COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年6月28日火曜日

【文献紹介】手指屈曲運動における正中神経の横断的運動

本日紹介させて頂く文献は、手指を第15指まで個別的に屈曲し、正中神経が横断的に移動する距離を超音波にて観察しています。


三浦 雅文:個別的手指屈曲運動における正中神経の横断的運動について.理学療法学30(2):247-250,2015

健常成人の714肢を対象とし、正中神経の撮像には超音波を用いております。測定肢位は背臥位で解剖学的肢位として、プローブを手根管部に横断的に当て、正中神経、大菱形骨、豆状骨が確認できる位置に調整しています。測定肢位にて、手指を個別的に自動および他動で屈曲し、横断的な移動距離を測定しています
 結果ですが、自動屈曲では第3指において1.35mmの移動距離を示し、第1~5指の中で最大の値を示したと報告しています。他動屈曲でも同様に第3指が最大で、0.62mmの移動が確認されています。

正中神経は浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、橈側手根屈筋と共に手根管内を通過します。特に浅指屈筋、長母指屈筋は正中神経に近い位置を走行しています。そのため、正中神経の横断方向への滑走を促すには、浅指屈筋、長母指屈筋の収縮を利用することができることが考えられます。一方、正中神経の圧迫を生じる場合は、収縮に配慮が必要であると感じました。


投稿者:関本健太

人気の投稿