慮することが大切です。また荷重時期に関しては主治医と協議をした上で進めていくことが重要であると思います。

投稿者:服部隼人

2016年6月16日木曜日

【文献紹介】肩甲上腕関節回旋時の腱板疎部の形状について

 本日は、MRIから再構築した三次元肩関節骨形状モデルを用いて、肩関節90度外転位での肩関節外旋、内旋、中間位における腱板疎部の形状と面積変化について生体で検討された論文を紹介させていただきます。



田中、林 他:コンピュータモデルを用いた肩甲上腕関節の回旋における腱板疎部の形状  
       と面積変化シミュレーション 臨床バイオメカニクス 2015. 36p23-29

対象は平均36.7歳の健常男性3名。撮影肢位は背臥位とし、肩関節90度外転位における肩関節90度外旋位、90度内旋位、そして中間位をそれぞれ静的に計測されています。
また、腱板疎部の形状は①結節間溝の前上方部、②結節間溝の後上方部、③烏口突起基部、そして④関節窩上結節を直線で結ぶことで再現されています。

 結果ですが、内旋90度と中間位では不等辺四角形を、外旋90度では烏口突起周辺部に向かって細長くなる三角形の外観を示し、腱板疎部の面積と形状は外旋位で縮小、内旋位で拡大したと報告されていました。また、腱板疎部の烏口突起周辺部の形状変化が大きかったことも示されていました。

 腱板疎部は肢位によって形状や面積が変化するだけでなく、特に烏口突起周辺の形状が大きく変化しやすいことがわかりました。今回の結果から、例えば外旋や水平外転の制限因子が腱板疎部である場合、烏口突起周辺の柔軟性にも着目して評価や治療を行っていく必要があると思いました。

 
投稿者:佐々木拓馬

2016年6月15日水曜日

第108回定例会のご案内




第108回定例会に関するご案内です。
来週、京都支部の定例会が開催されます。

今月は偶数月のため、股関節触診シリーズです。
今回のテーマは「股関節の前面の筋の触診」です。
レクチャーは京都下鴨病院の團野翼先生がして下さいます。

開催日:平成28年6月25日土曜日
 時間:受付18時〜、開始18時30分〜
 場所:京都下鴨病院 2F リハビリテーション室
参加費:会員は無料、非会員500円


先日はベーシックセミナーにたくさんのご参加いただき誠にありがとうございました。
ご参加いただいた先生方には、触診の大切さも再確認いただけたと思います。
今年一年を通して、股関節の触診を一緒に深く勉強していきたいと思います。


なお、今回、非会員の先生方も京都支部のLINE@ページをご登録いただけると、定例会へのご参加を無料にできるクーポンを来週げつ配信致します。

LINE@の登録は下記「友達追加ボタン」もしくはQRコードから


友だち追加数














また、同日に滋賀支部でも定例会を開催予定です。
滋賀支部でも同様にLINE@にご登録いただくと参加無料のクーポンを配信予定です。

各支部の詳細は合同ホームページよりご確認下さい。
➡️http://ohmi-rigaku.jimdo.com


投稿者:為沢 一弘

2016年6月14日火曜日

【文献紹介】腓腹筋のストレッチングの効果について

 今回紹介させて頂く文献は、腓腹筋に対して選択的にセルフストレッチングを行っています。その後、ストレッチングが血行動態及ぼす影響について、超音波を用いることで検証しています。


中村 浩一ら:腓腹筋に対するセルフストレッチング効果の超音波学的解析: 
理学療法科学31(2):p261-264,2016

対象は健常男性40名、平均年齢は21.4±1.6歳で、測定は左下肢40肢の膝窩動脈としています。
方法は対象者全員に対して腓腹筋のストレッチを行う場合と行わない場合の2条件とし、2条件で膝窩動脈における血管径と血流速度を計測しています。統計解析はストレッチングの有無と測定時期(ストレッチングの前後)2要因とし、血管径と血流速度のそれぞれに対して二元配置分散分析を行っています。
結果は、血管径では有意差は認められなかったとしています。血流速度に関しては、ストレッチング無しに比較して、有りでは有意に高値を示し、ストレッチング前よりストレッチング後が有意に高値を示したと報告しています。


院内や外来でのリハビリを行う中で、セルフエクササイズを指導することも重要になるかと思われます。しかし、炎症が認められる場合、それによって循環が改善し炎症持続する可能性が考えられます。今回の文献を読んで、セルフエクササイズの指導する中で、炎症などの全身状態を把握した上での指導が必要と再確認できました。

投稿者:関本健太

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