今回紹介させて頂く文献は、腓腹筋に対して選択的にセルフストレッチングを行っています。その後、ストレッチングが血行動態及ぼす影響について、超音波を用いることで検証しています。
中村 浩一ら:腓腹筋に対するセルフストレッチング効果の超音波学的解析:
理学療法科学31(2):p261-264,2016
対象は健常男性40名、平均年齢は21.4±1.6歳で、測定は左下肢40肢の膝窩動脈としています。
方法は対象者全員に対して腓腹筋のストレッチを行う場合と行わない場合の2条件とし、2条件で膝窩動脈における血管径と血流速度を計測しています。統計解析はストレッチングの有無と測定時期(ストレッチングの前後)の2要因とし、血管径と血流速度のそれぞれに対して二元配置分散分析を行っています。
結果は、血管径では有意差は認められなかったとしています。血流速度に関しては、ストレッチング無しに比較して、有りでは有意に高値を示し、ストレッチング前よりストレッチング後が有意に高値を示したと報告しています。
院内や外来でのリハビリを行う中で、セルフエクササイズを指導することも重要になるかと思われます。しかし、炎症が認められる場合、それによって循環が改善し炎症持続する可能性が考えられます。今回の文献を読んで、セルフエクササイズの指導する中で、炎症などの全身状態を把握した上での指導が必要と再確認できました。
投稿者:関本健太